介護施設に入った時の費用目安、相場の比較

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家族や自分が介護状態になったとき、介護費用がどれくらい必要になるかは介護状態になるといくらかかる?でおおよその平均額を試算しましたが、個別的には、介護施設に入所するか否か、入所するならどの施設を利用するかで大きく変わってきます。

ここでは、代表的な介護施設とそこにかかる費用の目安を考えたいと思います。

介護施設の種類

介護施設は多種多様あり名称を覚えるだけでも大変なので、ここはシンプルに、介護保険の基準を満たす「介護保険3施設」と、それ以外の「民間施設」の2タイプがあると覚えましょう。

介護保険3施設

介護保険の基準を満たす施設は、「介護老人福祉施設」「介護老人保険施設」「介護療養型老人保健施設」の3つです。少々長い名称なので、通称の「特養」や「老健」などで覚えて構いません。

各施設の特徴を以下にまとめます。

施設 概要 入所条件
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム[特養])
心身の状態が安定せず、常に介護が必要など介護支援の高い人が対象 要介護1以上
介護老人保険施設(老健) 特養よりは症状が安定しているものの、在宅での生活は難しい人が自立生活の復帰を前提に利用する施設。そのため入所期間は3~6ヵ月等と期限付き 要介護1以上
介護療養型老人保健施設
(新型老健)
比較的症状が安定している人が入所対象。一定の医療措置が必要な介護者をケア 要介護1以上

次に民間施設を見てみましょう。ここでは4種類紹介します。

民間施設

介護保険施設以外でも介護保険のサービスが受けられる民間施設は、「特定施設」や「地域密着型特定施設」と呼ばれます。

施設 概要 入所条件
有料老人ホーム(介護付) 入居者が全額を負担することでサービスが受けられる。介護サービスの有無で費用が異なる 施設による
軽費老人ホーム(ケアハウス) 数種ある軽費老人ホームのうち、諸事情で在宅での生活が難しく、一定の介護サービスを求める人が入居する施設 おおむね60歳以上
養護老人ホーム 経済環境など諸事情で在宅での生活が難しい人が入居する施設。入居者との直接契約ではなく市町村が間に入るのが特徴。要支援・要介護者は外部の介護保険サービスを利用することになる おおむね65歳以上
認知症対応型共同生活介護
(グループホーム)
要介護認定を受けた認知症高齢者が日常生活の介助と機能訓練を受けながら自立を目指す施設。少人数のアットホームな雰囲気が特徴 要支援・要介護

では、施設の種類が大体わかったところで、それぞれにかかる費用の目安を紹介します。

介護施設の費用

介護施設にかかる主な費目は、「介護サービス費」「食費」「水道光熱費」「部屋代」「入居金」「月額利用料」です。介護サービス費は1割負担だけでいいですが、その他費用はすべて自己負担になります。

※運営元や利用者の経済状況によって費用が上下し、また入居する部屋の種類によっても金額が異なるため、あくまで参考に留める程度にしてください。

介護保険3施設の場合

公的介護保険を利用するには、各市町村に申請を行い、「要介護認定」を受ける必要があります。要介護認定とは、日常生活を送るうえでどの程度の介護や支援が必要なのかを示す基準であり、その必要度によって保障される内容が変わる仕組みです。

名目 介護老人福祉施設
(特養)
介護老人保健施設
(老健)
介護療養型老人保健施設
(新型老健)
介護サービス費実質負担 1万8,000円~2万7,000円 1万8,000円~2万7,000円 1万8,000円~2万7,000円
食費 4万円 4万円 4万円
居住費 1~6万円 1~6万円 1~6万円
その他費用 4~5万円 4~5万円 3~4万円
月額利用料 5~13万円 8~13万円 8万円~15万円

居住費の振り幅が大きいですが、これは利用する居室タイプにより料金がガラッと変わるためです。当然、相部屋の方が安く、個室やユニット型個室(少人数の共同生活型)を選ぶと高くなり、場合によっては民間施設と同じくらいの価格になります。

また、下表のように利用者本人や家族の経済状況によっても負担額が変わり、所得の低い人はいくらか軽減される仕組みです。

利用者負担段階 基準
第1段階 ・本人および世帯全員が市民税非課税で老齢福祉年金の受給者
・生活保護受給者
第2段階 本人および世帯全員が市民税非課税で、課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円以下
第3段階 本人および世帯全員が市民税非課税で、利用者負担第2段階以外
第4段階 上記以外

民間施設の場合

名目 介護付有料老人ホーム ケアアウス 養護老人ホーム 認知症高齢者グループホーム
介護サービス費
実質負担
数百万円 数十万円 なし 数十万円
食費 1万8,000円~2万7,000円 1万8,000円~2万7,000円 1万8,000円~2万7,000円 2万6,000円~2万9,000円
居住費 4~7万円 4~5万円 2~3万円 4~5万円
その他費用 10万円 2~3万円 2~3万円 7~8万円
月額利用料 15万円~30万円 7~20万円 0~14万円 15~30万円

それぞれの施設で特徴がありますが、養護老人ホーム以外は介護保険3施設よりも割高になる傾向があります。一番の原因は入居にかかる初期費用(入居一時金)ですね。

0円~数千万円とまさにピンきりです。

しかしこれ、今後はガクッと値下げされる予定なのであまり心配しなくていいかもしれません。

全国有料老人ホーム協会のホームページにも掲載されていますが、老人福祉法第29条第6項が新設されたことにより、今まで入居一時金のなかに含まれていた「終身利用権(老人ホームを終身にわたって利用する権利)」が除外されることになりました。

入居一時金がバカ高かったのは終身利用権のためだったのでこれは朗報です。平成27年3月31日まで経過措置があるためもう少し時間はかかりますが、今後は入居一時金の劇的な値下げが期待できます。

さいごに

今後はともかく、現時点で民間施設を利用すると入居一時金のために莫大な費用がかかる可能性があります。どの費目にいくらかかるか、ホームページやパンフレットはもちろん、気になる点は施設関係に質問するなどしてシミュレーションしておきましょう。

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