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火災に遭ったのに保険金が受け取れないのはどんな時?

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火災保険は、契約内容次第で補償の範囲が非常に広くなる保険です。だからというわけではありませんが、支払事由に該当する場合と、そうでない場合の区別が難しいという側面があります。

むろん、細かく約款を読んでいけば書かれているわけですが、いざというときになって実は受け取れない、ということがないように、事前によく理解しておきましょう。

補償されないパターン1 地震などの大きな自然災害によるもの

まず、火災保険で補償されないケースの、大きなものとして、地震に関連する被害があります。

地震にともなって発生した火災は、地震保険に加入していない限り補償されません。同様に、地震が原因で発生した津波の被害も、たとえ水災が補償範囲に入っていても補償されません。

また、噴火の被害も火災保険では補償の範囲外です。規模の大きい自然災害については、保険会社総体としての補償額がどれくらいになるか、事前の予測がつきづらいため、確実に保険金を準備するためにも、もともとの補償からは外されているという背景があります。

そのため、地震による火災には、地震保険で備える必要があるのですが、火災保険に、「地震火災費用保険金」に関する特約などがあれば、見舞金程度の保険金を受け取れる可能性があります。

地震火災費用保険金は、地震保険を契約していない場合に、地震による火災に見舞われた契約者に対する見舞金を支払う補償です。詳細は保険会社によって異なりますが、地震が原因の火災で一定以上の損害を被った場合(半焼以上、20%以上の損害など、決まりがあります)、保険金額の一部(たとえば5%相当、上限300万円以内など)が支払われます。

補償されないパターン2 故意や重大な過失がある場合

故意による火災

故意に発生させた火災では、保険金を受け取れないことは当然だと理解できるでしょう。自分で自分の家に火をつけて、火災保険を受け取ることはできません。生命保険における保険金殺人と同様の不正行為です。

それでは、被保険者の家族はどうでしょうか。たとえば、その家の子どもがわざと火をつけてしまった、というような場合です。

家族とはいえ、被保険者とは別の人間であれば他人です。見知らぬ他人に放火されたことによる火災ならば補償されるわけですが……、これについては、保険会社の約款で、同居の家族については被保険者本人同様に扱われる場合があり、そのときは補償されません。

そうした取り決めがない場合は、状況に応じて判断されると思われますが、子どもが未成年であれば、親の監督責任が問われ、重過失とみなされて支払われないケース、あるいは、被保険者に対しては補償の対象にはなるものの、保険会社が火をつけた人物に対して保険金額を請求し、結局は支払われなかったのと同じことになるケースなどが考えられます。

過失による火災

火災保険は、被保険者に重大な過失のある場合、保険金は支払われないことになっています。

ここで問題になるのは、どこからが「重大な過失」なのかということです。軽い過失であれば支払われるということなのですから、どこかにボーダーラインがあるはずです。

しかしながら、現実に火災が発生する状況はさまざまであって、完全には定型化できないため、結局はケースバイケースで判断されているのが実際のところです。「重過失」という概念についても「ほとんど故意に近い」ものをそう呼ぶという説から、「故意と過失の間くらい」を指すというものまで、専門家の間でも判断が分かれています。

  • ガスコンロの消し忘れ
  • ストーブを点けたまま給油をしていたら引火した
  • 寝タバコ

以上のような事例は、重過失とみなされたという事例がありますが、かと言ってコンロの消し忘れが常に重過失かどうかは、状況によって判断されます。

その他、補償されない場合の例

地震などによるもの、故意・重過失によるもののほかに、火災保険が支払われない場合として、

  • 戦争や内乱、暴動などにともなう被害
  • 核燃料物質や、それらに汚染された物資の放射性による損害

などが挙げられます。めったにないケースであり、それだけに予測して保険のシステムに組み込むことができないという、地震災害などと同様の扱いになります。

このように、火災保険は、状況や条件によって、保険金が支払われるか支払われないかの判断が難しいのが特徴と言えます。火災以外の補償についても、さまざまな個別の条件、注意点がありますので、他の記事も参考してください。

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