【50代編】年代・性別で考える生命保険の保障内容や保険料の相場

仕事では役職者になるなど、まさに中心的な存在です。それと同時に定年が見えてきて「老後」が身近に感じるようになる50代。また、健康面でもいよいよ不安が増す50代。

家庭では、子供も大きくなり、早いところはすでに独立している家庭もあるでしょう。逆に、晩産の影響から、これからが教育費のピークという50代の家庭も増えてくるでしょう。

そんな50代にはどんな保険の入り方が適しているのか、考えてみました。

目次

健康状態に不安があるなら現在の保険を大事に

50代から新規に保険に加入するのは、診査の面でも、保険料の面でもハードルが高くなります。新規加入の診査で引っ掛かり、保険料増しなどの条件が付くこともしばしばです。加入中の生命保険があるなら、基本的にはその保険を活かせないか、検討してください。安易な解約、乗り換えは危険です。やむを得ず、他社へ乗り換えをするなら保険の空白ができないよう、新しい契約が成立してから古いほうを解約しましょう。

保険を見直したい理由にもよるでしょうが、もし「保険料を抑えたい」のなら、減額や内容変更を考えてみてください。場合によっては、払済保険(=保険料の払込をストップし、以後の保険料を支払わないかわりに、保障額(保険金額)を下げた保険)に変更できるかもしれません。

死亡整理金は500万円ほどあれば安心

本人の状況に関わらず、用意しておきたいのが死亡整理金です。死亡保険金の使い道は、大きく分けて、死亡整理金(葬儀やお墓の費用など)と、遺族に残すお金です。そのうちの死亡整理金は、家族構成にかかわらず、一人あたりの平均額を求めやすい金額です。

まず、葬儀費用の平均は196万円という調べが出ています(※1)。ここには、通夜からの飲食接待費やお布施なども含まれています。あくまで全国平均ですので、地域によっては異なる場合もあります。

お墓関連費では、最初にお墓を建てるときに286万円(墓石代170万円、墓地使用料116万円)、管理料が毎年3,320円かかります(※2)。

以上のデータをふまえると、死亡整理金として500万円ほどあれば足りると言えます。一般的に若い方は貯蓄の準備ができていないので、500万円に対する不足分を保険で補えばいいでしょう。

※1.日本消費者協会第11回「葬儀についてのアンケート調査」報告書(平成27年)。ただしサンプル数や調査方法に疑問もあり、あくまで目安として。
※2.全国有料石材店の会「お墓購入者アンケート調査」(平成28年)の全国平均値。 墓地使用料・年間管理料は東京都公園協会による都立八王子霊園(平成28年度公募)の例。墓地は4.0平米貸付時のみ。

子供の学費がまだかかるなら

子供がまだ学生なら、せめて学費の分は保障額を確保しておきたいところです。末子高校卒業時までは遺族年金も多めに出るので割愛し、大学の費用だけ考えてみましょう。

進学コースによって学費は変わるので、ここでは「自宅から通える私立文系に進学」とします。学費などの学校納付金は1年あたり平均134万円です。これから大学生になる子が一人いるとした場合、入学時に30万円かかるとすると、4年間の大学の費用は566万円です。通学交通費などのその他費用は、パートナーの収入、遺族年金や奨学金、子供のアルバイト収入などでやりくりするとしても566万円は用意したいところです。

生命保険の保障額は死後整理金の500万円を合わせ1,100万円あると安心です。 末子がすでに大学生であれば、134万円×独立までの年数分の保障額でもよさそうです。 子供が小さい場合など大きな保障が必要なら、収入保障保険のほうが向いています。定期保険よりも保険料が抑えられます。

一時払い終身保険という手も

順調に貯蓄もできていて、その一部に5年以上先まで使う予定のないお金があれば、それを一時払いの終身保険にするのという手もあります。

終身保険といえば貯蓄性のある保険商品ですが、この低金利下では大きく増えることは望めません。しかし、一時払いの終身保険なら、貯蓄の一部を保険という形に置き換えるというとらえ方ができます。保険にしておくメリットは、万一の際に死亡保険金の非課税の枠(500万円×法定相続人の数)を使えるという点、遺したい相手を受取人に指定できるという点です。

たとえば、死後整理金は貯蓄で足りているけれど、一時払いの終身保険にしておいて受取人を配偶者に指定するといった感じです。通常の払込の終身保険もありますが、最近は低解約返戻金型が主流なので、保険料払込期間中に万一、解約しなくてはならない事情ができたときには、大きく元本割れをすることになります。また50代の終身保険は保険料も高いという点で注意が必要です。

家族構成、住まいの状況などによって、わが家の場合、死亡保障がいくら必要なのかは変わってきます。下記も参考にしてください。

関連:死亡保障の必要額はいくら?モデルケースでシミュレーション

医療保障は高額療養費ありきで考える

生命保険と併せて医療保険を検討する方もいるでしょう。その際は、まず公的な健康保険にある「高額療養費」という制度ありきで考えてください。

詳細は医療保険を専門に扱った別ページに書いていますが、一般的な収入の方なら、1か月間(月初~月末)の医療費は最高でも9万円程度しかかかりません(それ以上かかっても公的保険が肩代わりしてくれます)。この約 9万円を 30日で割ると一日当たり3,000円の自己負担となりますから、医療保険の入院給付金日額は5,000円あれば足りそうです。

関連:【50代編】年代・性別で考える医療保険の保障内容や保険料の相場

50代ともなると、身近な友人の病気の話も聞くようになります。生活習慣を見直すとともに、医療保険もチェックし、がん保険や就業不能保険など気になるものをプラスするのも良いでしょう。

不安のため医療保険についつい入りすぎてしまう人もいるようです。安心を感じる基準は人それぞれですが、どこまでの金額を保険で担保できていれば安心なのか、家族とも一度話してみるといいですね。

保険料は 1万円を超える

以上から、1,100万円の保障を55歳男性の場合で見積もってみました。わかりやすくするために生命保険は定期保険になっていますが、収入保障保険のほうがおすすめです。

某3社での見積もり

保険保障内容月払保険料
生命保険1,100万円(65歳まで保障)7,009円
医療保険入院日額5,000円(一生涯保障、終身払い)3,827円
一時払い終身保険500万円500万円

すでに子供が独立しているとか、一時払い終身保険などで死後整理金が足りるなら、定期保険を1,100万円から600万円に変更で3,937円。医療保険と合わせても7,764円となります。

あくまで一例として、参考にしていただけますと幸いです。

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