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自動車保険の補償額はいくらが適切?

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自動車保険の補償額はいくらにするのが適切なのでしょうか。補償額を抑えると、そのぶん保険料は安くなりますが、いざというとき補償額が足りないようでは本末転倒。補償額の決め方について考えてみましょう。

対人・対物賠償は無制限一択!

自動車保険は、以下の7つの補償からなっています。

  • 対人賠償保険
  • 対物賠償保険
  • 搭乗者傷害保険
  • 人身傷害補償保険
  • 自損事故保険
  • 無保険車傷害保険
  • 車両保険

このうち、メインとなるのが対人賠償保険と対物賠償保険の2つです。

結論から言うと、この2つは「無制限」でいいでしょう。

結局のところ、なぜ自動車保険が必要かと言えば、それは事故を起こしてしまったときに、莫大な損害賠償を求められることがあるからです。

損害保険料率算出機構( http://www.giroj.or.jp )がまとめた「自動車保険の概況」という資料に、高額な賠償金になった事故の判例が紹介されていました。

対人/対物 判例・事故内容 賠償金額
対人 平成23年横浜地裁の判例
開業医が死亡した事故
5億2,853万円
対人 平成23年名古屋地裁の判例
大学生に後遺障害が残った事故
3億9,510万円
対物 平成23年大阪地裁の判例
トレーラーが物損被害を受けた事故
1億1,798万円

対人・対物賠償保険は無制限が基本で、数千万円程度に減額することも可能です。ですが、上記のように億単位の賠償額になることを思えば、無制限が安全です。それに、数千万円まで減額したところで、これは保険金としては十分高額ですから、支払う保険料はさほど下がらないのです(無制限の場合と数千円の違いです)。

であれば、この2つの基本補償については無制限が基本と考えていいでしょう。

保険によっては補償そのものをつけない判断も

対人・対物賠償以外の補償について考えてみましょう。以下の部分です。

  • 搭乗者傷害保険
  • 人身傷害補償保険
  • 自損事故保険
  • 無保険車傷害保険
  • 車両保険

まず、自損事故保険と無保険車傷害保険については、保険金額は固定されていて、変更することはできません。そのため補償額について悩む必要はないのですが、自損事故保険については、これをつけない選択ができる保険会社もあります(無保険車傷害保険はすべての自動車保険で自動付帯で、外すことができません)。

搭乗者傷害保険は死亡保険金を基準に、入院費日額などを決める方式です。1,000万円の死亡保険金で、入院日額は1万5,000円といった具合です。入院日額が1万円程度確保できるよう、1,000万円程度の補償額にする人が多いとされていますが、最近は、人身傷害補償を手厚くすることで、搭乗者障害保険はつけない人も多いようです。搭乗者障害保険は事故の過失割合にかかわらず補償されるためです。

人身傷害補償保険は、ケガの治療などについては実際にかかった治療費などの実費となりますので、補償額を自分で決めるものではありません。死亡保険金については、補償額を決められるので、これをいくらにするかという判断になります。5,000万円程度で加入する人が多いとされています。

ですが、別に死亡保険に加入している人は、もし亡くなれば当然、死亡保険の保険金が支払われるので、自動車保険の死亡保険金はごく低くして、ケガの治療費のためと割り切った入り方もありうると思います。

では医療保険に入っていればそれも不要かと言うと、医療保険は入院しなければ支払われないものがほとんどですので、通院でも補償される自動車保険の補償とはすべてが重複するとは言えません。ただこれも、十分な貯蓄があれば、最低の補償額でいいという考え方もできます

最後に、車両保険ですが、これも車の「時価」をもとに補償額が決まってしまいます。時価が低い、古い車だとそもそも車両保険をつけられないこともあるくらいです。

車両保険については、つけるかつけないか、つけるとして一般タイプにするかエコノミーにするかを、車の価値を考えて見極めるところかと思います。車両保険は保険料への影響が大きいです。しかし、時価以上には補償されないので、車が古い場合はあまり意味がないかもしれません。

まとめ

補償額の目安をまとめると以下のようになります。

補償 補償額目安
対人賠償保険 無制限が基本。
対物賠償保険 無制限が基本。
搭乗者傷害保険 1,000万円程度(入院日額1万円)が目安。
人身傷害補償保険に入るなら外す選択も。
人身傷害補償保険 5,000万円程度が目安。
死亡保険に入っているなら額を抑える選択も。
自損事故保険 固定なので悩む必要なし。
外せる場合もあるので人身傷害補償保険に入るなら外す選択も。
無保険車傷害保険 固定なので悩む必要なし。
車両保険 車が新車、高級車でないなら外す選択も。

複雑に思える自動車保険ですが、上記を見ると、考える余地はない部分も多いですね。

また、自動車保険は保険会社による保険料の差も大きいですので、補償額に悩むよりはどんどん見積もりをとって比較してみるというほうが建設的だと言えます。

ひとつの目安として、参考になればさいわいです。

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