老後の医療保険は必要?

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病気にかかるリスクは年齢を重ねるにつれ高くなります。厚生労働省がまとめた資料からもそれは明らかで、70歳以上の高齢者は入院・外来ともに受療率が急激に上がっています。

年齢階級 入院 外来
0 1,062 6,691
1~4 170 6,778
5~9 92 4,422
10~14 92 2,649
15~19 117 1,937
20~24 165 2,240
25~29 241 2,719
30~34 296 3,086
35~39 304 3,280
40~44 330 3,382
45~49 427 3,827
50~54 591 4,664
55~59 772 5,361
60~64 1,064 6,514
65~69 1,350 8,309
70~74 1,820 1万778
75~79 2,635 1万2,397
80~84 3,879 1万2,606
85~89 5,578 1万1,373

※出典:平成26年の患者調査(厚生労働省)」内「性・年齢別級別にみた受療率」より抜粋

そうなると、心配になるのが医療費。貯蓄で対応できる人はいいですが、年金や退職金が心もとない人は、きちんとした経済的備えをしておく必要があるでしょう。その備えとしての手段の一つが終身型の医療保険です。保険料の値上がりがなく、保障が一生続くことから、若いうちから終身型医療保険を選ぶ人も少なくありません。
しかし一方で、「老後の医療保険は必要ない」という不要論も聞こえてきます。高齢者は公的医療制度が充実していること、今後は在宅医療が中心になっていくことが主な理由ですが、本当のところはどうなのでしょうか?

そもそも老後の医療費は高くなるのか?

厚生労働省がまとめた「国民医療費」によれば、65歳以上の国民1人あたり年間医療費は70万円程度です。1ヵ月では約6万円弱。結構高くなりますね。

老後の医療費はどれくらいかかる?医療費の平均と自己負担から考える

ただし、日本には優れた公的医療保険があるため実際はそこまでかかりません。特に75歳以上は後期高齢者医療制度が適用され、医療費の自己負担は1割で済みます。

年齢 負担割合 提示すべき証
義務教育就学前(※1) 2割 被保険者証
上記以外 3割 被保険者証
70歳~75歳未満 2割 被保険者証
現役並み所得者(※2)3割 高齢受給者証

※1:6歳に達する日以後の最初の3月31日以前
※2:標準報酬月額28万円以上。ただし単身世帯で年収383万円、夫婦世帯で520万円未満である場合は除く

さらに、たとえ入院や通院する回数が増え医療費が重なっても、1ヵ月にかかる医療費の自己負担額には上限が定められていて、申請すれば払いすぎた分はきちんと戻ってくる制度があります。

医療費の自己負担を大幅に軽減。高額療養費制度とは

詳細はリンク先のページに譲りますが、70歳以上の一般所得者なら1ヵ月4万4,400円以上はかかりません。仮に窓口で30万円請求されても後ほど25万5,600円が払い戻される仕組みです(※事前申請すれば窓口でも本来の自己負担分を支払うだけで済みます) 。

以上から、高齢になると医療費が増えるのは確かですが、自分が負担する額は思ったほどではないため、医療保険に加入してまで対策する必要は薄いと言われています。

保険金が降りにくい将来がくる?

お年寄りの割合が増え、病院にかかる人が多くなると困るのが医療現場です。ベッドが足りず、人手が足りず、予算も足りずで、年々増え続けるであろう高齢患者に対応するのは難しくなるでしょう。こうした実情をふまえ、国は1人あたりの入院期間を短くし、緊急度の高い患者以外は診療所や在宅、介護施設で治療が受けられるような取り組みを進めています。これまでなら1ヵ月入院していたような病気でも、1~2週間で退院するスケジュールを組み、その後の治療は地域や在宅でも問題ないよう体制を強化しています。

しかし、ここで心配になるのが民間医療保険の保険金。今のところ、民間医療保険は入院日数に応じて支給される仕組みなので、入院日数の短縮化で受け取れる保険金が少なくなる恐れがあるからです。もちろん通院保障を付けることもできますが、特約であることが多く、保険料がかさむのがネック。また、「入院を伴う通院」など、支給条件にやや厳しい縛りがあるのも気になります。

民間医療保険が必要になる可能性

老後の医療費対策には貯蓄と公的制度で対応するのが良さそうですが、公的医療制度でカバーできない費用、たとえば交通費や生活用品などの雑費、また差額ベッド代や先進医療など保険適用外の費用も頭に入れておく必要があります。公的医療制度にしても、現行のまま継続するとは限らず、どこかで「改悪」される恐れもあります。

貯蓄が心もとない人や、自分では対応できない万一に備えたい人は、民間の医療保険に頼るのも一つの手です。若いうちに加入しておけば保険料が安く、60歳や65歳払いなど短期払込みにしておけば老後の保険料はかかりません。

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