どんな特典が受けられる?契約者付帯サービスの種類一覧と解説

医療保険の必要性と賢い選び方というページでは、保険料と保障内容に着目して解説していますが、保険選びの決め手になるのはもちろん人それぞれです。保険会社の経営状態を気にする人もいれば、営業担当者の誠実さを重視する人もいるでしょう。

数年前から各社が力を入れている、契約者向けの無料付帯サービスを見比べてみるのも一つの視点です。各社とも差別化を図るため独自の特典を拡充しているので、基本的には利便性の高いものがそろっているはずです。

具体的にはどんな内容で構成されているのか、主なものを見ていきましょう。

目次

主な付帯サービスの種類

契約者付帯サービスは、その内容によって下記の3つに分類することができます。

  1. 健康・医療系
  2. 介護・福祉系
  3. 生活一般系

まず、主治医以外の医師の見解を聞く「セカンドオピニオン」や、健康相談に代表される健康・医療関連のサービス。他に、人間ドッグや脳ドッグ、PET検診などの紹介・割引サービス、目的に応じた医療機関を案内してくれる情報提供サービスなどが挙げられます。

介護・福祉関連系は、看護師やケアマネジャーに介護全般の悩みを相談できるものや、がんと告知された人の心のケアをするカウンセリングサービスなどがあります。

生活一般系とは、税金や法律のことを専門家に相談できるサービスのほか、空き家のセキュリテイ管理、保険の更新時などに付与されるポイント・マイルを景品に交換できるサービスなど、医療保険やがん保険とは直接関係のないユニークなものも含まれます。

ジャンルサービス主な内容
健康・医療セカンドオピニオン主治医以外の医師である「総合面談医」の見解を聞くことができる。セカンドオピニオンの結果、高度な治療が必要と判断した場合は、病症や希望に合わせて他の専門医を紹介してもらえるサービスもある
健康相談医師・看護師から健康全般に関する相談ができる。電話が主だが、オンライン・匿名で相談できるサービスもある
専門的治療相談等がんや糖尿病など特定の病気に特化した治療・健康相談サービス
医療情報提供・検索健康・医療に関する情報や目的に応じた医療機関(自宅の近く・夜間・救急対応等)の検索ができる
検診人間ドッグ、脳ドッグ、PET検診などの紹介・予約代行・割引などが受けられる。がん、メタボ、ピロリ菌などを自宅で検査できる郵送検診キットを割引価格で利用できるサービスもある
入院・転院サポート入院中の家事代行(応相談でベビーシッター・ペットシッター)や、入院・転院にかかわる手続き・移送手配を無料でコーディネート
介護・福祉介護・福祉相談看護師やケアマネジャーから介護・福祉全般に関する電話相談ができる。訪問相談やメール相談も可能
介護施設等の紹介・利用介護サービス事業者(老人ホームや介護用品取扱業者)を紹介してもらえる。申し込んだ場合、一定期間の無料または割引サービスなどを受けることも可能
介護情報提供・検索介護・福祉に役立つ情報の閲覧や、目的に応じた介護サービス施設の検索ができる
メンタルヘルスサポート医師、臨床心理士、精神保健福祉士など専門家によるメンタルカウンセリングが受けられる。がん患者へのメンタルケアなど特定の病状に限定して行なうサービスもある
研修サービス介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級講座)や、ハートフルアドバイザー2級養成通信講座を優待価格で利用できる
生活一般暮らしの相談法律、税務、年金など暮らしに関わる専門知識を専門家に電話相談ができる
セキュリテイ侵入・救急・火災などにガードマンが駆け付けるホームセキュリテイなど、警備会社が提供するサービスの一部が割引または無料で受けられる
ポイント交換契約時や更新時などに付与されるポイント・マイルをギフトカタログ等の商品と交換することができる
各種割引・特典国内外の宿泊施設やレジャー、ショッピング、レンタカー、スポーツクラブなどを特別価格で利用することができる

付帯サービスは、保険会社が提携する別の専門業者が行なう場合がほとんどで、T-PECとベストドクターズ(法研)が有名です。両社とも受けられるサービスの内容は似ていますが、まったく同じというわけではなく、たとえば、「病状・症状にあった名医を紹介して欲しい」場合、T-PECでは紹介状を作成してくれますが、ベストドクターズではあくまで専門医の情報を提供してくれるまでに留まります。

各社によるサービスの違いが気になる人は、公式サイトまたは保険会社の担当者に問い合わせてみるとよいでしょう。

T-PECセカンドオピニオンサービス
ベストドクターズ セカンドオピニオンサービス

主な保険会社の付帯サービス一覧

では、各社が提供している付帯サービスの一覧を見てみましょう。

漢字系生保(略称)

種類/保険会社日本生命第一生命明治安田太陽生命富国生命三井生命大同生命朝日生命住友生命
健康・医療セカンドオピニオン
健康相談
医療情報提供・検索
検診
入院・転院サポート
介護・福祉介護・福祉相談
介護施設等の紹介・利用
介護情報提供・検索
メンタルヘルスサポート
研修サービス
生活一般暮らしの相談
セキュリテイ
ポイント交換
各種割引・特典

外資・カタカナ系生保(略称)

種類/保険会社アフラックメットライフアクサマニュライフチューリッヒライフネットソニーアクサダイレクトオリックス
健康・医療セカンドオピニオン
健康相談
専門的治療相談等
医療情報提供・検索
検診
入院・転院サポート
介護・福祉介護・福祉相談
介護施設等の紹介・利用
介護情報提供・検索
メンタルヘルスサポート
研修サービス
生活一般暮らしの相談
セキュリテイ
ポイント交換
各種割引・特典

損保系生保(略称)

種類/保険会社あんしんあいおいひまわりFWD富士
健康・医療セカンドオピニオン
健康相談
専門的治療相談等
医療情報提供・検索
検診
入院・転院サポート
介護・福祉介護・福祉相談
介護施設等の紹介・利用
介護情報提供・検索
メンタルヘルスサポート
研修サービス
生活一般暮らしの相談
セキュリテイ
ポイント交換
各種割引・特典

一覧表から見て取れるのは、健康・医療系の付帯サービスはどの保険会社も力を入れていること健康相談やセカンドオピニオン、検診系のサービスは消費者にとってメリットに感じやすく、保険の保障内容とも連動しているので当然といえば当然かもしれません。

健康・介護系でも同様のことが言えますが、ソニー生命やライフネット生命などカタカナ系は守備範囲から外れ気味のようです。生活一般系も弱いですね。これは外資系も同じで、逆にこの分野に手厚い傾向があるのは漢字系生保だけです。特に各種割引や特典は、従来から提供してきた流れもあって充実しています。

なお、カウンセリングサービスについては、無料で受けられる回数や時間に制限がある場合があります。たとえばメットライフ生命のメンタルヘルスサービスや、富士生命のがんこころサポートサービスの場合、50分の面談が年3回までと決まっています。また、セカンドオピニオンサービスでは、医師の紹介料までが無料で、その後の治療等は有料になる場合がほとんどです。無料の範囲、割引の範囲を確認するようにしましょう。

特にユニークな付帯サービス

一覧表には落としこんでいない珍しいサービスに着目してみると、太陽生命の各種割引・特典には葬儀代金を割引するサービスがあります(「イオンのお葬式」)。イオンリテール株式会社との連携により、事前相談や葬儀手続き、プランの作成等が容易に行えるようサポートしてくれます。

がんなど特定の病気に特化したサービスを提供している保険会社もあります。たとえば、メットライフ生命はがんのサポートに力を入れているイメージ。がん患者専用のカウンセリングや、粒子線治療専門のセカンドオピニオン、専門医療機関の紹介、仕事とがん治療の両立サポートなどを行っています。また同社は、今回リストアップしたなかでは東京海上日動あんしん生命しか行っていない入院・転院サポートも実施しています。

アフラックや富士生命にも、がんに特化したメンタルヘルスサービスや生活情報サービスがあります。さらに富士生命には糖尿病に関する電話サービス、専門医の紹介サービスがあります。

ユニークな所では、オリックス生命の重症化・再発防止カウンセリングサービスでしょうか。心筋梗塞・脳卒中等の指定された疾病による給付金受給者のみ対象とし、生活改善のカウセリングサービスやパーソナルサービスがあります。

特定の保険契約者のみのサービスとしては、メットライフ生命のくらし相談ダイヤルは、一定の終身保険契約者・被保険者を対象とし、法律や税務に関して消費生活アドバイザーや弁護士・税理士の電話相談が受けられるサービスを展開しています。

また、あいおい生命では、くらしの相談として、資産運用相談やパソコン・デジタル家電相談、ペット相談などが受けられるサービスがあります。

今回は触れていませんが、都民共済には、ブライダルの割引といったユニークなサービスもあります。

さいごに

全般的には大手生保の充実ぶりが目立ちますが、保険料が手頃な外資系やネット系生保でも特徴あるサービスを提供しており、一概には言えないのが付帯サービスの現状です。保険選びの決め手に欠けたときは、これらの充実度に着目してみるのも一つではないでしょうか。

なお、付帯サービスには無料のものもあれば有料のものもあるほか、同じ保険会社でも契約内容によって利用できる範囲が限られていたりと、各社さまざまです。詳細は担当者やパンフレットなどを通してきちんと確認しておきましょう。

目次