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  3. 保険会社にダマされない示談交渉テクニック

「格落ち(評価損)は出せません」と言われたときの反論

『格落ち』とは、事故で車の骨格部分が破損したことで、修理しても完全には元通りにならず、車の価値が下がってしまう状態のことをいいます。『評価損』や『査定落ち』などと呼んだりもします。要するに、外観上は問題なくても、見えないどこかに欠陥が生じているかもしれない車には買い手が付きにくいため、同じ中古車でも特別に評価が下がるということです。

交通事故で生じた格落ちは明らかな損失なので、そのマイナス分はぜひとも保険で補填したいところですが、保険会社は格落ちの認定には極めて消極的で、示談のテーブルでは耳すら貸さないこともあります。

しかし、「新車(購入から半年以内など)でないと出ない」とか、「今すぐ売却するわけじゃないから認められない(格落ちが顕在化していない)」といった返答はナンセンスであり、そんな法的根拠はどこにもありません。事実、格落ちの支払いを認める判例はいくつもあります。

格落ちを認めさせる交渉術

保険会社の格落ちに対する抵抗は並大抵のものではなく、戦いは非常に厳しいものになると考えてください。裁判で勝利しても100%認められるものでもないため、ある程度の妥協は必要だと思います。

1.格落ちの根拠をしつこく訴える

「性能や外観に欠陥は見られない」など、格落ちそのものを否定してくる事故担当者には、格落ちが発生している根拠を並べ立てましょう。

  • 骨格部分の修理に完璧はなく性能・外観共に低下が見られる
  • 修理後まもなくは問題なくてもそのうち不具合が発生する可能性がある
  • 中古車市場で修復歴車(事故車のこと)が嫌われていることは明らかである

保険会社がこれしきで折れてくれるわけはありませんが、どれも的を射ていて、全否定できるものではありません。

2.格落ちの根拠をしつこく立証する

根拠を述べたら具体的な資料を提出して根拠の立証に入ります。

  • 修復歴「ある」「なし」の中古車の価格差を集計・提示する
  • 『日本自動車査定協会』の『事故減価額証明書』を提示する
  • 格落ちを認めた判例を提示する

修復歴があることで受けるマイナス査定の現実を、インターネットや中古車情報誌などを使って調べあげてください。できるだけ自分の車と同レベル(車種・年式・走行距離・車検など)のものを見つけ、修復歴ありとそうでない車の価格差を集計し、客観的事実として提示します。

また、日本自動車査定協会といって、格落ち額がどの程度か評価してくれる機関があるので、そこに依頼して出た査定を提示するのも有効です(出張査定もあり)。5000円~1万円ほどかかりますが、やってみる価値はあります。

最後にダメ押しとして、自分に近い境遇で格落ちが認められた判例を探しだし、自分の主張が法的に誤りでないことをアピールします。これは、保険会社が自分たちに都合のいい判例を持ちだしてきたときの反論として効果を発揮します。

さいごに

素人が頑張っても相手にされにくい格落ち案件ではありますが、ここまでしつこく、念入りにやればさすがの事故担当者も無視するわけにはいかないでしょう。少しでも譲歩するような態度が見えれば成功です。

なお、格落ちが認めてもらえる判例の価格相場は、修理費の10~30%となっています。新車であればあるほど許容される確率が上がりますが、5年以上(走行距離約6万キロ)の車でも認められている判例もあり、「新車でないと出せない」というのはブラフです。ただ、明確な基準がないだけにケース・バイ・ケースであり、どう転ぶかは担当者次第なところがあります。

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