日本初の「クラウドファンディング保険」でカバーするものは!?

世界中で注目されているクラウドファンディングに対し、日本で初の「クラウドファンディング保険」が誕生しておりますが、なぜ保険が必要なのでしょうか? 知っているようで熟知されていないクラウドファンディングのしくみを整理し、保険が誕生した経緯や保険の概要について見てみましょう。

クラウドファンディングのしくみとは

クラウドファンディングとは、群衆(Crowd)と資金調達(Funding)を掛け合わせた造語で、インターネットを介して、事業に共感してくれた人から少しずつお金を出し合ってもらう新しい資金調達の手段です。自分のアイデアをプロジェクトとして起案し、出資者からのお金が目標額に達するとプロジェクトは終了となり、集まったお金の中から運営者に手数料を支払うというのが主なしくみです。

資金出資者は主に3種類に分類され、寄付だけをする「寄付型」、金額に応じて返戻品を受け取る「購入型」、配当や利息の還元を主とする「投資型」があります。

cloud

クラウドファンディングの出資者としてのメリットは、今後成長の可能性がある製品やサービスにインターネットで少額からでも出資できることです。しかし資金調達が達成した途端に資金を持ち逃げされたり、事業者の破綻や不履行などの損失懸念もあることで、なかなか前向きに出資できないといった声もあるようです。

「クラウドファンディング保険」はなぜ誕生したの?

2014年の金融庁による金融商品取引法改正やクラウドファンディングの環境整備の実施が影響し、2015年度の国内クラウドファンディングの市場規模は前年度比68%増の約363億円と急拡大しています。クラウドファンディングの利用促進で市場活性化が期待される一方で、詐欺的な行為の誘発にならないかの懸念の声もあります。

海外ではそんなリスク回避としての保険をIndiegogo社が提供していますが、日本でもクラウドファンディング運営会社CAMPFIREが、東京海上日動火災保険株式会社と提携し、「クラウドファンディング保険」の誕生に至りました。プロジェクトを支援する上での不安を減らし、市場の健全化を目指す第一歩と位置付けられています。

クラウドファンディング 東京海上が初の保険~出資失敗しても返金~

《要約》東京海上日動火災保険はネットで資金を募るクラウドファンディングを巡るリスクを補償する保険を国内で初めて月内に発売する。仲介サイトの運営会社がこの保険に入っていれば、出資者は、お金を募る事業者が破綻したときに8割程度を返金してもらえる。投資家が安心してお金を出せる環境が整えば、普及に弾みがつく。

クラウドファンディング保険」とはどんな保険?

「クラウドファンディング保険」では、プロジェクト実行者の横領や持ち逃げ、倒産によりリターンが不履行になった場合に、出資金の80%上限として保険金を支援者に支払う保険です(保険料はプラットフォームが負担し、プロジェクト実行者・支援者の負担は不要)。

保険の対象者、契約者について要約いたします。

【保険の対象者】
下記2点の条件を満たし、かつプロジェクトの支援募集終了日から1年以内に履行予定のリターン(返礼品)の支援者です。

  1. プラットフォームで資金調達に成功したプロジェクトであること
  2. 募集期間内に目標金額を達成したプロジェクトであること

【契約者】
クラウドファウンディングの運営者(保険料負担者)

保険対象外のケースは下記になります。(抜粋)

(a)被保険者の故意
(b)戦争、変乱、騒擾、労働争議
(c)地震、噴火、洪水、津波または高潮
(d)プロジェクト実行者またはその使用人等が行う次の仕事

  •  医師、歯科医師、看護師、保健師または助産師が行うのでなければ人体に危害を生ずるおそれのある行為
  •  薬品の調剤・投与、薬品の販売・供給
  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師または柔道整復師以外の者が行うことを法令により禁じられている行為
  •  建築士、土地家屋調査士、技術士、測量士または獣医師以外の者が行うことを法令により禁じられている行為

「クラウドファンディング保険」を生み出したクラウドファンディング運営会社である株式会社CAMPFIREに確認したところ、実際に引き受けもスタートし、お問い合わせを多く受けているそうです。また引受会社である東京海上日動火災保険株式会社の広報にも話を聞いてみたところ、ニーズがあれば今後も普及していく意向もあるようです。

クラウドファンディングによってベンチャー企業にリスクマネーが投入していくことは日本経済成長にけん引していくことになるものの、資金を投入したものがなくなるリスクはさけたいものです。そんなリスク回避の一助として、クラウドファンディング保険が活用され、支援者にとってより安心して資金提供しやすい環境になるのは喜ばしいことですね。今後も変化し続けるクラウドファンディングについても動向に注目していきたいと思います。

参考

スポンサーリンク