貯蓄型保険の魅力が薄れる中、注目集めるJA共済「こども共済」「一時払介護共済」

マイナス金利政策と長期金利0%誘導によって、円建ての貯蓄型保険で魅力的な商品はほとんどなくなってしまいました。子どもの教育資金も「外貨建てか投資系で貯める時代になった」などと嘆く声も。ところが、円建て貯蓄型商品で魅力ある商品がまだあったのです!

貯蓄型商品の魅力が薄れたワケ

日銀が「物価上昇率2%」の実現のため、マイナス金利政策を始めたのが2016年2月のことでした。実際は、銀行が日銀に預ける当座預金金利の新規分が▲0.1%に下げられています。金融緩和策の一環として、景気回復や物価上昇につなげることが狙いでした。その後、さらには長期金利を0%に誘導する政策もとられています。

これらの金融政策の継続により、金融商品にも大きな影響が現れています。保険分野に限って見ていくなら、学資保険や終身保険、年金保険など、主に国債で運用されている貯蓄型保険は予定利率が下がり、保険料が上がりました。

2017年4月には各社が予定利率を設定する際の参考にしている「標準利率」も引下げられ、貯蓄型保険の保険料の値上げや、売止めも相次ぎました。こうした理由で、貯蓄型保険の魅力が薄れてきたわけです。

学資保険も値上げが相次ぐ

貯蓄型保険の代表商品として学資保険があります。「子どもが生まれたら学資保険」と思っている生活者は少なくありません。しかし、学資保険も学資保険代わりに販売されていた低解約返戻金型終身保険も、一連の流れの中で、値上げが相次ぎました。

学資保険については、保険料の支払期間を10年など短期化することで、返戻率(=最終的に受取る学資金÷払込保険料累計×100)が高くなるような工夫もなされています。中には、売止めはしないものの、返戻率がマイナスになった商品もあります。

こうした中、各社は学資保険の代わりに、外貨建て保険や投資型保険を販売する傾向が強まっています。学資保険の魅力が薄れてしまったせいです。

とはいっても、保険会社にとって学資保険は重要なドアノック商品でもあり、一部の保険会社はぎりぎりのところで返戻率を維持する努力を行ってきました。だからこそ、学資保険の返戻率で長年トップを維持していたソニー生命が、11月に保険料値上げに踏み切ったことは、個人的にも驚きでした。

だからこそ目立つJA共済「こども共済」

 そのような環境の中、もはや魅力的な学資保険はなくなってしまったのかと思いきや、意外なところに伏兵が。JA共済のこども共済「学資応援隊」の返戻率(JA共済では「給付率」と呼んでいますが、本文では返戻率で統一しています)が110%を超えると耳にしたのです。本当なら、このご時世ではかなり魅力的です。

サイトで試算してみたところ、一般的な加入の仕方では110%には届かないようです。それでも、掛金例にまとめたように、現状では高めの返戻率であることは確かです。

こども共済「学資応援隊」の概要
加入年齢 0~12歳
契約年齢 18~75歳
主契約 大学プラン(基本型)*
共済期間:22歳
払込:11、12、14、15、17、18歳
学資金:18、19、20、21歳、満期時各60万円(共済金額300万円の場合)
学資金支払開始:18歳
特約等 指定代理請求特約、掛金の払込免除保障、養育年金特則

*他に中学プランと高校プランがある

「学資応援隊」の掛金例
《条件》共済金額300万円、子ども0歳、契約者=父30歳(サイトで試算)
払込期間 払込免除保障 月払い 年払い
掛金 掛金総額 返戻率 掛金 掛金総額 返戻率
18年 13,833 2,987,928 100.40 159,072 2,863,296 104.77
13,698 2,958,768 101.39 157,521 2,835,378 105.81
15年 16,299 2,933,820 102.26 187,443 2,811,645 106.70
16,179 2,912,220 103.01 186,045 2,790,675 107.50
11年 21,876 2,887,632 103.89 251,583 2,767,413 108.40
21,771 2,873,772 104.39 250,350 2,753,850 108.94

「学資応援隊」では、契約者が亡くなったときの掛金が免除になる保障を付けるかどうかが選択制のため、他に十分な死亡保障がある場合は、貯蓄性をさらに上げるためにこの払込免除の保障を外して入ることもできます。

払込が最も短い11年で、年払い、払込免除の保障ありの場合、返戻率は108.4%ですが、払込免除保障を外すと108.94%となります。くどいようですが、払込免除の保障を外す場合は、万一の時に払込免除にならないというリスクがあることも頭に入れて利用することをお忘れなく!

さらに、驚きの特徴なのですが、実は払込免除保障を外して契約をする場合には、

  • 契約者の年齢制限がなくなる(ただし加入は75歳まで)
  • 健康状態の告知も不要

となります。

この特徴を生かせば、祖父母が契約者になってこども共済に入り、孫に教育資金を贈与することもできるのです。75歳の祖父が0歳児の孫のために加入しても、上記の前提で11年払いの場合は返戻率が108.94%になります(払込免除なし)。

しかも、共済には「割りもどし」という制度があり、毎年の決算で剰余が出たときに割りもどし金が支払われる可能性があるのです(3年目以降毎年)。もちろん戻りが0の年もあるものの、無配当の保険に比べるとさらなるお得の余地があるということです。

全期前納でさらに返戻率がアップ!?

さて、私が小耳にはさんだのは「返戻率110%超」という話ですが、そうなる加入方法は実在しました。「学資応援隊」が掛金払込免除保障を付けずに契約できるのは前述の通りですが、これをさらに全期前納で加入するのです。

生命保険会社では現在、学資保険に全期前納で入れるところはありませんので、これも共済ならではかもしれませんが、これによって返戻率は111%となります。

「学資応援隊」の掛金例
《条件》共済金額300万円、子ども0歳(試算協力:JA共済富山)
払込期間 払込免除保障 年払い 全期前納
掛金 掛金総額 返戻率 掛金 返戻率
12年 228,867 2,746,404 109.23 2,701,671 111.04

払込免除の保障を外せば健康告知も不要になるため、祖父母が契約者になって返戻率111%のこども共済に入り、孫に教育資金を贈与することもできるのです。

「一時払介護共済」も注目商品

こども共済以外にも、JA共済には気になる商品があります。

1つだけ挙げるなら、「一時払介護共済」(終身型)です。40~75歳で加入できる終身型の介護共済で、要介護2~5に認定または所定の重度要介護状態になった時に介護共済金(一時金)が支払われます。介護共済金が支払われると契約は消滅しますが、介護共済金が支払われずに亡くなった場合は、一時払共済掛金と同額の死亡給付金が支払われます。つまり、もらいっぱぐれがないのです。

例えば、介護共済金500万円の契約に45歳男性が加入した場合、一時払共済掛金は4,308,310円。要介護状態になれば500万円の介護共済金(一時金)が支払われます。一方、万が一亡くなったときは掛金と同額の4,308,310円が死亡給付金として支払われます。

介護が必要になった時は介護の費用に充て、要介護にならずに亡くなったときは死亡共済金として遺族に残すことができる商品です。

しかも、この商品も契約3年目以降には割りもどし金の可能性があります。解約返戻金もあるので(最高額は一時払共済掛金と同額)、どうしてもお金に困ったときは解約をして取り出すこともできます。

介護か死亡保障として掛金が必ず戻り、介護保障は死亡保障よりも厚めになる終身保障というのは、今のご時世では魅力に感じます。

一時払介護共済の掛金(介護共済金500万円の場合)
年齢 男性 女性
40 4,205,150 4,312,575
50 4,413,835 4,484,890
60 4,625,840 4,661,775
70 4,821,760 4,832,125

環境的には厳しいとされる貯蓄型の保険・共済ですが、じっくり見ると利用できる商品はまだあるようです。日ごろからアンテナを張っておくことは大事ですね。

 

参考

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