「掛け捨て」VS「貯蓄型」? 生命保険の損をしない選び方

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掛け捨ての安い生命保険(定期保険)に入るか、貯蓄性のある保険(終身保険など)に入るかは悩みどころです。どうしても掛け捨ては損をしているような気になってしまうもの。貯蓄性のある保険は、保険料は高いものの、最終的に戻ってくるならそっちのほうがいいのかな?と思う人も多いのではないでしょうか。

掛け捨てVS貯蓄型、ふたつの保険タイプについて考えてみます。

掛け捨てと貯蓄型、支払う保険料はどのくらい違う?

両者について、保険期間以外に違う点として保険料があげられます。

  • 掛け捨て→若いうちは安いが、更新するたび上がっていく。
  • 貯蓄型→高めだが、保険料がずっと変わらない。

……という特徴があります。では、保険料はどのくらい違ってくるのでしょうか。

同じ保険会社A社で販売されている定期保険と終身保険で比べてみます。保障内容は、どちらも、死亡・高度障害状態になったときに保険金が支払われるというもので、同じ金額(500万円)での試算を比較してみましょう。

30歳の男性が加入したものとし、定期保険のほうは10年ごとに更新しながら30年間、加入したとします。終身保険も、比較のために30年間加入した場合で考えます。

定期保険の場合
保険期間 月額保険料 期間中の総支払額
30歳からの10年間 1,190円 142,800円
40歳からの10年間 1,805円 216,600円
50歳からの10年間 3,355円 40万2,600円
総支払額 76万2,000円
終身保険の場合
保険期間 月額保険料 期間中の総支払額
30歳からの10年間 1万455円 376万3,800円

30歳で加入する時点での月額保険料は「1,190円」と「1万455円」ですから、10倍です。かなりの違いがあります。30年後、それまでに支払った総額を比べてみますと、定期保険は約76万円、終身保険は376万円ですから、およそ5倍の開きになっています。

ですが、終身保険はもちろん解約返戻金がありますので、376万円支払っていても、戻ってくるぶんがあるわけです。実際にいくら戻ってくるかは、保険会社に正式に見積もりをしてもらわないとわかりませんが、この保険では、60歳までを払込み期間として、払い済み後に即解約した場合、返戻金額が400万1,000円になるという契約例がサイトに載っていました。

さらに、払込み期間中の中途解約は従来の70%になるとの記載がありましたので、約400万円×70%を、中途解約時の返戻金と考えて、そう大きく外れていないでしょう。

返戻金額は「400万円×70%=280万円」ですから、支払い総額376万円-返戻金280万円=96万円が、戻ってこなかった金額ということになります。

定期保険で同じ期間、同じ保障内容だと、支払い総額が76万円だったのですから、これなら定期保険のほうが得だったことになりますね。

やはり、終身保険は途中解約をすると損なのだと言えます。いくら返戻金があるとはいえ、特に最近の低解約返戻金型のものは、解約してしまうと、同じ期間、定期保険に入っていて掛け捨てにしたほうが損は少ないくらいなのです。

掛け捨てのお金は「損」なのか?

掛け捨ては損しているような気分になりますが、貯蓄型の保険であっても、途中解約だと結局、掛け捨てしたのと同じ程度(かそれ以上)の損をしてしまうことがわかりました。

なぜこんな結果になってしまうのかというと、結局、定期保険の保険料というのは、「保障」の値段だということです。対して貯蓄型の保険は、「保障+貯蓄」の値段であるため、その分、保険料が高くなっています。

そして、解約返戻金として戻ってくるのは「貯蓄」部分だけです。「保障」部分は、お金を払ってそれを買ったのですから、その代金だった分は戻ってきません。

図

以上のことを理解すれば、掛け捨てのお金は、本当の意味で「捨てて」いるわけでもなければ、貯蓄型に比べて「損」をしているわけでもないことがわかります。

まとめ

結論として、「掛け捨てと貯蓄型、どちらがいいの?」という問いには、次のように答えることができます。

本当に一生涯の保障が必要な場合→貯蓄型

保険金を確実に遺族に残したい人や、死亡整理金(葬式費用など)や相続対策として使ってほしいと考える人は、貯蓄型の方が安心です。掛け捨て型に加入し続けるという選択肢もないとは言いませんが、更新のたびに保険料が上がりますし、なにより年齢や健康状態によっては契約を断られることがあります。

一時的だけの保障でいい場合→掛け捨て

子どもが成人するまでなど、一定期間の保障を確保、または補強したい場合、掛け捨て型が向いているでしょう。若いうちなら保険料が安く済みます。

貯蓄は自分でやりたい場合→掛け捨て

貯蓄型の保険は「保障」+「貯蓄」で成り立っており、この貯蓄部分は、保険会社に運用を任せている状態です。結果、解約返戻金は色がついて戻ってくるわけですが、貯蓄だけなら銀行でもいいし、リスクを許容できるなら株や投資信託などさまざまな投資や資産運用の方法があります。

お金を貯める・増やすということを、保険会社以外でやりたい場合は、保障だけを得られる掛け捨て保険でいいでしょう。

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