もくじ

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  2. がん治療の基礎知識と実態
  3. がん治療の費用

がん治療はいくらかかる? がんの3大療法と部位別の治療費用

がんには大きく分けて3種類の治療法があります。手術・抗がん剤治療・放射線治療がそれで、合わせてがんの3大療法と呼びます。実際には、ケースに合わせて、これらの療法やほかの方法を組み合わせて治療が行われていきます。

手術

内容・効果

がんになった部分とその周辺を手術で取り除く治療法です。がんがまだ小さく、転移などもしていない早期のうちに発見できた場合は手術が効果的です。多くのケースで、手術は選択肢に入ってきます。

体を切開し、麻酔も使用するため、患者に負担があるのが手術の難点でしたが、近年は技術も進歩して、より負担の少ない手術法が増えてきています。内視鏡を使用することで、小さな切開で行える手術もあります。

費用の目安

手術の費用は、術式によってかなりの開きがあります。内視鏡を使った胃粘膜の手術などでは30万円程度ですが、胃の一部を切除するような手術になると、100万円以上になることも。そのため、がん保険や医療保険の手術給付金は、手術の種類に応じて、段階的に給付金額が変わるものがあります。

抗がん剤治療(薬物療法)

内容・効果

手術だけではすべてのがんを取り除き切れない場合や、手術前に腫瘍を縮小させるため、手術後の再発防止などに使われるのが抗がん剤です。一口に抗がん剤といってもさまざまな薬があり、厳密には抗がん剤ではない分子標的薬やホルモン剤といった薬品もがん治療には使われます。そういったものを含めて、化学療法と総称することもあります。

手術や放射線治療が、がんになった部分にだけ行われる処置(局所療法)であるのに対して、抗がん剤は全身に効果があります。つまり、転移がありそうだけどそれが発見されていない場合なども、治療ができるということです。 がんは細胞の異常な増殖が特徴的ですが、多くの抗がん剤は細胞増殖が盛んな細胞に対して、増殖を抑制することで、がんが広がるのを防ぎ、がん細胞を破壊します。反面、正常な細胞にも作用してしまうため副作用があり、身体への負担があることが難点です。また、通常は月単位で1コースの治療が行われますので、手術に比べると治療は長引き、費用もかかってしまいます。

費用の目安

抗がん剤治療は、投薬と休止のサイクルを決めた治療計画をつくり、効果を見ながらそれを繰り返すことで行われます。この1つのサイクル(おおむね3~6週間であることが多いです)を1コースと呼び、1コースあたりにかかる費用は10~100万円程度が平均だと言われています。この費用の多くは、薬剤費によります。1回の投与で数十万円という薬もあるため、薬代によって、費用が変わります。(ただし、高額療養費制度があるため、最終的な自己負担額は高くても月9万円程度におさまります)

放射線治療

内容・効果

放射線をがんに対して照射することでがん細胞を破壊するという治療法です。手術に代わる根治療法のほか、再発の予防のためにも用いられます。

放射線治療には大きく分けて、体の外側から放射線を照射する「外部照射」と、体内に放射性物質を入れて患部に照射する「内部照射」という方法があります。 照射方法によっては、がん周辺の正常な細胞にも放射線を浴びせてしまうことになりますが、放射線を浴びることそのものには痛みもなく、手術や抗がん剤に比べると、身体への負担や副作用は少ないといえます。ただし、放射線をあてることで正常組織にも少なからず傷がつき、出血したり皮膚がただれたり、場合によっては二次的な発がんを起こす場合もあります。

費用の目安

放射線治療の費用も、方法によって変わります。おおむね3cm程度の小さな病巣に対して行われることが多い定位放射線照射という方法で、60万円程度が目安ですが、重粒子線治療・陽子線治療では300万円程度かかる場合もあります。たとえば前立腺癌に対する重粒子線治療は、先進医療に指定されているものの、治療そのものには健康保険は利かないため、自己負担で300万円かかります(先進医療特約つきの保険があればカバーできます)。放射線治療は比較的新しい技術であり、今もどんどん新しい方法や機器などが研究されている分野ですので、新しい治療法に対して保険適用がどうなっているか、調べてみるといいでしょう。

また、前述した抗がん剤治療と放射線治療の両方を受けるケースも多く、抗がん剤治療は多ければ10コース、20コース行うこともあります。それにともなって、その際の費用も高額になりがちなため、チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアム」など、放射線治療・抗がん剤治療に特化した保険も登場しています。

結局、がんの治療はトータルでいくらかかる?

がん治療の費用が、トータルでいくらかかるのかは、ここまで述べたような、さまざまな治療法を組み合わせて行われる以上、一概にいくらとは言い切れないものです。ですが、あくまで目安として、統計を見てみましょう。 厚生労働省の医療給付実態調査の統計をもとに計算してみたところ、治療1件あたりに支払われた平均の費用は次のようなものになりました。

がんの種類 入院の費用 入院外の費用
医療費総額 3割自己負担額 医療費総額 3割自己負担額
胃がん 60万5,806円 18万1,742円 2万6,732円 8,020円
結腸がん 59万9,316円 17万9,795円 4万1,884円 1万2,565円
直腸がん 72万2,637円 21万6,791円 5万7,925円 1万7,378円
肝がん 57万3,219円 17万1,966円 3万9,331円 1万1,799円
肺がん 63万8,892円 19万1,668円 5万4,621円 1万6,386円
乳がん 54万2,043円 16万2,613円 5万151円 1万5,045円
子宮がん 59万4,430円 17万8,329円 2万4,166円 7,250円
悪性リンパ腫 90万9,442円 27万2,833円 5万4,253円 1万6,276円
白血病 144万1,368円 43万2,411円 8万630円 2万4,189円
その他のがん 60万2,154円 18万646円 4万3,983円 1万3,195円
良性新生物及びその他の新生物 52万3,716円 15万7,115円 1万7,804円 5,341円

※厚生労働省「医療給付実態調査(平成25年度)」をもとに推計

自己負担額にして、20万円程度です。実際には高額療養費制度があるため、公的保険の範囲内での治療費に関しては、実質、月9万円程度が上限になります。

そのように考えると、心配するほど、莫大な金額ということではないのかな?という気がしてきます。ただし、問題は、高額療養費制度の上限金額は月単位であるという点です。ひと月の出費は9万円程度で済んだとしても、次の月にも同じだけかかったら総額では18万円ということになります。そして、がんの治療は長期間になりがちだということに注意しなくてはなりません。

高額療養費制度は月単位であることに注意

手術や入院にかかる日数は短くなってきているのが最近の傾向です。ですが、がんは手術などを終えた後も再発に注意して、抗がん剤治療などを継続する必要がある場合が少なくありません。また、より開発にお金のかかる新しい薬が次々に登場しているため、抗がん剤治療にかかるお金も年々上昇しています。

よく「5年生存率」という言葉が聞かれるように、がんの完治の目安が治療後5年間再発しないことというのがあり、それはすなわち、5年間は再発予防や検診などで通院しなければならない可能性があるということです。もちろん、術後の検診などは毎月というわけではないでしょうから、5年間ずっと病院に通い続けるわけではありませんが、がんは手術したら終わり、というようなものではないことは知っておく必要があります。

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