子宮頸がん治療の費用相場

当サイトでは、がんに罹患し、治療を終えた方500名にアンケートを行い、実際にかかった費用について聞いてみました。このページでは、そのうち、子宮頸がんにかかった人に聞いた、治療費の実態をまとめています。調査の概要や、全体の結果についてはこちらのページをご確認ください。

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子宮頸がん治療にいくらかかった?

子宮頸がんは20代や30代の女性でも油断できないと言われており、事実、今回の調査では乳がん以上に若い方が目立ちました。

ステージIでは「20万円未満」の実費で済んだケースが6割で、子宮を温存する「子宮頸部円錐切除術」が7割以上でした。ステージIIになると、再発予防として抗がん剤や放射線治療の併用が多くなるため、やや金額に差が出ています。「100万円~300万円未満」と回答した人が2割という結果には注目でしょう。

逆に、ステージIIIでは再び「20万円未満」が1位になりました。なお、年齢は40代後半~50代の方が多いですが、30代の方も少なくありません。

乳がんと同じく、ステージIVでは十分なサンプルが得られなかったため、こちらも引き続き調査を行えたらと思います。

子宮頸がんの治療の基本は、ほかのがんと同じく手術です。また放射線治療(外部照射と膣内照射)も効果があり、根治目的では、抗がん剤と放射線治療を同時に行う併用療法が標準治療となっています。

子宮頸がんでよく使用される抗がん剤は、プラチナ製剤のシスプラチン(商品名ブリプラチン)をベースにした多剤併用療法です。シスプラチンは、抗がん剤の中でも効果が高い反面、副作用(吐き気やおう吐、腎機能障害など)が比較的出やすい薬です。外来(通院)ではなく、入院治療で行う場合も多く、その分の費用がかかります。

また年代的に、子宮頸がん罹患後、妊娠・出産を希望する方も少なくありません。最近では、妊娠の可能性を残す生殖医療として、受精卵または卵子を凍結する方法や卵巣組織ごと凍結する方法などを実施している病院もあります。

費用は保険適用外で全額自己負担です(*参考:聖マリアンナ医科大学病院の場合 採卵・培養25万9,200円、胚凍結保存料(5個以下)5万9,400円、卵子凍結保存料(更新料:年1回)3万8,800円、悪性腫瘍用、卵巣組織移植60万円など(2017年3月28日現在)。

これらは治療を選択する前に、主治医に相談する必要があり、本調査でも高額な実費がかかっている方は、それが医療費に上乗せされている可能性もあります。

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