学資保険は持病や健康状態によっては入れないかもしれない?

学資保険に加入する目的は、計画的(強制的)に「教育費を貯めること」と、「保険としての機能が欲しい」ということ、ではないでしょうか。

子供の教育費を、親(契約者)が死亡・高度障害になった場合でも確実に準備できる方法として学資保険は有効です。

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保険料払込免除が付くため「健康告知」が必要になる

学資保険には、保険商品ならではのメリットとして、保険料の払込が免除される特則(特約)があります。保険契約の期間中に、契約者(一般的には親)が死亡または高度障害状態になった場合、以降は保険料を払わなくてもよくなるうえ、契約時に決めた満期保険金や入学祝金などはきちんと受け取れるというものです。積立貯蓄や投資にはない、学資保険らしいメリットです。  

この、保険料払込免除という保険としての機能があるため、学資保険の申し込み時は診査(告知)が必要になります。診査の対象は契約者(兼被保険者)で、健康状態によっては加入を断られるケースもあります。持病で治療中の人や病気をした経験のある人は、まったくの健康体の人に比べると死亡するリスクが高くなると判断されるからです。

では、学資保険の告知ではどんなことが聞かれるのでしょうか。

【告知書の例】

ソニー生命の学資保険告知書を例に見てみましょう。

ア 過去5年以内に、 病気やけがで、継続して7日以上の入院をしたこと、または手術を受けたことがありますか。

イ、過去5年以内に、 病気やけがで、初診日から最終受信日まで7日以上にわたり医師の診察・検査・治療を受けたこと、またはうけたことがありますか。合計7日間分以上の投薬をうけたこ とがありますか。

過去2年以内に、 健康診断、がん検診または人間ドックをうけて、以下の項目で異常(要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療を含む)を指摘されたことがありますか。

診察・血圧・血液・尿・便潜血・X線・心電図・眼底・眼圧・ 超音波(エコー)・肺機能・CT・MRI・内視鏡・PET・細胞診・ 組織診・脳ドック

最近3か月以内に、 医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。

告知に「はい」があるなら状況を詳しく報告すること

診査では、一般的に過去5年以内の健康状態が問われます。ですので「もう少しで完治から5年経過する」という病歴があるなら、時期を待っての加入もいいでしょう。

また、これらの質問に「はい」があってもあきらめず、現在の病状をなるべく詳しく報告しましょう。「告知書の記入方法」のところには「傷病別に告知いただきたい事項について」として情報を多く提供するように求めています。たとえば、高血圧症の場合は「最後に測定した血圧値(最高~最低)、検査年月日。*血圧値は医療機関で測定したものに限ります。」とあります。

もちろん、詳しく報告すれば必ず有利になるわけではありません。ありませんが、事実をボカして告知すると「告知義務違反」に問われる恐れもあります。

子供にも診査が必要な場合もある

商品にもよりますが、学資保険では、子供と契約者(親)の両方に保障があることがあります。

最近は主流ではありませんが、子供に死亡保険金や医療特約を付加するような保険の場合、子供の健康状態の告知も必要になります。子供が先天性の病気を持っているなど、告知の内容によっては、引受を断られる可能性もあります。

一方、子供が亡くなっても死亡保障がない、つまり、保険会社から払われるのがそれまで払い込んだ総額(責任準備金相当額や払込保険料相当額)という商品なら、子供の健康状態の告知は不要です。

保障がある人は健康状態の告知が必要で、保障がなければ健康状態を問わずに加入できるということですね。  

告知不要の学資保険もある?

健康状態が理由で学資保険に加入できない場合は、子供にも親にも保障機能がないタイプの保険もあります。

住友生命の「たのしみキャンバス」がそうで、契約者(親)が死亡したら新しい契約者を立てて保険料を払い続けるという仕組みです。子供が死亡した場合は、それまで払い込んだ相当額を受け取れます。どうしてこんな契約が可能なのかというと、たのしみキャンバスが「学資保険風の個人年金保険」だからです。

こうしたタイプの保険なら、診査に影響ある持病をもつ人なども契約できます。かわいい孫のために学資保険をかけてあげたいという祖父母も契約可能です。

ただし、繰り返しになりますが保障機能はありません。あえてメリットを挙げるとすれば、源泉分離課税されないとか、生命保険料控除の対象になるとか、税制面での優遇くらいでしょうか。

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