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分譲マンションで地震保険は必要?

このたび、新築の分譲マンションを購入します。
火災保険の加入は決定していますが、地震保険には加入するかどうか迷っています。

迷っている理由としては、木造の一戸建などに比べれば被害はさほど大きくないだろうと思っている事。マンションは共有部分が多いので、持ち家ほど負担も大きくないと考えているからです。

地震保険は必要でしょうか?また、もし地震保険に加入する場合、注意点はおすすめの選び方などありますでしょうか?

(28歳 女性)

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地震や噴火による被災後の生活再建のために、地震保険は入っていた方が安心です。

ファイナンシャルプランナー 老後のお金を一緒に考える事務所所長 中垣 香代子

地震保険は、地震などにより損害を被った建物や家財を元通りにすることが目的ではなく、被災後の生活の立て直しが目的なのです。そのため、十分な貯蓄等により生活再建への不安がない人以外は、地震保険に加入しておくことが望ましいと考えます。

地震保険を考えるときのポイントは次の3つです。

  1. 地震による倒壊・破損だけでなく、地震が原因の火災・津波や火山の噴火も対象となります
  2. 地震保険金の支払われ方には特徴があります
  3. 生活環境・家計の状況によって必要度が異なります

ポイントその1.地震が原因の火災・津波や火山の噴火も対象になります

「地震保険」と聞くと、地震や津波による建物・家具の損壊を思い浮かべる方も多いことでしょう。しかし、地震保険の約款によると地震保険の保険金支払い対象は、「地震もしくは噴火またはこれらによる津波」を直接または間接の原因とする火災、損壊、埋没または流出とあります。

近年活発化しているといわれる火山の噴火が原因の被害も対象になっています。地震だけでなく、火山の被害が及ぶ地域かどうかも考慮するといいでしょう。

また、地震が原因の火災は、通常の火災保険の対象ではなく地震保険の対象になります。火災の中でも最近注目を浴びているのが通電火災です。地震により家具等が転倒飛散した状態で電気が復旧した場合、転倒した電気ストーブが通電し、周りの物に燃え移ったり、傷ついた配線コードがショートし発火したりといった通電火災は、思いのほか被害が大きくなります。平成7年1月17日に起こった阪神大震災の際の火災被害は大変に大きなものでした。原因が判明している火災のうちの6割以上が通電火災だったとの報告があります。

地震保険でカバーできるのは、揺れや津波による損害だけではないことを念頭に入れておきましょう。

ポイントその2.地震保険金の支払われ方には特徴があります

地震保険は単独での契約ができず、火災保険に付帯して契約します。
保険金額は建物が火災保険金額の30%~50%の範囲内(5,000万円限度)、家財が火災保険金額の30%~50%(1,000万円限度)となり、居住用の建物や家財に限られます。また、1個または1組の値段が30万円を超えるものや自動車、通貨、有価証券などについては地震保険の対象とはなりません。

地震保険金の算出方法は独特で、被害の程度により全損・半損・一部損の3区分に判定され、それぞれ地震保険金額相当額・地震保険金額の50%・地震保険金額の5%が支払われます。
火災保険や自動車保険のように、損害額相当額の保険金が支払われないのは、建物や家財を元通りにすることが目的ではなく、被災後の生活再建が目的のため、素早く公正に保険金の支払いを行うためです。

地震保険金だけでは、家を建て直すことや、家具を買いなおすことは出来ないとの声も聞きますが、生活再建をスムーズに行うためのものだと考えると納得できるのではないでしょうか。

ポイントその3 自分にとって地震保険は必要なのかを考えましょう

地震等により被災した場合、次のようなことが考えられます。

  • ・住めなくなったときの避難先の確保(ローンと家賃の二重負担、場合によっては二重ローン)
  • ・破損した建物の修繕・家具の買い替え
  • ・職場の被災による業務停止

たとえ自宅の被害が大きくなくても、職場の被害が大きければ給与支払いの遅れなど、生活が厳しくなる恐れもありますね。揺れによる直接の被害だけでなく、波及する被害の想定が必要になります。
物を元通りにすることも大切ですが、生活を立て直すことが大切なのは言うまでもありません。

経済的体力に自信がない方ほど、保険で備える必要があるのではないでしょうか。

以上のことから、建物・家財共に地震保険に加入することが望ましいと考えます。とは言っても、地震保険の保険料は安くはありません。

相談者の場合は新築のマンションということで、揺れに強い建物については、避難時にブレーカーを落とす・揺れを感知してブレーカーを自動的に落とす装置を付けるなど地震火災に注意し、揺れによる被害が想定される家財への付保を優先することをおすすめします

ファイナンシャルプランナー 老後のお金を一緒に考える事務所所長 中垣 香代子

老後のお金を一緒に考える事務所所長(株式会社FPフローリストメンバー) 。損害保険会社にて10年間勤務の後、子育て期間を経てFPとして活動開始。相談業務・webサイトへのコラム寄稿・40~50歳代女性向けミニセミナー講師のほか、不動産賃貸管理会社の経営にも携わっている。

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対

推奨

積極的には推奨しない

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