保険会社にダマされない!自動車事故の示談交渉テクニック

警察庁の発表によれば、平成26年中の自動車事故件数は57万3,465件、うち死亡者数4,113人、1日あたりでは11.3人と、推移としては微減傾向にあるものの、依然、高い水準にあります。

交通事故には損害賠償が付きものですが、被害者と加害者の主張が食い違い、訴訟にまで発展するケースはわずか2%程度。これだけの事故件数のなかで、ほとんどの事故が示談よって解決しているということです。

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被害者の無知につけ込んでくる事故担当者

ドライバーの多くは示談代行付きの任意保険に加入しているでしょうから、示談交渉の相手は保険会社の事故担当者(代理人)ということになりますが、被害者の知識の無さにつけ込み、賠償金額を最低価格に抑えようとする担当者もなかにはいるので注意が必要です。典型的なのは、自分たちは1円も身銭を切らずに、自賠責保険の金額内で手を打とうとするやり方ですね。被害者は、モヤモヤする気持ちはあるものの、知識が足りないためそれを問題化することもできず、そのまま丸め込まれて終わりというケースは少なくないでしょう。

もちろん、保険会社の人間すべてが「悪」というわけではありません。被害者のために誠意ある対応を心がけている担当者は確かに存在します。しかし原則的には、「適性査定」や「厳正査定」の命を受け、自社の負担が重くなることはしないものです。代理人として交渉に来ているかぎり、どんなカードを切るかは被害者側の出方や知識量に応じて変えてくるのです。

保険会社と対峙するときの心構え4箇条

トラブルの事例によって細かな切り返し方は異なりますが、保険会社と交渉するうえで押さえておきたい共通事項として、次の4つを挙げておきます。

1. 保険会社を必要以上に恐れない

プロ相手に臆してしまうかもしれませんが、任意保険に加入していない加害者と交渉するよりは遥かにマシです。保険会社が代理を務める時点で最低限の賠償金は確保できるのですから、「損をすることはない」くらいの気持ちで交渉しましょう。

2. 感情的にならない

業務とはいえ相手も血の通った人間です。穏やかに話せば譲歩し合える案件なのに、感情にまかせて要求を突きつけたがために徹底抗戦の構えを見せてくることがあります。憤る気持ちはわかりますが、基本的には冷静さを保ってください。

3. 事前準備はきっちりと行なう

保険会社の代理人は事故解決のプロです。そんな相手に知識ゼロの状態で挑んでも勝ち目はありません。交渉前には必ず事前準備を行い、自分なりにでいいので理論武装をしておきましょう。市役所や区役所の法律相談所を利用するのも有効です。

4. 自分1人で戦わない

手強い担当者が相手だと、付け焼刃の知識やテクニックでは対抗できないこともあるでしょう。しかし、だからと言って白旗を揚げる必要はありません。納得いかなければ示談を断り、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターなど、外部の相談先を頼るのも一つです。

後になって「騙された!」と悔しがることのないよう、私が業務を通して身につけた、安易に言いくるめられないための交渉テクニックを下記に紹介していきます。ダイレクト保険の方や、身近に頼れる代理店がいない方などの参考になれば幸いです。

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