老後の医療費はどれくらいかかる?

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老後資金を考えるうえで、老後の生活にはどのくらいお金がかかるのか?という予測が必須になってきます。

このとき、生活費などは、今現在のものを参考に予測をすることができるでしょう。問題は、いくらかかるか予測がしづらいものです。特に医療費は、どんなに気をつけていたって病気やケガは起こるのですし、高齢になればなるほど医療費はかかりそうな気がしますね。

実際のところどうなのか、調べてみたいと思います。

高齢者はいくらくらい医療費を使っているのか?

厚生労働省の統計「患者調査」によると、年齢とともに受療率(なんらかの医療を受けている率)は上がっていき、60~64歳でも、人口10万人に対して7,000人以上の人が入院または外来の受療を受けている状態ということです。

当然、かかる医療費も増えていっているはずです。同じく厚生労働省の統計「国民医療費」によりますと、65歳以上の国民1人あたりの医療費は年間70万円程度にもなっています。

もちろん、個人差はありますからその年齢でもほとんど病院にかからないという人もいるでしょうが、平均的にはこのくらいかかっているということです。

ただし、70万円をまるまる本人が支払うわけではありませんよね。

そうです、健康保険があるので、実際に病院などに支払うお金はずっと少なくなるはずです。次に、そうした制度について見ていきましょう。

高齢者のための医療費に関する制度

後期高齢者医療制度

まず、若い人(64歳未満)は、健康保険または国民健康保険に加入していて、医療費は3割負担ですよね。

会社員は健康保険、自営業の人などは国民健康保険という制度を利用しますが、どちらも医療費についての機能はほとんど同じ。会社員の人は退職したら国民健康保険に切り替わります。

これらの保険は、最長で74歳まで加入することができます。

75歳以上になると、後期高齢者医療制度という別の制度に移行します。65~74歳でも、障害などがあると、後期高齢者医療制度に移行します。

後期高齢者医療制度では医療費の本人負担が1割になります。

ただし、「現役並み所得者」ということになりますと3割負担になります。課税所得が145万円以上あるかどうかが基準になっています(もう少し詳細な条件がありますので、所得145万円以上でも現役並み所得者にならない場合もあります)。

高額療養費制度

後期高齢者医療制度とは別に、高額療養費制度という制度があり、月ごとに一定以上の医療費はかからないようになっていることはあまり知られていないかもしれません。

公的保険によって3割ないし1割負担になったあと、実際に支払った金額も、月ごとに合算して一定の上限額以上であれば、上限を超えたぶんは国から還付されます。

この上限額は、所得の額などによって決まり、かつ、高齢者であればより上限は低くなります。つまり、窓口で支払う医療費も少なくて済むのです。

具体的には以下のとおりです。

年齢 所得 自己負担額の上限
70歳未満  区分【ア】上位所得者
年収約1,160万円以上
(健保:標準報酬月額83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円以上)
25万2,600円+(総医療費-84万2,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律14万100円
区分【イ】上位所得者
年収約770~約1,160万円
(健保:標準報酬月額53~79万円
国保:旧ただし書き所得600~901万円)
16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律9万3,000円
区分【ウ】一般
年収約370~約770万円
(健保:標準報酬月額28~50万円
国保:旧ただし書き所得210~600万円)
8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
年4ヵ月目の多数該当より一律4万4,400円
区分【エ】一般
年収約370万円未満
(健保:標準報酬月額26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下)
5万7,600円
年4ヵ月目の多数該当より一律4万4,400円
区分【オ】低所得者
住民税非課税の世帯
3万5,400円
年4ヵ月目の多数該当より一律2万4,600円
70歳以上  現役なみ所得者(標準報酬月額28万円以上かつ年収が夫婦世帯520万円以上、単身世帯383万円以上。国民健康保険の場合、住民課税所得145万円以上かつ年収が夫婦世帯520万円以上、単身世帯383万円以上) 外来(個人ごと):4万4,400円
外来+入院(世帯): 8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
一般(「現役なみ所得者」「低所得者I・II」以外) 外来(個人ごと):1万2,000円
外来+入院(世帯):4万4,400円
低所得者I(住民税非課税世帯で所得がない) 外来(個人ごと):8,000円
外来+入院(世帯):1万5,000円
低所得者II(住民税非課税世帯で「低所得者I」以外) 外来(個人ごと):8,000円
外来+入院(世帯):2万4,600円

70歳以上の「一般」区分ですと、入院したとしても4万4,400円が上限です。これ以上の医療費はかからないということなのです。

まとめ:思ったほど医療費はかからない

以上のことから、高齢者になると、たしかに医療費は増える可能性が高いが、窓口で支払う医療費は大半が公的保険によってまかなわれること、そして実際に支払うお金も一定以上であれば還付されることがわかりました。

つまり、思ったほど負担ではない、ということなのです。

ただし、こうした公的な制度ではカバーしきれない部分もあることをおさえておきましょう。

たとえば、通院することになったとして、その交通費は「医療費」ではありませんから、1割負担でもなければ高額療養費制度の対象でもありません。いわゆる「差額ベッド代」(入院するとき、本人が希望して個室に入る場合などにかかる追加料金)も別に自分で支払わなくてはなりません。公的保険の対象にならない、先進医療なども自己負担になります。

こうしたものについては公的保険の対象ではないので、自分の貯蓄でなんとかするか、民間の医療保険で保障してもらう必要があります。特に、先進医療の費用は高額になることが多いので、これは医療保険やがん保険に特約がついていれば安心です。

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