ペットに遺産を残すには? 飼い主の万が一に備えるペット保険とペット信託

少子高齢化が危ぶまれている日本で、ペットの飼育数が安定的な推移を見せています。特に最近では「ネコノミクス」が社会現象として、1年間の経済効果は約2兆円。空前の猫ブームとなっています。逆に犬の飼育数は2012年以降減少傾向にあり、今後は猫の飼育数が犬の数より上回る予想です。

これは一人暮らし世帯や高齢者の増加で、散歩が必要な犬よりも、日中に家を空けても飼いやすい猫の需要が大きくなったためでしょう。

ペットもオーナーも高齢化問題に対応する「老犬・老猫ホーム」

さて、平成25年度犬猫の年代別飼育状況を見ると、犬を飼育する50歳代が最多で、60歳代が続くのは気になる結果です。

■平成25年度犬猫の年代別飼育状況
 
全年代 15.8% 10.1%
20代 15.1% 9.0%
30代 12.7% 9.0%
40代 15.1% 9.8%
50代 20.0% 11.8%
60代 16.4% 10.9%

出典:一般社団法人 ペットフード協会

高齢化で飼い主がやむを得ずペットを手放すケースの要因として、飼い主の病気や死亡、介護で手放すケースも多いです。そのような場合に、自治体は原則、引き取った犬猫を殺処分することになるのです。しかし平成25年9月1日より施行した動物愛護管理法の改正で、動物は飼い主の生活に潤いと喜びを与えてくれる存在と定義付けられ、飼い主はペットが命を終えるまで責任を持って飼うことが義務付けられました。

一人暮らしや子供が独立した高齢者が飼い続けたいものの、年齢や体力面で最期までは世話をしきれない場合には、「老犬・老猫ホーム」も活用できます。環境省によると、前年からの1年間に約2倍の44施設へと増えています。高齢者でペットの面倒を見ることができなくなったりした場合にお世話をしてくれますが、費用準備も必要です。ある施設では、大型犬で終身一括制を利用した場合、入所金が15万円、利用料が約130万円(※)かかるため、現金の事前準備や飼い主用の少額短期保険、信託などを活用なども見てみましょう。

(※)ほんの一例で、詳しくは各老犬・老猫ホームのサイトをご参照ください。

万が一の場合に備えてペットの世話は?資金はどう準備する?

ペットフード協会によると、犬の平均寿命は14.85歳、猫は15.75歳。60~70代で飼い始めれば、自分の死後も生きる可能性は高い。また高齢者だけでなく、独身の方でもペットを飼っている場合も、面倒を見られなくなった場合にどうするのか、対応策を考えておく必要があります。

その手段の一つとして、ペットの飼い主向け少額短期保険「ペットのお守り」(保険期間1年)がアスモ少額短期保険から昨年4月に発売されています。飼い主の入院や死亡など万が一の場合に、大事なペットが安心して暮らしていくための保険です。

飼い主が死亡した場合、ペットを託せる身内などへ最高300万円の死亡保険金が支払われ、老犬ホームなどの入居費用としても役立てられます。また飼い主が入院した場合には1日あたり5,000円が補助されるもので、ペットホテル費用として活用ができます。84歳まで加入でき、90歳まで更新可能。

もう一つは信託を使うケースです。

病気やけが、死亡など飼い主の万が一の場合に備えて、事前にペットの将来の飼育費を信託しておき、いざという時には新しい飼い主にペットの生活を保障するものです。

主な流れとしては、

  1. 飼い主の方を代表とした管理会社を設立
  2. 飼い主の方の死後にペットに残したい財産を事前に管理会社に移す
  3. 次の飼い主を受益者とする遺言書と、ペットの飼育のためと記した信託契約書をその受益者と締結
  4. 遺産を飼育費として受益者の方に相続して頂く

とすこし複雑な方法ですので、専門の行政書士等にお願いするのが良いでしょう。

ご存知の通り、犬や猫は法律上、「物」であり、飼い主が万が一の時にどうするのか考えられていないケースも多いかと思います。

ペットも同じ家族の一員として、飼い主の万が一の場合の準備は、事前に誰かにお願いしておいたり、依頼する人がいない場合には、少額短期保険への加入や、資金余裕があれば信託を活用する手段なども活用し、全く対策をしていない事態は避けておきたいところです。

参考

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