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埒が明かない!と思ったら相手の保険会社に直接請求できる?

交通事故の被害に遭ったときは、加害者側に損害賠償金を請求しますが、過失割合でモメたり、相手方の保険会社と交渉が難航したりすることもあります。

いつまで経っても解決の目処が立たない事故処理……。「こんなことでは埒が明かない!」と思ったときは、被害者自ら損害賠償金を請求することができます。

被害者でも請求できる自賠責保険

自賠責保険は、被害者の保護を図ることを目的に作られた強制保険です。加害者が任意保険に加入していなかったり、支払能力がなかったりし、被害者が十分な補償を受けられないという事態を避けるために、基本的な対人補償は強制保険として用意されているのです。

そうした背景でできた保険ですから、被害者から直接、保険会社に請求する権利も認められています。これは自賠責法の16条に記載されていることから、「16条請求」と呼ばれています。

(保険会社に対する損害賠償額の請求)

第一六条 第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。

※自動車損害賠償保障法より

また、相手の加入している自賠責の保険会社に対して、当面の治療費や、収入の補償のために「仮渡金」を請求することもできます。仮渡金は傷害の程度により5万円、20万円、40万円と規定されていて、死亡の場合は290万円となっています。

被害者請求も仮渡金の請求も、事故の発生の時期から3年で時効を迎えます。

任意保険の仕組みと被保険者

自賠責保険は被害者の保護を目的としていますが、任意の自動車保険は、被保険者(補償を受けたい人)のためにある保険です。被保険者が交通事故に遭ったとき、設定しておいた補償内容(被害者のケガの治療費や自分の車の修理代など)に応じて保険金を受け取ることができるのです。

したがって保険会社は、被害者の直接請求に応じる義務はありません。自賠責保険とは根本的に違うということです。

直接請求権が認められる場合

任意の自動車保険は、保険会社と契約者との間の契約なので、契約外の被害者から請求できないというのが原則です。しかし、約款上では「被害者からの直接請求が認められる」と記載されていることがあり、その場合は請求可能です。

たとえば損保ジャパンの『THEクルマの保険』の「ご契約のしおり・普通約款及び特約」によると、対人賠償責任条項および、対物賠償責任条項の第8条に「損害賠償請求権者の直接請求権」の記載が見られ、

被保険者が負担する法律上の賠償責任がある場合は、契約者が賠償責任を負う限度額内で保険会社に対して損害賠償額の支払いを請求できること

と記載されています。つまり、保険会社は被害者からの直接請求は原則的に認めていませんが、「被害者の保護」という理念を約款などに謳っている場合、直接請求を受け入れると解釈することができます。

もっとも、法律で決められている権利ではないので、約款上に該当する記載があったとしても、念のため保険会社に確認しておいたほうがいいでしょう。

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