収入保障保険のデメリット「インフレに弱い」の対策は?

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収入保障保険は、保障内容が合理的で、保険料が安いことがメリットです。対して、収入保障保険のデメリットとしてあげられることが多いのが、「インフレに弱い」ということ。

いったい、どういうことなのか、またそれは本当なのか、考えてみましょう。

保険が「インフレに弱い」という意味

まず、「インフレに弱い」とはどういう意味か、考えてみましょう。インフレとは、簡単に言うと「物価が上がること」です。これは、別の言い方をすると、「モノやサービスに対して、お金の価値が下がる」と言うこともできます。

100円で買えるパンがあったとして、これが200円に値上がりしたなら、それまで200円あれば2個買えていたパンが1個しか買えなくなったのですから、200円というお金の価値は半分になってしまったことになります。

収入保障保険は、被保険者に万一のことがあったら、以後、月額○○円の保険金を給付しますよ、という契約です。保険金額は、契約者が必要と思うだけの金額を決めるわけですが、契約時点と、その後、万一のことがあって保険金を受け取った時点で、インフレが進行していたらどうなるでしょうか。

2倍に値上がりしたパンのようなことが、世の中全体の物価に起こっていたとしたら、受け取る保険金の価値も半減したことになります。もしものときの遺族の生活費として月額20万円の保険に入っていたのに、その保険金は実質10万円の価値しかなくなっているのです。これでは、意図したとおりの死亡保障が得られたとは言えませんね。

これが、収入保障保険が「インフレに弱い」と言われる理由です。

ただし、少し考えればわかりますが、これはなにも収入保障保険に限ったことではないのです。

終身保険でも、個人年金保険でも、学資保険でも、事前に「将来のある時点で、決まった金額を支払います」という約束である保険は、その将来時点でのお金の価値がどうなっているかわからないという意味で、等しく、「インフレに弱い」です。

インフレでどのくらい保険の価値は下がるのか

次に、インフレというのは、どの程度、起こりうるものなのでしょうか。反対にデフレが起こる可能性もありますし、インフレになるとしても、1%と10%ではかなり違います。

しかし、これから先、インフレがあるかデフレがあるかというのは、正確な予測は誰にもできません。また、「どのくらいインフレになるか」というのも、何を基準にどのような計算をするかによって変わってきますので、ひとつの答があるというものでもないのです。

ここでは、日本銀行のサイトで、物価指数を用いてお金の価値の変化を調べる方法が紹介されていましたので、そちらに倣ってみることにしましょう。

日本銀行|昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?

上記ページでも取り上げられている、総務省発表のデータによると、消費者が購入する際の商品およびサービスの価格の変化をあらわす消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)は、東京都区部で以下のように推移しています。

2013年の物価指数は、その30年前の1983年に対して約1.2倍になっています。

1983年の1万円は、2013年の1万2,000円に相当するということです。もし1983年に、30年後に100万円もらえる保険に入っていたとしたら、実際にもらえた額面100万円は、1983年からの物価上昇を考慮すると、実質的には80万円の価値にしかならないことになります。

インフレで保険の価値が下がらないようにするには?

では、インフレに対して、保険の価値が下がらないように対策をすることはできないのでしょうか?

一般論としては、変額保険のような、運用によって解約返戻金や満期金、給付金の額が変動するものはインフレによるデメリットを被りません。インフレになるのは景気が上昇している局面であることが多いため、運用成績も良くなっている可能性が高いです。そのため、インフレになるようなら変額保険では利益が出ているはずだ、という考えです。

これはたしかにそうなのですが、変額保険には逆に損が出るリスクもあります。保険がインフレに弱いことの問題は、損をすることというよりは、意図したとおりに保障ができないという点です。変額保険に入ってリスクをとることが、そのカバーになるかと言えば、そもそも趣旨が違うのではないでしょうか。

インフレに弱いことは保険そのものが持つ、回避しにくい弱点ですので、保険にできる範囲でこれを解決するのは難しいです。対策があるとすれば、それは株式や外貨など、他の資産をもっておくことで、保険の価値が下がったぶんを補うしかありません。

また、忘れられがちな点として、インフレで保険金の価値が下がるのと同時に、支払う保険料の価値も下がるということがあります。

30年前に一括で保険料を支払った保険の解約返戻金が、インフレによって大きく価値が目減りしているとなると、たしかに損した気分になりますが、ある程度、継続して保険料を支払っていたなら、少し事情は異なってきます。インフレはある日突然、物価が何倍にもなる、なんてことはなくて、少しずつ変化していきます。その間、支払う保険料の価値も変わっていくことなります。インフレが進行すると、給与水準なども上がるので、相対的に保険料は軽くなっていくわけです。

それに、保険商品は時代に合わせて新しい商品が出てきますし、利率の見直しも行われます。

このように考えると、インフレのことばかり心配しすぎる必要もあまりないのではないでしょうか。インフレは確かに保険の弱点です。しかし、明確な対策はなく、インフレに弱いから保険はまったくダメだとも言い切れないということなのです。

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