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約款から見るメットライフ生命の「Guard X(ガードエックス)」の特徴

メットライフ生命の「Guard X(ガードエックス)」について、約款の表記から注目すべきポイントを見ていきましょう。

今回、確認した約款は申込日が2017年4月2日以降の契約者に提示されたもので、下記ページから2017年8月15日に閲覧ました。

http://www.metlife.co.jp/customer/cpl/yakkan/


がんの定義・診断確定について

この商品ではがんをどのように定義しているのでしょうか。約款にはこうあります。

(Ⅰ)悪性新生物

①「悪性新生物」とは、平成6年10月12日総務庁告示第75号に定められた分類項目中下記のものとし、分類項目の内容については厚生労働省大臣官房統計情報部編「疾病、傷害および死因統計分類提要ICD-10(2003年版)準拠」によるものとします。

(別表2 対象となる悪性新生物および上皮内新生物(「ガン」) )

それが商品の保障対象である「がん」だと言えるかどうかは、厳密な基準で決めておかなくてはなりません。この約款では、WHOの定めている疾病の分類基準である「ICD-10(2003年版)」に従って判断するよ、としているわけです。ICDには2013年版もあるのですが、現状、多くの保険商品で2003年版が使用されており、その意味で、一般的ながん保険と言えます。

WHOの基準は改訂されることがあります。そのため、時期によってこの定義は古くなることもありえます。そこで、約款には次のような注がついています。

(注1)上記(Ⅰ)①および(Ⅱ)①の厚生労働省大臣官房統計情報部編「疾病、傷害および死因 統計分類提要」において、新たな分類が施行された場合で、上記(Ⅰ)①および(Ⅱ)① に掲げる疾病以外に新たに悪性新生物または上皮内新生物に分類された疾病があるときに、会社が特に認めた場合には、その疾病を対象となる悪性新生物または上皮内新生物に含めることがあります。

(別表2 対象となる悪性新生物および上皮内新生物(「ガン」) )

分類が新しくなったときには、新しい基準に従うよ、という意味なのですが、よく見ると「会社が特に認めた場合には」との文言があるのが気になります。新しい分類に従うつもりはあるけど、保険会社がそう決めた場合だけ=保険会社の意志次第で新しい分類には従わない場合もあると解釈できます。

実際、そのときにどう判断されるのかわかりませんが、無条件で新しい基準を受け入れるルールにはなっていないようです。

次に、診断確定について見てみましょう。がんの定義がわかったとして、ある人の病気が定義上のがんにあたるかどうか判断するには、医師の診断が必要です。約款ではこう書かれています。

2. 悪性新生物の診断確定は、病理組織学的所見(生検)により医師の資格を持つ者によってなされることを要します。ただし、病理組織学的所見(生検)が得られない場合には、他の所見 による診断確定も認めます。

3. 上皮内新生物の診断確定は、病理組織学的所見(生検)により医師の資格を持つ者によって なされることを要します。

(終身ガン治療保険普通保険約款 2.ガンの定義および診断確定 第3条)

「病理組織学的所見(生検)」というのは、大ざっぱに説明すると「細胞を切り取って詳しく調べること」です。この方法が、医学的にはがん診断のスタンダードだとされています。ポイントは、「ただし、病理組織学的所見(生検)が得られない場合には、他の所見 による診断確定も認めます」という部分で、他の調べ方でもいいよ、と認めている記述になります。

他の保険商品の約款では、ここを、「病理組織学的所見(生検)」しか認めないとするものもあります。諸事情で「病理組織学的所見(生検)」が行えない場合もあるようですが、そういう場合、「病理組織学的所見(生検)」を優先する約款では「病理組織学的所見(生検)」が行えない理由が明確である場合に限り、という記述があります。

それに比べてこの約款はゆるい記述です。一般の方の考えだと、ゆるいほうが、がんと診断されやすいのだから患者には有利(保険金を受け取りやすい)と思えなくもないですが、実は良いことではありません。他の診断方法は医師・医療機関により診断の精度に差が出るため、「病理組織学的所見(生検)」なら確定したはずの診断が確定しない、といったことも起こります。

保障内容について

保障内容について見ていきましょう。

・ガン治療給付金、ガン診断給付金

ガン治療給付金は主契約であり、他社では診断給付金にあたる保障ですが、具体的な治療を開始したときに支払われる給付金となっています。またこれとは別に特約での診断給付金もあります。この点、少し複雑なのですが、治療給付金は

(1)次のいずれかに該当する治療を受けたとき

(終身ガン治療保険普通保険約款 3.保険金および給付金の支払 第4条)

とあり、手術・放射線治療・抗がん剤治療のいずれかを受けた場合に給付されます。一方、診断給付金のほうは、

被保険者が次のいずれかに該当したとき

① この特約のガン診断給付金責任開始日 (この日以後に復活が行なわれた場合には、最後の復活の際の責任開始時。以下同じ。)以後に、この特約のガン診断給付金責任開始日前を含めて初めて悪性新生物と診断確定されたとき

(終身ガン診断給付特約 第5条)

と、診断確定を条件としていますから、支払われるタイミングが異なります。誤解のないようにしたいものです。

また、こんな記述もあります。

(2)責任開始日以後に、診断確定された悪性新生物について、別表8に定める最上位の進行度を示す病期(以下「最上位の進行度を示す病期」といいます。)に該当すると医師により診断され、かつ、当該悪性新生物の治療を目的として、その日以後に次のいずれかに該当したとき

 ① 病院または診療所における別表9に定める入院をしたこと

(終身ガン治療保険普通保険約款 3.保険金および給付金の支払 第4条)

ここだけ抜き出すとわかりづらいですが、通常、具体的な治療が始まったら治療給付金が受け取れる、としているところで、そのがんが、特に重い状態の場合に限り、条件に「入院をしたこと」が付け加わっているということです。

要するに、たとえば末期がんであることがわかったときは、入院するだけで即受け取れるということでしょう。がんの進行度に応じて給付条件を変えるのは他の商品ではあまり見られず、特徴的です。

給付金の複数回支払いについて見てみましょう。

2. 被保険者が悪性新生物治療給付金の支払われることとなった最終の悪性新生物治療給付金の支払事由該当日からその日を含めて1年以内に悪性新生物治療給付金の支払事由に該当した場合には、前項の規定にかかわらず、悪性新生物治療給付金を支払いません。

(終身ガン治療保険普通保険約款 3.保険金および給付金の支払 第4条)

この保険契約の悪性新生物治療給付金および上皮内新生物治療給付金の、保険期間を通じての支払限度は、型に応じ、次のとおりとし、保険契約者は保険契約締結の際、次のいずれかの支払限度の型を選択するものとします。

(1)5回型

 悪性新生物治療給付金の支払は5回、上皮内新生物治療給付金の支払は5回を限度とします。

(2)10回型

 悪性新生物治療給付金の支払は10回、上皮内新生物治療給付金の支払は10回を限度とします。

(終身ガン治療保険普通保険約款 3.保険金および給付金の支払 第5条)

治療給付金は通算で5回または10回が限度で、間隔は1年以上となっています。他社では2年以上の間隔としていることが多いので、この点も特徴的です。

間隔の数え方を「最終の悪性新生物治療給付金の支払事由該当日から」としています。ここが「治癒または寛解してから~」などの表現ですと、解釈の幅が出てきますので、明解な約款であると言えます。

・ホルモン剤治療給付金

ホルモン剤治療を受けた時に給付金を受け取れる特約です。治療給付金の抗がん剤治療に関する記述に準じ、入院を必要としません。

6. 第1項の規定の適用に際しては、次の各号に定める場合に応じて当該各号に定める日に、被保険者がホルモン剤治療を受けたものとして取り扱います。

(1)注射による投与が医師(看護師など医師の医療行為を補助する業務に従事する者を含みます。以下本号において同じ。)により行なわれた場合

 医師により当該ホルモン剤が投与された日

(2)経口による投与が行なわれた場合

 医師が作成した処方せんに基づく当該ホルモン剤の投薬期間に属する日のうち、当該ホルモン剤を投与すべきとされた日(ただし、被保険者が生存している日に限ります。)

(3)前2号に該当しない場合

 医師が当該ホルモン剤を処方した日

(終身ホルモン剤治療給付特約 第5条)

・ガン通院サポート給付金

通院したときに日額給付が受け取れる特約です。手術などの入院治療を受けた後の通院に限るという商品もありますが、この商品は通院のみで保障されます。通院は次のように定義されています。

「通院」とは、医師による治療が必要なため、病院または診療所における外来または往診により、 治療を受けることをいいます。

備 考 治療を目的とする通院 「治療を目的とする通院」には、治療処置を伴わない薬剤・治療材料の購入・受取のみの通院は該当しません。

(別表10 通院)

往診含むとあるので、保障の対象は広いですが、薬をもらいに行くだけ、などは含まれないようです。

・ガン先進医療給付金、ガン先進医療支援給付金

先進医療を受けた場合、ガン先進医療給付金として技術料相当額(実損)が受け取れ、加えてその20%相当がガン先進医療支援給付金として受け取れます。先進医療保障としては一般的なものかと思います。

先進医療の技術料は全額患者負担になるため、先進医療保障の必要性は高いのですが、先進医療によっては必ずしも患者がすべて負担しない場合もある(一部の技術についてはメーカー負担となる)ため、この記述は問題とする意見もあるようです。わずかな保険料で、多額の給付金を受け取れるという意味では、患者には有利なのですが……。

・ガン入院給付金、ガン長期入院給付金

入院したときに日額給付が受け取れる特約です。60日まではガン入院給付金が受け取れ、61日以上はガン長期入院給付金として、ガン入院給付金の2倍の日額給付があります。

がん保険の入院保障は当然、がん治療のための入院に限られます。それ以外の入院は保障されませんが、それ以外の入院中にがんが発覚した場合はどうなるでしょうか。約款にはこのような記載があります。

2. 被保険者がガン以外の疾病または傷害の治療を目的とする入院中に、ガンと診断確定され、そのガンの治療を開始したときは、その日からそのガンの治療を目的として入院したものと みなします。

3. 被保険者が入院をし、その入院中または退院後にガンと診断確定された場合には、責任開始日からその診断確定された日の前日までの入院日数のうち、その診断確定されたガンの治療を目的とした入院であると会社が認めた入院日数についても、第1項の規定を適用します。

(終身ガン入院給付特約(2013) 第5条 )

基本的には診断確定以後の入院を保障の対象とするけど、それ以前の入院日数についても、保険会社の判断によっては認めるよ、ということのようです。

まとめ

がんの定義・診断確定について
がんの定義 「ICD-10(2003年版)」を使用。現在のがん保険商品としては一般的な定義。
基準変更の場合 「会社が特に認めた場合」に限り、新しい基準に従うとの記載。
診断確定 「病理組織学的所見(生検)」を基本とするが、それ以外の所見による診断確定も認めている。医療機関によって診断確定に差が出る可能性がある。
保障内容について
ガン治療給付金、ガン診断給付金 主契約は治療開始を条件とし、特約は診断確定が条件とする、やや複雑な構成。進行度に応じて給付条件が変わるのが特徴。
治療給付金の複数回払い 間隔が1年以上(主流は2年)
ホルモン剤治療給付金 入院を条件としない給付で使い勝手が良い。
ガン通院サポート給付金 入院を条件としない給付、往診も含み、使い勝手が良い。
ガン先進医療給付金、ガン先進医療支援給付金 一般的な内容。
ガン入院給付金、ガン長期入院給付金 診断確定以前の入院日数についても保険会社の判断によっては認めるとの記載あり。

【参考文献】

  • 「比較検証、がん保険」佐々木光信/保険毎日新聞社
  • 「がん保険に加入する前に読む本」菊地勉/セルバ出版

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