東京23区の子育て支援制度比較

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平成24年8月に『子ども・子育て関連3法(※1)』が成立し、各自治体が行う子育て支援がさらに多様化する動きを見せています。消費税増収分の一部を財源に支援内容を充実させる予定で、現行制度からどのような強化が成されるか、その取組が注目を集めています。 不安定な経済情勢が続くなか、地域の経済的・精神的支援は子育て世帯にとって本当に有難いもの。制度の変革中ではあるものの、現段階で実施している子育て支援がどのようなものか、東京23区を例に比較・考察します。

項目解説

【妊婦健診公費負担】

妊婦健診の公費負担度。厚生労働省は「14回が望ましい」と各自治体に通知している。里帰り出産等で居住地以外の医療機関で受診した場合でも助成されるが、詳細は市区町村により異なる。

【子供医療費助成】

通院・入院時にかかる医療費助成の年齢制限について。東京23区では『マル乳(乳幼児医療費助成制度』、『マル子(義務教育就学児医療費の助成)』と呼ばれる。全ての区で所得制限が設けられていない。なお、食事についての自己負担額は自治体により異なる。

【認可外保育施設の援助】

児童福祉法に該当しない保育施設への援助度。東京都独自基準の認証保育所を含む。

【私立幼稚園への補助】

就園奨励費」は国から補助金が、「保護者補助金」は東京都からの補助金が交付される。就園奨励費は所得制限があり、生活保護世帯・第三子以降で最大30万8,000円(年額)が補助される。基本的に就園奨励費については省略する。

都心部
妊婦健診公費負担 子供医療費助成 認可外保育施設の補助 私立幼稚園への補助 その他注目の支援
港区 14回 中3まで ・最大8万円/月(2歳児クラス)

・最大7万7,000円/月(3歳児クラス以上)

・保護者補助金:最高24万2,400円/年 ※詳細 ・ショートステイ・トワイライトステイあり

・出産費用の助成(60万円まで)

・特定不妊治療助成(1年度あたり30万円・通算5年)

・育児サポート子むすび(育児支援希望者と協力者を結ぶ事業)

・認定こども園数/0

中央区 14回 中3まで 最大5万円/月 区立のみ ・ショートステイ・トワイライトステイあり

・出産支援祝品(タクシー利用券1万円分)

・新生児誕生祝品(区内共通買物券3万円分)

・認定こども園数/2

新宿区 14回 中3まで ・認証保育所:最大3万円/月

・家庭的保育者(保育ママ):月額5,000円

・入園料補助金:最大8万円

・保育料補助金:最大25万4,400円/年 ※詳細

・ショートステイあり

・子育てファミリー世帯居住支援(転入転居助成)

・第3子より保育料全額助成(認証保育所に限る)

・認定ごども園数/2

千代田区 14回 高3まで 全額または2割程度を減額 園児保護者補助金:園児一人につき7,200円/月 ※詳細 ・ショートステイあり(※最大2ヵ月の一時・特定保育あり)

・次世代育成手当 16~18歳の児童養育者へ児童1人につき5,000円/月

・誕生準備手当(妊娠第20週~1歳までの妊産婦に一律4万5,000円

・特定不妊治療助成(最高12万5,000円上限)

・認定こども園数/0

文京区 14回 中3まで 最高5万円/月 ・入園補助金:園児一人につき3万円

・保護者負担軽減補助金:最大1万3,700円/月 ※詳細

・ショートステイあり

・認可保育園における第3子以降の保育料免除(条件なし)

・認定こども園数/0

渋谷区 14回 中3まで 2万5,000円/月 ・入園料補助金: 最大4万円

・保育料補助金:最高1万3,700円/月 ※前年度収入400万円以下の世帯は無償 ※詳細

・ショートステイあり

・ハッピーマザー出産助成金 1人の出産につき8万円

・幼児の無料フッ化物塗布(虫歯予防)

・認定こども園数/5

東部
妊婦健診公費負担 子供医療費助成 認可外保育施設の補助 私立幼稚園への補助 その他注目の支援
江戸川区 14回 中3まで HPに記載なし ・入園料補助金: 最高8万円

・保育料補助金:最高2万6,000円/月

・ショートステイあり

・乳児養育手当(ゼロ歳児)0歳児を養育している世帯に 1万3,000円/月 ※ひとり親への支援

・認定こども園数/1

足立区 14回 中3まで 最高2万円/月 ・入園料補助金:最高10万円/年

・保育料補助金:最高3,500円/月

・ショートステイあり

・あだち子育てパスポート:協賛店舗での買い物時に5%の割引サービス
・あだち子育て応援隊:会員へのさまざまな支援サービス

・認定こども園数/11

葛飾区 14回 中3まで 最大1万7,000円/月 ・入園料補助:最高10万円

・保育料補助金:最高2万8,000円/月 ※詳細

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・多子世帯の保育料等の減額・免除

・認可保育園の第ニ子、第三子の保育料等を減免(小学三年までの児童が三人いる場合に限る)

・認定こども園数/0

江東区 14回 中3まで 最大5万円/月 ・入園料補助金:最大7万円

・保護者補助金:最大18万2,400円/年 ※詳細

・ショートステイあり

・認可保育園の保育料が第三子以降無料(※三人とも在園している場合に限る)

・認定こども園数/3

荒川区 14回 中3まで 最大6万円/月 ・入園児保護者補助金(入園料の補助):7万円

・保護者負担軽減補助金:最大15万7,200円/年

・ショートステイあり

・ツインズサポート(多肢育児家庭支援)双子や三つ子などの多胎児を養育している家庭に、タクシー利用券の配布と一時保育利用料の補助(両者とも2万円まで)

・あらかわキッズコール24:24時間年中無休の育児相談コールサービス

・認定こども園数/3

墨田区 14回 中3まで 最大2万5,000円/月 ・入園料補助金: 4万円

・入園料補助金: 4万円※詳細

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・いっしょに保育事業:保育士2人が自宅を訪問し、プロの視点から共に保育を行い、学ぶ

・認可保育園の保育料が第三子以降無料(※三人とも在園している場合に限る)

・認定こども園数/0

台東区 14回 中3まで 最大2万円/月 ・入園祝金:3万円

・保護者補助金:最大9,900円/月

・負担軽減補助金:最大6,200円/月 ※詳細

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・たいとうすくすく手形:区内協賛店での割引サービス

・にぎやか家庭応援プラン:第3子以降の児童に出生時、小・中学校入学時にそれぞれ祝品を贈呈 ※詳細

・認定こども園数/2

南部
妊婦健診公費負担 子供医療費助成 認可外保育施設の補助 私立幼稚園への補助 その他注目の支援
大田区 14回 中3まで 最大3万円/月 ・入園料補助金:最大11万円

・保護者負担軽減補助金を区市町村民税の基準で算出 ※詳細

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・出産こども一時金:第3子以降の出生1人につき5万円

・認定こども園数/0

品川区 14回 中3まで 最大6万6,000円/月 ・入園料補助金:最大 10万円

・保育料補助金・就園奨励費補助金:最大46万6,400円

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・しながわっ子:子育てかんがるープラン 妊娠中から小学校就学前の児童をもつ保護者への相談事業と子育てプランを支援

・認定こども園数/0

世田谷区 14回 中3まで 最大2万円/月 ・入園料補助金:9万円限度

・入園料補助金:最大 10万円

・保育料補助金:最大1万3,200円/月 ※詳細

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・さんさんサポート:子育て支援ヘルパーの派遣を無料で実施(4時間)

・認定こども園数/4

目黒区 14回 中3まで 最大4万円/月 ・入園料補助金: 6万円

・保育料補助金:最大1万6,200円/月

・ショートステイあり

・めぐろ子育てネット:子育てのための情報を積極的に発信 ・グループ型小規模保育

・認定こども園数/1

北西部
妊婦健診公費負担 子供医療費助成 認可外保育施設の補助 私立幼稚園への補助 その他注目の支援
板橋区 14回 中3まで 月額2万円 ・入園料補助金:4万円

・保護者負担軽減補助金:最大15万8,400円/年※詳細

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・板橋区すくすくカード事業:子育てに使える商品サービス券を配付

・森のサロン:東京家政大学と協同して親子交流の提供や親子講座を開講

・認定こども園数/2

練馬区 14回 中3まで 最大2万円 ・入園児保護者補助金:最大4万円

・保護者負担軽減費補助金:最大1万1,200円/月※詳細

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・子育てスタート応援券:家事応援券(育児支援ヘルパー事業)と育児応援券(ファミリーサポート事業)を無料で提供(1歳未満の子どもがいる家庭に限る)

・ねりまキッズ安心タクシー:育児講習・検定を開講し育児知識に長けたタクシードライバーを育成

・第3子誕生祝金第3子以降の出生した児童1人につき20万円

・認定こども園数/5

北区 14回 高3まで 月額1万5,000円 ・入園祝金:4万円

・保護者負担軽減補助金:最大1万4,200円/月

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・子育て福袋:北区子育てガイドブック、産前産後支援・育児支援ヘルパー利用券、ママ・パパ子育てほっとタイム利用券など

・子育てにっこりパスポート事業:協賛店で提示すると割引や特典サービスが受けられる

・各種子育て応援事業:1~3歳の児童に市から誕生日プレゼントを送るなどのイベント開催

・ファミリー世帯転居助成:区内の民間賃貸住宅を住み替えする場合、親と18才以下の子ども2人以上で構成するファミリーに転居費用30万円まで助成

・認定こども園数/1

中野区 14回 中3まで 最大6万2,000円/月 ・入園料補助金:4万5,000円

・保護者補助金:最大1万2,000円まで/月

・ショートステイ・トワイライトステイあり

・まちなかサロン:区民の自宅や地域センター等を開放して子育て中のママたちが交流する場を提供。乳幼児向けは7ヵ所、参加費は100~300円程度

・認定こども園数/2

豊島区 14回 中3まで 最大4万円/月 ・入園料補助金: 最大3万円

・保護者負担軽減補助金:最大1万200円

・ショートステイあり

・無料フットワークバス:東部・西部の子ども家庭支援センターと周辺駅を運行するバスを無料で利用可能(要予約)

杉並区 14回 中3まで 最大6万7,000円/月 ・入園料助成金: 最大6万円

・保護者補助金・就園奨励費補助金:最大46万2,800円

・ショートステイあり

・子育て応募券:就学前の児童がいる世帯へ子育て支援サービスに利用できる応募券を配布

・認定こども園数/0

※2016年3月調べ
※1 子ども・子育て関連3法(子ども・子育て支援法、認定こども園法の一部を改正する法律、関連法律の整備等に関する法律)
※2 認定こども園数は「内閣府 子ども・子育て本部」より抜粋

目を引く医療費助成の充実さ。高校生まで無料の区も

他の市区町村と比べて支援内容が充実している東京23区。すべての区が例外なく中学3年生までの医療費助成を行なっており、数年前までは設けられていた所得制限も撤廃。千代田区と北区にいたっては、助成の対象年齢を高校生にまで拡げています。両区に負けじと、他の区でも対象年齢の引き上げが検討されており、子育て世帯にとっては非常に嬉しい環境が整備され続けています。

地域全体で子どもを育む仕組み

直接的な金銭的支援に加え、育児を全般的に支援するサービスも積極的に展開されています。たとえば、杉並区の『子育て応援券』もその一つ。一時保育や子育て講座、親子参加イベントなど有料の子育て支援サービスに利用できるチケットで、就学前の子どもがいる家庭に無料で発行されます。応援券で支払われた利用料は、サービス事業者が杉並区に請求することができる仕組みなので、事業者は保護者に選んでもらえるための質の向上やサービスの工夫に努めるようになります。自治体が実施する事業が、子育て世帯と子育てを応援する地域の人々の交流を盛んにした好例といえるでしょう。

プレママ時期から支援する「不妊治療助成」にも注目

子どもがいる世帯に留まらず、これから子どもを持ちたい家庭を積極的に支援する区もあります。港区の不妊治療費助成がまさにそれで、1年間で最大30万円、通算5年で最大150万円を所得制限なしで助成しています。この額は2位の世田谷区(最大100万円)を大きく引き離して堂々の1位、他地区の2倍~3倍にあたるほどの額です。 不妊治療にかかる経済的負担は予想以上に重く、金銭的な問題で治療を諦めるカップルも少なくありません。助成を行なっていない区もあることを考えれば、こうした支援は非常に評価できるものです。

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