共済は本当にコスパ最強の保険なのか?民間保険会社と比較してみた

共済って、保険よりも掛金が安いのに保障内容は劣らないとして「最強」の呼び声が高いですよね。「共済さえあれば民間の医療保険は不要だ」と主張する人もいます。確かに、たとえば都民共済(入院保障2型)なら、月額2000円で入院1日につき1万円、1入院の保証期間も120日以上とかなりのもので、共済最強説にはもぶ太も頷けます。

とはいえ、共済にだってデメリットはあるはずです。現に僕は以前、知人のFPさんに「年を取ると保障が先細りするからやめた方がいい」と釘を刺されたことがあります。

実際、共済の実力はどの程度のものなのか、安さが売りの医療保険とではどれくらい安く、質がいいのか? 気になったので調べてみました。

共済について
こくみん共済、コープ共済、都民共済の3つを取り挙げます。県民共済は地域により保障内容にバラつきがあるため、ここでは代表として都民共済で比較します。

掛金は据え置きで保障のみが先細りしていく

FPさんがデメリットとして挙げた保障の先細り。事実、共済から民間の医療保険に乗り換えたいと相談に来る人のほとんどがこの理由だそうです。

調べてみたところ、先細りどころか保障そのものが終了してしまうものもありました。たとえば先程の都民共済「入院保障2型」では、60歳を越えた時点で保障がグレードダウンするうえ、65歳以降は「熟年入院型」というプランに移され、5年毎に保障が減っていきます。月掛金2000円は変わらないのに、です。

保障内容(入院保障2型) 保障内容(熟年入院型)
保障期間 18歳~60歳 60歳~65歳 65歳~70歳 70歳~80歳 80歳~85歳
入院 事故 1日目から
184日目まで
1日当たり
1万円
1日当たり
7,500円
1日当たり
5000円
1日当たり
3500円
1日当たり
2000円
病気 1日目から
124日目まで
1日当たり
1万円
1日当たり
7500円
1日当たり
5000円
1日目から
44日目まで
1日当たり
3500円
1日目から
44日目まで
1日当たり
2000円
通院 事故 14日以上
90日まで
通院当初から
1日当たり
1500円
通院当初から
1日当たり
1500円
-
手術(組合の基準による) 2.5万円・5万円・
10万円
1万円・2万円・
4万円
1万円・
2万円・
4万円
1万円・
2万円・
4万円
-
先進医療(組合の基準による) 1万円~
150万円
1万円~
75万円
1万円~
75万円
1万円~
75万円
-
死亡・
重度障害
交通事故 10万円 5万円 5万円 5万円 3万円
不慮の事故(交通事故を除く) 10万円 5万円 5万円 5万円 3万円
病気 10万円 5万円 5万円 5万円 3万円

高齢になると病院にかかる可能性が高くなるため、保障額が少なくなるのは、まあ理解できます。しかし若者でも高齢者でも掛金が変わらないということは、若者の方が多く負担していることになり、それなら医療保険の方が合理的なのでは?と思ってしまいます。

●保障が先細りすると困るのはどんな人?

そもそも、老後の保障が先細りしたり、無くなったりするとどんな人が苦労するのでしょうか。これはズバリ、貯蓄が十分でない人です。こんなご時世ですから年金はあてにできない、年のせいで介護状態・長期入院の可能性は高くなる、高額療養費制度はあるものの、月4万円程度はかかってしまう……。こうしたリスクに対応するにはある程度の蓄えが必要です。

もぶ太家は老後に向けてできるだけ貯蓄するつもりですが、先のことはやっぱり予測できません。そうすると共済の一点買いはキケンで、加入するなら医療保険の補強的な使い方が正しいんじゃないかと思えてきます。

しかし、だったら共済の販売する終身保障に入ればいいじゃないかという声もあります。共済は定期保険だけが売り物ではないので、確かによい指摘かもしれません。

●共済版の終身型保障は使えるのか?

都民共済には定期型しかありませんが、こくみん共済には「終身医療5000」、コープ共済には「《ずっとあい》終身医療」という商品が販売されています。特にコープ共済の終身型保障は2012年に発売されたばかりとわりと新顔。どんな内容でしょうか。

■30歳男性 入院給付日額5000円の場合

共済 保障内容 掛金
終身医療5000
(こくみん共済)
病気入院・事故(ケガ)
(1日目~180日、通算1,000日)
日額5000円 2720円
手術給付金
(全労済所定の手術)
1回5万円
《ずっとあい》終身医療
(コープ共済)
病気入院・事故(ケガ)
(1日目~180日、通算1,000日)
日額5000円 2425円
術給付金
(コープ共済所定の手術)
1回5・10・20万円

意外にといいますか、想像していたより安くありませんでした。むしろ民間と同等?でしょうか。ただし共済は毎年の決算で余剰が出た場合、「割戻金」としていくらか戻ってくるので、表の金額よりは安くなる……と思いきや、両プランとも終身型に割戻金はないようです。(コープ共済は「現段階ではない」という回答)

では、主要な格安医療保険よりと比べてどうなのか、同じように表にまとめて比べてみます。※できるだけ共済の保障内容に合わせて見積りました。特約はなしです。

保険会社 保障内容 掛金
新EVER(アフラック) 病気入院・事故(ケガ)
(1日目~60日、通算1095日)
日額5000円 1640円
手術給付金 1回2.5万円(入院ありは5万円)
20万円(重大手術)
放射線治療給付金 5万円
先進医療一時金 5万円(年5回まで)
やさしくそなえる医療保険
(メットライフ アリコ)
病気入院・事故(ケガ)
(1日目~120日、通算1095日)
日額5000円 1980円
手術給付金(支払い対象外の所定の手術) 1回10万円(2.5万円)
じぶんへの保険
(ライフネット生命)
病気入院・事故(ケガ)
(1日目~180日、通算1095日)
日額5000円 2663円
手術給付金(支払い対象外の所定の手術) 1回10万円

掛金だけを見るとライフネット生命は同等、その他2社は共済より安いようです。1入院の保障日数が60日、120日、180日と異なるので差が出ていることもありますが、アフラックのように、その他の給付金が付いていても断然安い商品もあります(ちなみに特約で長期入院特約~120日までをつけて も+225円)。このことから、老後が心配で終身型を選びたい場合、共済を積極的に選ぶ理由はないと思います。

ライフプランに応じたカスタマイズができない

先程の項目で保障内容を調べながら気づいたのですが、共済は民間医療保険のように、個々のライフプランに応じたカスタマイズがしにくい傾向があります。

特に顕著なのが高額保障、長期入院に弱い点です。比較的小ぶりな少額保障が一般的なので、手厚い保障や長期での入院保障を望んでいる人には物足りないかもしれません。医療保険の経済力別、比較・選び方でも触れていますが、経済力に余裕がある人は、少額の負担で済む短期入院よりもむしろ長期入院を心配した方が良いという考え方もあり、この点も共済が万人受けではないなと思う点です。

ちなみに、今回は医療保障で比較していますが、死亡保障で比較した場合、この傾向はさらに強くなります。共済1本では不測の事態に備えられない人も出てくるかもなので、 やはり医療保険の上乗せ的な扱いが最も力を発揮すると思います。

まとめ

共済のコスパが最強かどうかは、以下の3つのタイプによってわかれます。

やっぱり共済が最強! → 老後の医療保障は特にいらない、それまでにはきっちり貯金をする人

選んでも損はないかな? 民間の医療保険に入りつつ、現役世代のみ手厚い保障を望む人

マッチしていない(・_・;) 一生涯保障して欲しい、自分に合った保障にカスタマイズしたい人

共済が安くて質がいいのは確かにその通りですが、誰でも共済に加入しておけば間違いないというのはやや言い過ぎというのがもぶ太の率直な感想です。若いうちに加入するなら民間の保険でも十分に安いことも分かりました。共済だけでは不十分とまでは言いませんが、共済がいかなる保険よりも最強というのは言い過ぎだということです。

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