• 海外旅行保険の教科書
  • 海外旅行保険の賢い選び方
  • 海外旅行保険付きクレジットカードの実力は? 普段使いもできる”上乗せ”に適したカードを選抜

海外旅行保険付きクレジットカードの実力は? 普段使いもできる”上乗せ”に適したカードを選抜

掲載: 

ただでさえお金のかかる海外旅行ですから、保険料はできるだけ安く抑えたいもの。しかし一般的なルートで加入する海外旅行保険は意外に高く、旅程によっては1万円を超える場合もあります。

そこで思いつくのが、クレジットカードの付帯保険で代用することです。補償内容もそこそこで、年会費無料のカードにも付いていることから、「クレカの付帯保険だけで十分」という意見も目にします。

結論を先に言うと、惜しい考えです。「クレカの付帯保険を活用する」までは良いのですが、それだけでは頼りないのが現実。海外旅行保険付きのクレジットカード、特に年会費無料のものは、あくまで有料の保険の上乗せ補償として使うのが現実的だと思います。

クレジットカードの海外旅行保険は弱腰に作られている

なぜクレジットカード付帯の海外旅行保険だけでは不安なのか、有料の保険と比較してみましょう。ここでは、エポスカードと損保ジャパン日本興亜のoff(オフ)を調べてみました。

新・海外旅行保険【off!(オフ)】(※) エポスカード
保険料(※) 3,120円 0円
保険期間 92日まで 90日まで
傷害死亡・後遺障害 1,000万円 500万円
傷害治療費用 1,000万円 200万円
疾病治療費用 1,000万円 270万円
救援費用 1,000万円 100万円
緊急歯科治療費用 10万円 なし
疾病死亡 1000万円 なし
賠償責任 1億円 2,000万円
携行品損害 30万円 20万円
航空機寄託手荷物遅延等費用 10万円 なし
旅行事故緊急費用 2万円 なし

※個人タイプ、観光、ハワイ、8日間、PAタイプの場合

有料の保険 VS 無料サービスの保険ですから、差はついてしかるべきなのですが、特に注目してほしいのは病気やケガに対する補償です。オフが、傷害治療費用・疾病治療費用ともに1,000万円なのに対し、エポスカードはどちらも200万円台しかありません。治療費用と深く関わる救援費用に至っては、エポスカードはオフの10分の1です。

海外旅行のトラブルで最も多いのは「治療・救援費用」であることは各損保会社の統計で明らかになっており、なかには300万円~1,000万円クラスの請求がされた例もあります。

出典:t@biho(たびほ)『海外の事故実例』
出典:t@biho(たびほ)『海外の事故実例

救急車で運ばれただけで数万円かかるような地域で、運悪く入院して手術、さらには現地に家族を呼び寄せるほどの重症を負ったとなれば、治療費がいくらに膨らむか、想像を遥かに超えそうです。

無料クレジットカード付帯の海外旅行保険は、死亡補償や賠償責任など、起こる確率が低い補償にはそれなりの金額が付いていますが、必要になる可能性が高い補償には弱腰なのが実情です。

単体ではなく「補強」で使うポジションにある

補償と安さを両立させる海外旅行保険の選び方01では、海外旅行保険付きのクレジットカードは使えないのかというと、そんなことはありません。あまり知られていませんが、海外旅行保険の補償は合算できるものがあるので、有料の保険を補強する目的で使うと効果を発揮します。先ほど比較したオフとエポスカードの補償を組み合わせると以下のようになります。

損保ジャパン
新・海外旅行保険【off!(オフ)】
エポスカード 合算
保険料(※) 3,120円 0円 3,120円
傷害死亡・後遺障害 1,000万円 500万円 1,000万円
傷害治療費用 1,000万円 200万円 1,200万円
疾病治療費用 1,000万円 270万円 1,270万円
救援費用 1,000万円 100万円 1,100万円
緊急歯科治療費用 10万円 なし 10万円
疾病死亡 1,000万円 なし 1000万円
賠償責任 1億円 2,000万円 1億2,000万円
携行品損害 30万円 20万円 50万円
航空機寄託手荷物遅延等費用 10万円 なし 10万円
旅行事故緊急費用 2万円 なし 2万円

※個人タイプ、観光、ハワイ、8日間、PAタイプの場合

合算できない(多い方が採用される)補償もありますが、できるものは十分な金額になりましたね。携行品損害は、持ち物1つに対する限度額が定められているので注意が必要ですが、これだけあれば、複数の身の回り品が一度に損害を受けたときでも安心です。

組み合わせ次第で保険料の節約も可能

「ここまでの補償はいらない!」「補強もいいけど保険料を節約したい!」という人は、有料の保険の補償内容を削りましょう。オーダーメイドで自由に補償を増減したり外したりできる商品を選んで、上手に調節してみてください。

損保ジャパン
新・海外旅行保険【off!(オフ)】
エポスカード 合算
保険料(※1) 2,540(-580円) 0円 2,540円
傷害死亡・後遺障害 なし(-1,000万円) 500万円 500万円
傷害治療費用 700万円(-300万円) 200万円 900万円
疾病治療費用 700万円(-300万円) 270万円 970万円
救援費用 700万円(-300万円) 100万円 800万円
緊急歯科治療費用 なし(※2) なし なし
疾病死亡 なし(-1,000万円) なし なし
賠償責任 1億円 2,000万円 1億2,000万円
携行品損害 20万円(-10万円) 20万円 40万円
航空機寄託手荷物遅延等費用 10万円 なし 10万円
旅行事故緊急費用 なし(※2) なし なし

※1.個人タイプ、観光、ハワイ、8日間、フリープランの場合
※2.フリープランでは付加できず

削り方のポイントは、クレジットカードの海外旅行保険ありきで考え、既にある補償を優先的に減額することです。ここでは、傷害死亡・後遺障害は必要性が高いとはいえないので思いきってナシ。治療・救援費用は約1,000万円になるよう調整してみました。賠償責任は付けてもつけなくても数十円しか変わらないのでそのままにしています。

クレジットカードの付帯保険では補償されない疾病死亡を外したのは、渡航先で発症するような病気を患ったままで海外旅行に行く方が間違いだと思ったからです。プランの設計上、付加できなかった緊急歯科治療費用も、同様の理由でそこまで必要だとは思いません。

補強に使うとよさそうな無料のクレジットカード

補償が手厚いのはもちろんですが、どうせなら普段使いもできるクレジットカードの方が無駄がないと思います。このことから、

・年会費無料(または実質無料)である
・ポイント還元率が高いなど、何らかの特典が魅力的
・キャッシュレス診療に対応している
自動付帯(持っているだけで海外旅行保険が利用可能)である

上記の条件をもとに探してみました。

※1.自動付帯分300万円、利用付帯分1,700万円
※保険期間はすべて90日なので表から割愛

無料クレカでは最強クラスの呼声高いエポスカード(VISA)

card_epos

先ほどから例に挙げているエポスカードが最も補強に向いていそう。年会費無料でありながら、疾病治療費用270万円、傷害治療費用200万円が付いてきます。

ポイント還元率は、マルイ利用時以外では0.5%と決して高くないものの、「楽天Edy」でのチャージ分が0.5%還元されたり、全国で優待サービスが受けられたりと、マルイ利用者以外でもお得感あり。インターネットで申込後、店頭での即日受け取りも可能です。

エポスカードの詳細を確認する

上乗せ目的なら必ず検討したいジャックス横浜インビテーションカード(VISA、JCB)

card_jaccs

「横浜観光プロモーション認定事業」が認める通称「ハマカード」。地域名が付いているためマニアックな印象を受けますが、無料の付帯保険はエポスに劣らず最高クラスの補償を揃えていて、公式ページでもアピールしています。家族カード、ETCカードの発行の学校の発行も無料です。

旅行、グルメ、エンタメ・リラクゼーション施設など全国23万件以上の施設・サービスがお得に受けられる会員限定優待サービス「J’sコンシェル」を利用することができます。ショッピング保険100万円まで補償あり。

ジャックス横浜インビテーションカードの詳細を確認する

1.25%の高還元率を誇るREXカードLite(VISA)

card_rex

ジャックス横浜インビテーションカードと同等の補償力があり、なおかつ高いポイント還元率に注目しました。ただしポイント交換単位は2,500ポイント以上であり、これを貯めるためには20万円の利用が必要になります。

ポイント有効期限は2年なので、普段使いしていれば達する金額かとは思いますが、このあたりは人それぞれですので、念のため。

REXカードLiteの詳細を確認する

JCB ITカード、三井住友VISAクラシックカードAも条件に合致したので挙げておきましたが、付帯保険の内容が上記3つよりも劣るのが気になりました。特に三井住友VISAクラシックカードAの傷害死亡・後遺障害は、2,000万円の限度額のうち、自動付帯分300万円、利用付帯分1,700万円と妙な配分で分けられており、少し使いにくそうです。

ちょっと疑問

クレジットカードを複数作れば保険料がタダになるのでは?

以上、クレジットカード付帯保険の効果的な使い方を紹介しましたが、補償の合算という裏ワザ(?)を重ねて使えば、クレジットカードだけでも有料の保険並の補償が手に入るのでは?と思った人はいないでしょうか。確かに、年会費無料のカードの最高治療費用が約200万円ですから、4枚ほど契約すれば実費ゼロで豪華な補償が揃うことになります。

しかし、あまり現実的とは思えません。

補償と安さを両立させる海外旅行保険の選び方02もともと複数の海外旅行保険付きのカードを持っているならともかく、そうでない場合、保険のためとはいえ旅行以外では使いもしないクレジットカードを量産することになるからです。3~4枚となるとそれなりの時間を要しますし、いざというときの請求手続きも面倒くさそうです。

偶然事故対応費用や疾病死亡など、無料の付帯保険には付いていない補償もあることを考えると、やはりクレジットカードは補強目的で利用するのが向いているのではないかと思います。

(※)同じ会社が発行する海外旅行保険付きのクレジットカードは、複数持っていても補償額は加算されません。ただし、同じ会社のものでも別ブランドの場合は加算されます。

スポンサーリンク
  • 15
  • 0Google+
  • 94Bookmark

2017年安くて手厚い海外旅行保険はどれ?

海外旅行保険ランキング
カスタマイズ性がモノを言う! 2016-2017年のおすすめ海外旅行保険ランキング
必要ではあるけれど、できれば(あまり)お金をかけたくないのが海外旅行保険。そこで、手厚いながらもコストを抑えられる保険はないものか、探してみました。[...]

関連記事

  • 海外旅行保険は必要? トラブルの確率とリスクから考える海外旅行保険は必要? トラブルの確率とリスクから考える 保険のいる・いらないは、想定しているトラブルが起こる確率と、起こったときのリスクの高さで決めればいいと思います。海外旅行保険でいえば、事故に遭う人の割合や、病気で病院にかかったときの医療費の相場が決め手になるでしょう。 外務省や損害保険会社が出しているデータから、 […]
  • 海外旅行保険ランキング2016-2017|安くて手厚い海外旅行保険を探す海外旅行保険ランキング2016-2017|安くて手厚い海外旅行保険を探す 海外旅行先で病気になったり、トラブルに遭遇したりすると大変ですから、いざというときのために海外旅行保険は必須です。しかし、ただでさえお金のかかる海外旅行に、交際費以外の費用を使いたくないのも事実。 そこで当サイトは、手厚い補償をできるだけお手頃な価格で販売している […]
  • 加入はできても保障はされない? 妊娠中の海外旅行保険の選び方加入はできても保障はされない? 妊娠中の海外旅行保険の選び方 妊娠中はできるだけ安静にしておきたいものですが、授かり婚後の海外挙式やハネムーン、妊娠前から計画していた海外旅行など、やむを得ない事情で海外へ出かけるケースもあると思います。 ただでさえデリケートな時期に、飛行機に乗り、気候、食べ物、文化の違う海外で過ごすのですか […]
  • CHUBB(チャブ)損害保険『海外旅行保険(ネット完結型)』を徹底分析CHUBB(チャブ)損害保険『海外旅行保険(ネット完結型)』を徹底分析 CHUBB(チャブ)(旧名称:エース保険)は、スイス・チューリッヒを拠点に世界54カ国で保険事業を展開しているチャドグループの日本法人です。メディアでの露出が少ないため日本ではさほど有名ではありませんが、最近では18言語対応の航空券予約サイト『skyticket』を運営 […]
  • 時すでに遅し?! 海外旅行保険は現地からでも加入できるのか時すでに遅し?! 海外旅行保険は現地からでも加入できるのか 海外旅行に海外旅行保険は必需品ですが、うっかりしていた等の理由で無保険のまま出かける人も少なくないでしょう。 何らかの事情で海外旅行保険に入りそこねたとき、海外から契約することは可能なのでしょうか? 出国後でも申し込める海外旅行保険は国内にはない 残念ながら、 […]
コンテンツ一覧
海外旅行保険の基礎知識
海外旅行保険の賢い選び方
参考になるデータ
海外旅行保険をもっと知る
保険会社別商品レビュー
総合トップに戻る
  • 保険ソクラテス
スポンサーリンク