自動車保険の等級制度の仕組みと割引率

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自動車保険では、過去に事故を起こしたかどうかなどから決まる「等級」によって保険料が増減します。この等級のしくみについて詳しく見ていきましょう。

等級は全部で20。保険料が6割引になることも!

はじめて自動車保険に入った場合、等級は「6」からスタート。その後、無事故で1年過ぎれば等級は1つ上がります。等級は最大で20となりますが、等級が上がれば上がるほど保険料は割引されます。この割り引かれる率は決まっていて、16等級以上で割引率は最大の60%になります。

ずっと事故を起こしていない優良ドライバーということで、保険料が安くなるわけです。

では事故を起こしてしまったら? ……事故を起こしてしまうと、次の年に等級は3つもダウンしてしまいます。そして等級が3以下で保険料が割増になるということに。また、事故があった場合となかった場合で、同じ等級でも料率は異なることがあります。

等級と料率の関係は以下のとおりです。

等級 割引/割増率
事故がなかった場合 事故があった場合
1等級 +64%
2等級 +28%
3等級 +12%
4等級 -2%
5等級 -13%
6等級 -19%
7等級 -30% -20%
8等級 -40% -21%
9等級 -43% -22%
10等級 -45% -23%
11等級 -47% -25%
12等級 -48% -27%
13等級 -49% -29%
14等級 -50% -31%
15等級 -51% -33%
16等級 -52% -36%
17等級 -53% -38%
18等級 -54% -40%
19等級 -55% -42%
20等級 -63% -44%

「事故があった場合の等級」は、事故1件につきその後3年間、適用されます(3等級ダウンする事故の場合)。

たとえば、12等級(45%割引)の人が事故を起こした場合、1年後は3等級ダウンして9等級になりますが、このとき事故ありの料率で22%割引になります(事故がない場合の9等級は43%割引)。その後、事故がなかったとすると、2年後に10等級、3年後に11等級と上がっていきますが、この間、ずっと事故ありの割引率になります。4年後、12等級に戻った時点で事故なしの割引率になります。

なお、等級制度はノンフリート等級などと呼ぶこともあります。一般的な自動車保険の契約をノンフリート契約と呼び、等級制度はこの契約のためのしくみだからです。法人などが10台以上の車を一度に契約する場合、フリート契約という違う形の契約になり、このときは等級制度とは別の料金体系になります。

事故があっても等級が下がらない場合とは?

車を運転する以上は、安全運転でいきたいもの。今後の保険料にも影響するとなるとなおさらです。

ですが、実は、どんな事故でも絶対に等級が下がるわけではありません。

まず、「事故を起こしたら等級が下がる」というのは、より正確に言うと「事故を起こして、保険を使用し、保険金が支払われたら等級が下がる」ということなのです。逆に言えば、事故で車が被害を受けた場合などで、修理を自費で行うことにして保険は使わないと決めたら、等級には影響しません。

そして、車両保険の対象になる事柄のうち、火災や台風などが原因の事故、盗難やイタズラなどが原因のものなどは、保険金が支払われたとしても「1等級ダウン事故」として扱われ、下がるのは1等級だけで済むことになっています。

また、無保険車傷害保険・搭乗者傷害保険・人身傷害保険については、こちらも保険金が支払われても等級が下がりません。賠償責任が発生せずこれらの保険しか使わなかった場合は「ノーカウント事故」と呼ばれ、ほかに事故がなければ、まったく事故がなかった場合と同じように翌年の等級が上がります。

つまり、「事故を起こしたら~」と言っても、おもに相手方の責任であるものなどは、大目に見てもらえるというわけです。

保険会社を変えた場合、等級はどうなる?

等級が下がって保険料が高くなってしまうのなら、もし、そのタイミングで別の保険会社に乗り換えるとどうなるのでしょうか。その場合も、等級は引き継がれます。「高くなるから別の保険会社にしよう」ということはできないわけです。

逆に、等級が上がっている場合も引き継がれますから、より安い保険会社に変えていくとメリットがあります

保険会社が国内系か外資系であるかや、保険が通販で入ったものかなどは関係なく引き継げるのですが、一部の共済に限り、引き継ぎのために特別な手続きが必要だったり、引き継ぎがされない場合があります。共済でも、全労済・JA共済などは保険会社同様の引き継ぎが可能ですが、その他の共済については、事前に確認したほうがよいですね。

なお、もしも、本当の等級を隠して、ウソの等級で契約してしまったらどうなるでしょうか?

契約時に事故があったことを隠していたとしても、契約後には以前の保険会社での情報開示があって必ずバレてしまいます。正しくない等級にもとづいた保険料の見積もりが出ていても、正しい等級によって計算された正しい保険料での請求がされますので、申告は正直に行わなくてはなりません。

満期にともなうリセットに注意!

等級が高いとき、それが引き継がれると、保険料が割り引かれるメリットがありますが、保険会社を変える場合、契約のタイミングに注意する必要があります。

というのも、前の保険が満期(契約期間終了)になって、次の契約まで間が空くと、せっかくの等級がリセットされ、6等級からのスタートになってしまうことがあるからです。これはとてももったいないですね。それ以前に、空白期間があると、万が一この期間に事故などがあると大変です。

自動車保険は重複して契約したり、前の保険を期間中に解約して別の保険に入るということはできません。そのかわり、新しい保険会社に申し込んでおいて、満期日で切り替えるということができますので、保険会社を変える場合は、満期日までの余裕をもって手続きをしておくことが大切です。

なお、自動車保険の保険期間は、厳密には「満期日の午後4時まで」と決まっています。

「満期をすぎて等級がリセットされるのなら、低い等級のときはわざとそうしたらトクなんじゃない?」と思った人もいるかもしれませんね。ですが、そこはうまくできていて、満期を過ぎても、等級が5等級以下だった場合、13カ月以内に契約された保険では等級が引き継がれるのです。この場合、リセットまでに1年以上かかりますので、低い等級をわざとリセットすることはできないと言えます。

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