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個人年金保険とは? 個人年金保険の種類とメリット・デメリットを考える

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「自分年金」づくりの代表商品と言えるものが個人年金保険です。ここでは、個人年金保険の基本をおさらいし、メリット・デメリットについても考えたいと思います。

個人年金保険とは?

個人年金保険は、所定の年齢から年金を受け取ることができる貯蓄型の保険です。老後資金の積立だけでなく、教育資金や住宅資金の積立などに利用されることもあります。

年金の受け取り方は、5年、10年、15年など一定期間、確実に受け取れる「確定年金」と、一生涯受け取れる終身年金に、5年・10年などの分は確実に受け取れる保証期間が付いた「保証期間付き終身年金」が主流です。このほか、一時金で受け取れる場合もあります。

年金受取の途中で本人が死亡した場合は、確定年金の残りの期間分や、保証期間付き終身保険の保証期間の残りの分は遺族に支払われます。なお、年金受取開始前に死亡したときは、既に払い込んでいる保険料の累計額が「死亡給付金」として支払われるケースが一般的です。

最近は、日銀の長短金利操作による影響で運用環境が悪くなり、保険料の値上げが相次いだため、円建て個人年金保険の貯蓄性が全体的に下がりました。2017年4月には、生命保険業界全体に影響のある「標準予定利率(運用利回りの指標)」も低下、さらなる保険料の値上げが見込まれます。なかには、円建ての個人年金保険の販売をやめて外貨建て商品に注力する保険会社もあります。しかし、円建て個人年金の販売を継続する保険会社もあり、保険料控除の対象になることで所得税が軽減されるメリットもあるため、試算してもらって比較して選択するといいでしょう。

個人年金保険の種類

個人年金保険の種類としては、大きくは3つに分けられます。

円建て個人年金保険

従来型の個人年金保険。「個人年金保険」といえば、多くの人は円建ての個人年金保険を思い浮かべるはずです。保険料も円で支払い、年金も円で受け取ります。前述のとおり、国内の予定利率が低いため、魅力的な商品は少なくなりました。それでも、円建てがよいと考える人の老後資金対策を検討する際には候補となる商品。

変額個人年金保険

保険料のうち積立に回る分が国内外の株や債券を含む「特別勘定」で運用され、その運用実績次第で、将来受け取る年金額が増減します。将来の年金額が増えるリターンを狙える一方で、運用状況がよくないと元本割れ(支払った保険料合計を受け取れる年金累計が下回る)リスクもあります。この商品を扱う保険会社は執筆時現在、ソニー生命のみ。

外貨建て個人年金保険

文字どおり、外貨で運用される個人年金保険。多くは米ドル建てで、一部、豪ドル建てもあります。海外の高めの利率で運用されるため、円建てに比べて有利に運用できます。通常、保険料は外貨だけでなく、日本円で支払うこともできます。外貨建て積立利率変動型などもあります。

円安になれば為替の変動によるリターンが狙える半面、円高になれば年金額が想定よりも減るリスクがあることも理解した上で利用しましょう。外貨建てのため、円⇒外貨、外貨⇒円への為替コストもかかります。

個人年金保険のメリット・デメリット

個人年金保険で老後資金準備や教育資金準備をする際の、メリットとデメリットを整理します。

まずはメリットですが、3点挙げられます。

◯メリット1.目標どおり貯めやすい

「保険料」という形で強制的に引き落とされて積み立てられ、容易には他の目的で使いにくいため、老後資金を確実に貯められる方法の1つと言えます。老後資金を貯める商品の1つに、会社員が職場で利用できる「財形年金」がありますが、同様の効果があります。

◯メリット2.控除が受けられる

個人年金保険料控除を受けられます。1年間に支払った個人年金保険料のうち、所定の額を所得から控除することができ、それによって、所得税と住民税を軽減することができます。

控除できる額は下表のように計算します。

■個人年金保険料控除
所得税 1年間の保険料 保険料控除額
~ 2万円 支払保険料全額
~ 4万円 支払保険料 × 1/2 + 1万円
~ 8万円 支払保険料 × 1/4 + 2万円
8万1円 ~ 一律 4万円
所得税 1年間の保険料 保険料控除額
~ 1万2,000円 支払保険料全額
~ 3万2,000円 支払保険料 × 1/2 + 6,000円
~ 5万6,000円 支払保険料 × 1/4 + 1万4,000円
5万6,001円 ~ 一律 2万8,000円

たとえば、加入した個人年金保険の保険料が月1万円だったとして、保険料は年12万円。これにより、所得税で4万円、住民税で2万8,000円の控除を受けることができます。実際に軽減される額は税率によって異なりますが、所得税率10%(課税所得196万~330万円)の人の場合で4,000円、住民税は10%なので2,800円と、合計6,800円の税金が軽減されます。

保険料払込期間が20年だった場合、6,800円×20年=13万6,000円(制度や税率が変わらず、かつ還付できる所得税・住民税がある場合)の実質的なプラスがあることになります。そのため、円建てで予定利率が低くても加入するメリットがあると言えます。

◯メリット3.持病があっても加入できる商品もある

商品によっては健康告知や医師による診査が不要なものがあり、健康に自信がない人や、持病がある人でも加入できる可能性があります。あまりピンとこないかもしれませんが、意外に重要なポイントだったりします。

続いて、個人年金保険で老後資金準備をする際のデメリットですが、こちらは2点挙げられます。

△デメリット1.中途解約をすると元がとれなくなる可能性

注意点と言った方が正確かもしれませんが、何らかの理由で中途解約をする際、タイミングや状況によっては払い込んだ保険料分の解約返戻金が戻らない場合があります。円建て個人年金保険は予定利率が低いためですが、変額個人年金保険や外貨建て個人年金保険は価格が変動する可能性があります。そのため、加入する際に、無理な保険料を設定しないように注意しましょう。

△デメリット2.そもそも運用が上手くいかない可能性

外貨建て商品や変額年金ですから、当然のリスクがあります。大きく増える可能性もある反面、最悪の場合は、年金として受け取る分が払い込んだ保険料を下回る可能性も想定しておかなければなりません。老後資金の積立の全額をリスク型の個人年金に充てるのは危ないと思っておきましょう。

最後に:その他の注意点は?

最後に、個人年金保険に加入する際の注意点も整理しておきます。

円建ての個人年金保険を検討する際には、複数の商品の見積もりを取り、払込保険料の総額と、受け取る年金の合計額をしっかり比較して、納得した上で加入しましょう。変額年金や外貨建て個人年金保険の場合も、前提条件に注意しつつシミュレーションを見て、検討しましょう。外貨建て個人年金保険の場合は、為替コストなども確認しましょう。

また、個人年金保険に加入するということは、払込期間と年金受取期間を合わせると30年、40年の長期の付き合いになります。そのため、商品だけでなく、保険会社の信用力も大事です。貯蓄型の保険は、万一の保険会社の破たん時に影響を受けないとも限りません(「生命保険契約者保護制度」という制度で一定の範囲で保護されています)し、S&Pなどの第三者機関がどう評価しているか(Aランク以上か)を確認することも大切です。

最近、売り出し中の外貨建て個人年金保険のなかには、複雑な仕組みの商品もあります。理解できないものは避け、理解できる商品の範囲で検討するようにしましょう。

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