クラウドファンディングが広がると私たちの生活意識はどう変わる?

ネットやSNSの浸透とともに、クラウドファンディングのようなお金のやりとりが広がってきています。従来型の金融機関を経由しないで、直接つながるルートを持ち始めたら、その流れは加速していくのではないでしょうか?

今回は、地方自治体なども地域貢献などで活用している記事から、クラウドファンディングの浸透による今後の生活意識への影響を考察してみました。

ネット小口出資、町おこしを応援 廃校再生や文化保護

《要約》資金調達というと金融機関を通じた大がかりなものをイメージしていた人が多いだろう。しかし、最近はネットで手軽に資金調達ができるというクラウドファンディング(CF:Crowd Funding)が注目されている。その形態も、利回りや配当タイプの投資(貸付)型から、商品がもらえる購入型、リターンを求めない寄付型などに多様化し、国内CF市場も急成長している(矢野経済研究所によると、2017年度は前年度比46%増の1090億円の見込み)。
テーマも、地域貢献、新商品開発、チャレンジや承継に関するものなど様々で、お金を出して支援したい人は、運営会社のウェブサイトを見て、共感できるものを選んで申し込む。地方自治体が、地元住民のみでなく、県外からも資金を集めることに成功するなど、様々な実績が積み上がっている。

クラウドファンディングと今までの資金調達手段との違い

従来は、私たちが何かやりたいことがあってもお金が十分にない場合、金融機関からの融資、あれば行政による補助金や助成金、そして、親など知人からの借入くらいしか考えられなかったのではないでしょうか?それが、最近、クラウドファンディングによって格段に可能性が広がっていると私は感じています。

そもそも、クラウドファンディングは、「群衆=crowd」と「資金を集める=funding」という単語の組み合わせです。大勢からお金を集めるという意味では、海外でも米国の「自由の女神」の台座建設のために新聞で寄付金を募ったこと、日本でも寺院や仏像などの新造・修復・再建に庶民から広く寄付を求める「勧進」があったなど、歴史は古いと言えます。

しかし、インターネットの普及とともにクラウドファンディングが大きな流れになってきているのは確かでしょう。そのきっかけは、日本では2011年の東日本大震災。その復興支援を目的とした「寄付型」がスタートと言われています。

さて、「寄付型」は、単純に応援や支援が目的ですが、通常の寄付団体との違いは何でしょうか?

私自身も以前、デフリンピックに出場する選手達の遠征費用を支援する目的で、支援を申し込んだことがありますが、明らかに距離感が違うと思いました。

つまり、

  1. 集まったお金の使い道がより具体的で明確なこと
  2. 寄付した人と集めた人との直接のメールやりとりなどにより繋がりやコミュニティが生まれること

この2点が、従来の寄付行為との大きな違いだと思います。

まさに、SNSなどが発達した今だからこその手段と言えるでしょう。

これらが、地域活性化にもピッタリ合致するのも、クラウドファンディングのプラットフォームで「支援する」ボタンを押した時から、地域のプロジェクトの主催者とメールでつながるからと言えるでしょう。お礼や応援のやりとりはもちろん、目指すところに向かっての意見交換なども自由にできるようになるからです。

クラウドファンディングは更に多様化し、「寄付型」以外にも、「購入型」や「投資型」(運用による利回り・配当目的)などが登場しています。以下では、よくある「購入型」について整理してみました。

「購入型」を利用するメリットや注意点って?

クラウドファンディングの「購入型」は、お金を出したリターンとして、商品やサービスを得られるタイプを指します。商品の場合、新商品として開発する目的で資金を集め、完成したら真っ先に特典をつけて届けるというような予約販売的なもの、サービスの場合は、それを体験できるチケットの予約販売と言った形が多いようです。映画制作など多額の資金を集めた例も挙げられています。

実際、これらを利用する場合に、お金を集める側、支援する側にとって、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか?

○資金調達側のメリット

  • テストマーケティング的な情報収集
    まず、自分がつくろうとしている商品やサービスが、本当に多くの人に興味があって求められるものなのかどうかを本格稼働前に知ることができる。
  • PR効果
    商品やサービスをつくる想いやストーリーを先に伝えて共有できるので、広告PR効果が高まる。
  • コミュニティ・ファンづくり
    興味ある見込み客とのコミュニケーションがとれて、アイデアや意見なども参考にすると同時に、ファンをつくることができる。
  • 資金繰り
    資金が目標どおりか、それ以上集まれば、資金繰りが助かる。
  • 副次効果
    支援が集まって成功すると、メディア注目度が上がり、金融機関の融資なども実現しやすくなる。

△資金調達者側からみた手数料負担や注意点

  • 手数料
    プラットフォームによって異なり、集まった額に応じて、十数%~20%のところが多い。(一覧表参考)
  • 失敗も公開
    必ず支援が集まる保証は全くなく、失敗もさらされる可能性がある。
  • 支援者へのまめな対応
    支援者からのコメントなど公開されている情報は第三者にも見えるので、ひとつひとつ誠意ある対応が必要。

このように、お金を集める側からみると、とてもメリットが大きいように思えます。

一方、千円程度から数万円などのお金を出す支援者にとってはいかがでしょうか?

○支援者側のメリット

  • 先進性・特別感
    今までにない最新の商品や特別なサービスを見つけて、いち早くゲットできる。
  • 直接応援できる
    提供する元と直接つながって支援できる喜びがある。
  • お得感
    ただ商品やサービスを買うのではなく、限定の特典や早期割引などを受けられる。

△支援者側からみた手数料負担や注意点

  • 手数料
    プラットフォームによるが、支援に対してシステム手数料などがかかるところもある(一覧表参考)。
  • 原則取消不可
    支援したら、途中キャンセルはできない。
  • 当事者同士で解決
    約束されたリターンが遅れたり、届かないなどの事態は、プラットフォームではなく、直接当事者へ連絡して解決することになる。支援する先をしっかりと判断する目が必要。

いかがでしょうか?

メリットがあれば、デメリットや注意点もあるのが世の常です。

支援者としては、まず数千円程度など無理のない額のコースを選ぶこと、そして、支援する先が信頼でき、約束を実現する力を持っているかどうかを告知画面やブログなどでしっかり吟味して、応援したい気持ちにブレがないかどうかを判断することで、リスクや不満を軽減することができると思います。

以下、主なプラットフォーム別の特徴を一覧にしてみたのでご参考ください。

クラウドファンディング(CF)の購入型・寄付型の主な例
プラットフォーム CAMPFIRE Makuake READYFOR
概要・特徴

誰でも声をあげられるオールジャンル

審査は最短即日で、即日公開も。
有名人による募集も多い

「世界をつなぎ、アタラシイを創る」というビジョン
サイバーエージェントグループで、メディア集客や告知に強み
「誰もがやりたいことを実現できる世の中をつくる」
2011年に創業、日本初・日本最大のクラウドファンディング
運営会社 株式会社CAMPFIRE 株式会社マクアケ
(株主サイバーエージェント)
READYFOR株式会社
クラウドファンディングの種類 購入型(リターンは商品やサービス) 購入型(リターンは商品やサービス) 購入型(リターンは商品やサービス)
寄付型(リターンはお礼メールor無)
資金調達の対象 オールジャンル
(個人、団体、誰でもOK)
幅広いジャンル
(ファッション・フードから起業・地域活性など)
社会貢献、ビジネス、創業、アート、個人の夢など
支援者の手数料 支援時に1回あたり210円のシステム利用料 支援金のみで手数料はなし 支援金のみで手数料はなし
資金調達後の
手数料
達成した合計支援額の8%(+決済手数料5%)

ファンクラブは掲載手数料10%

達成した合計支援額の15%(+決済手数料5%) 目標の金額が集まった場合、12%(+決済手数料5%)

※2017年12月各社のHPより抜粋して筆者作成。

私たちの夢の実現にも活かせる!クラウドファンディング

「夢はあるけど、お金が・・・」と漠然と思っている方、「資金調達なんて縁遠い」と思っている方がいたら、ここで諦める必要はありません。

なぜなら、クラウドファンディングのプラットフォームによっては、法人でなくても、個人でも、チームでも資金調達できるところがあるからです。(一覧表参照)

もちろん、お金を集めるからには、それなりのやりきる責任や行動力が必要です。プラットフォーム運営会社も、安易な個人的な資金調達にならないように、審査をしてからWebサイト上に告知しますので、資金調達者もその責任や覚悟が問われるのは言うまでもないでしょう。

今までにも、「世界一周してを達成したい」と、自分ならではのチャレンジ目標を立てて、それを支援者とシェアし、お礼レポートをする形で、クラウドファンディングで夢を実現した例もあります。また、「犬猫カフェを運営して犬猫の保護活動をしたい」と資金を集め、カフェのオープンと共に、支援者には来店チケットやなどで歓迎するなど、様々な工夫やアイデアで充実させた例も見られます。

従来は、金融機関が融資の審査で中心的な役割を果たしてきましたが、こうしたクラウドファンディングの浸透によって、いきなり融資とはならない案件にもお金が集まる事例が増えてきたといえます。

「将来、を実現したい!」という夢がある場合に、私たちも、お金のことで諦めずにチャレンジできる機会が増えていると思って良いのではないでしょうか?

クラウドファンディングはお金を集めて終わりではない!つながりをどう活かすかは本人次第!

もう一つ、このクラウドファンディングを通して、私たちの生活で活かせることとして、次の3つも挙げられると思います。

  1. 夢を人に伝える努力をすること
  2. 人の応援を大切にして、その期待に少しでも応えるために工夫すること
  3. 応援のつながりをその時だけでなく、ずっと持続させられること

特に(1)については、クラウドファンディングのプラットフォームのページで、言葉や文章、画像などを駆使して、可能な限り人に刺さるように伝える努力をすることになります。普段、伝えるのが苦手で避けていたり曖昧にしていた人にとっては、そのプロセスが今後の生活にもとても役立つはずです。プラットフォーム運営会社には、キュレーターやアドバイザーがついて指導もしてくれますので、後日、集まった支援金の中から手数料を払うとはいえ、ある意味、初期投資ゼロで、自分のチャレンジを形にして行くことが可能な効果的なプロセスだと思います。

(2)についても応援してくれる人を裏切らない姿勢や努力、工夫が身に付きますし、(3)のように一度つながった絆を3年後5年後とずっと育んでいくこともでき、本人次第でどんどん可能性が広がると思います。

こうしたつながりを重視することで、私たちは日々の生活でも、応援し応援されることを一層意識できるようになるのではないでしょうか?ただ老後が不安だからと、自分の貯蓄残高だけを眺めるより、こうした応援のつながりに自ら入っていくことで視野も楽しみもずっと広がると思います。

参考

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