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おすすめ終身保険2017(円建て・外貨建て保険の実情)

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貯蓄機能と死亡保障を同時に得ることができる終身保険ですが、2016年に日銀が導入したマイナス金利政策の影響で、各保険会社の円建て終身保険の返戻率が大幅に低下しました。

これを受け、過去におすすめと言われていた保険がそうではなくなったり、販売休止になったりと、状況が変わってきています。

このページでは、最新の状況を踏まえて、どういう視点で終身保険を選べば良いのかについて考えます。

円建て終身保険は、返戻率が大幅に低下

まず知っておきたいのが、冒頭でもふれた、政府による金融政策の影響です。長期金利の低下により、保険会社はそれまでのような利率でお金を運用するのが難しくなりました。結果、2017年4月から各社は円建ての終身保険の値上げをし、返戻率が軒並み下がっているという状況です。

下記に、現在の円建て終身保険の返戻率をまとめた表を作成しました。

《見積条件》
被保険者:30歳・男性 / 保険期間:終身 / 支払期間60歳 / 保障額300万円
保険会社・保険商品 月保険料・払込総額 30年目 31年目 35年目
あんしん生命
『長生き支援終身』
月保険料:7,755円
払込総額:279万1,800円
67.7% 97.1% 98.7%
アフラック
『WAYS』
月保険料:7,368円
払込総額:265万2,480円
70.5% 101.2% 102.9%
マニュライフ生命
『こだわり終身保険V2』
月保険料:7,118円
払込総額:256万2,480円
64.6% 93.1% 96.5%
ひまわり生命
『一生のお守り』
月保険料:7,215円
払込総額:259万7,400円
72.9% 104.6% 106.1%
あいおい生命 ※
『積立利率変動型終身保険
』0.5%(最低保証)
月保険料:7,824円
払込総額:281万6,640円
69.5% 99.6% 100.6%
あいおい生命 ※
『積立利率変動型終身保険
』0.75%の場合
月保険料:7,824円
払込総額:281万6,640円
約73.2% 約103.5% 約105.6%
あいおい生命 ※
『積立利率変動型終身保険
』1.0%の場合
月保険料:7,824円
払込総額:281万6,640円
約77.0% 約107.5% 約110.9%

※最低300万円保障、死亡保障額も変動します

円建ての終身保険では、保険料を払込後でも返戻率が100%を切るものも出ていて、少々驚きです。もちろん、死亡保障が付いているので、損をしているわけではありませんが、過去の利率から考えると、貯蓄型保険としては魅力が薄れてしまったのは事実です。

では、円建ての終身保険は加入する意味がなくなってしまったかというと、そんなことはありません。「短期払」といって、保険料を短期間(10年・15年等)で払い込むことによって、比較的早期に返戻率を100%近くまでもっていくことができます。

参考までに、現在でも短期払が可能な保険会社の比較表を作成しました。

《見積条件》
被保険者:30歳・男性 / 保険期間:終身 / 払込期間10年 / 保障額300万円
保険会社・保険商品 月保険料・払込総額 18年目 22年目 30年目
あんしん生命
『長生き支援終身』
月保険料:2万2,284円
払込総額:267万4,080円
95.9% 97.6% 101.0%
アフラック
『WAYS』
月保険料:2万4,111円
払込総額:289万3,320円
91.6% 92.8% 95.3%

ただし、短期で保険料を払い込むということは、当然月々の保険料も上がります。終身保険は払込期間途中で解約すると、解約返戻金が大きく減額されますので、くれぐれも保険料の払込額を無理のない範囲に設定してください。

外貨建て終身保険の魅力とリスク

「日本円は低金利だから、米ドルや豪ドルなどの外貨を使って資産を増やそう」といった声を最近になってよく耳にするようになってきました。「外貨建て保険」という言葉を聞いて、反射的に「危なそう」というイメージを抱く人も多いと思うので、簡単な仕組みをおさらいしておきます。

外貨建て保険とは、外貨ベースで、保険料、保険金、解約返戻金の支払いなどをする保険のことです。当然、積立・運用も外貨で行います。

下記の図のように、日本の国債の金利よりも、海外の国債の金利の方が総じて高いので、円建ての終身保険よりも高い利率で運用できます。つまり、解約時に戻ってくる返戻金が円建ての終身保険より期待できるというのが大きなメリットです。

日・米・豪 国債利回り推移

下記に主要な外貨建て終身保険の返戻率をまとめた表を掲載します。

《見積条件》
被保険者:30歳・男性 / 保険期間:終身 / 払込期間10年 / 保障額3万米ドル
保険会社 積立利率 返戻率
18年後 22年後
ジブラルタ生命
米国ドル建終身保険
年3.20%固定 111.2% 122.0%
月払保険料:1万445円
払込総額:125万3,400円
マニュライフ生命
『こだわり外貨終身』
(2017年10月:2.65%)
年1.50%固定の場合 99.0% 104.3%
年2.65%固定の場合 115.0% 127.0%
年3.65%固定の場合 131.0% 150.5%
月払保険料:1万6,753円
払込総額:201万360円
ソニー生命
『米ドル建終身保険』
年3.00%固定 109.5% 120.5%
月払保険料:1万514円
払込総額:126万4,920円

※保険料、払込総額は1ドル=110円で計算(実際の保険料は毎月の為替で計算されます)。
※各社ドル建て終身保険の保険料支払い&受取を円でする場合は手数料がかかります。

円建ての終身保険と比較するとかなり返戻率が高いのが分かると思います。保険料も安いため、円建ての終身保険と同額の死亡保障を用意したいなら外貨建て保険の方がお得です。

実際に試算してみましょう。同じ保険会社A社で300万円の死亡保障を用意するのに、円建ての終身保険と、外貨建ての終身保険でどれくらい違うのかシミュレーションしてみました(外貨建て保険では、1ドル110円として、3万米ドルの死亡保障に加入)。

《見積条件》
被保険者:30歳・男性 / 保険期間:終身 / 払込期間10年 / 保障額:円建て300万円・外貨建て3万米ドル
月払保険料 払込総額
円建て終身保険 2万2,284円 267万4,080円
外貨建て終身保険 1万715円 128万5,800円

月払保険料が、円建てでは、2万2,284円のところ、外貨建てでは、1万715円です。もちろん、全く同条件での比較ではないですし、外貨建て終身保険はそもそも円ではなく、外貨で保険料を支払う商品もあるので、多少の増減もあるでしょう。しかし、イメージとして「これくらいの差が出る可能性がある」と覚えてもらえたらと思います。

外貨建て終身保険のデメリット

以上の点だけから考えると、円建てよりも外貨建てに魅力があるように感じますが、当然ながらリスク・デメリットも存在します。主なものが次の2つです。

  1. 為替の手数料がかかる
  2. 為替リスクがある

1.為替の手数料がかかる

日本円を外貨に交換しないといけないので、日本円→外貨、外貨→日本円への交換に手数料がかかります。

具体的には、保険料の払い込み・解約返戻金・保険金の支払いの際に、このコストがかかってきます。

手数料
保険会社 保険料の支払 解約返戻金・
保険金の受取
ジブラルタ生命 TTM +50銭 米ドル:TTM -1銭
ユーロ:TTM -2銭
豪ドル:TTM -3銭
マニュライフ生命 TTM +50銭 米ドル:TTM -1銭
豪ドル:TTM -3銭
ソニー生命 TTM +1銭 TTM -1銭

※当該費用は将来変更される可能性があります。(2017年10月現在)

25銭・50銭などとなっているので分かりにくいかと思いますが、たとえば、払い込み保険料の総額が3万米ドルで、為替手数料が50銭だと、保険料の払い込みにかかる手数料の総額が1万5,000円になります。

為替手数料については、総額でもそこまで大きな金額にならないのと、クレジットカード払などをするとポイント還元もあり、工夫次第で負担を軽減することは可能です。各社で為替手数料は微妙に異なりますが、比較するなら返戻率の方を重視した方が良いかと思います。

2.為替リスクがある

契約時よりも外貨の価値が下がれば(つまり円高になれば)資産価値が下がるので、解約時の円での返戻金の総額が下がります。つまり、そのときの為替レートによっては運用で出た利益が相殺され、下手をすれば元本割れを起こしてしまう恐れがあるということです。

将来、円高になるか、円安になるかは誰にも予想ができません。外貨建て保険に加入する際はこのリスクがあることを覚えておいてください。

全体を通して

終身保険の選び方についてまとめます。

円建ての終身保険は返戻率が大幅に低下し、以前の魅力はありません。そうは言っても、外貨建てはリスクがあるので円建てが安心という人は、保険料の短期払などを検討し、とにかく返戻率をアップさせる工夫をしましょう。

外貨建て保険は、円建ての終身保険よりも高い返戻率が魅力ですが、為替リスクや手数料など、円建てにはないデメリットがあります。

この保険をおすすめできるのは、

  • 割安な保険料で死亡保障が得られることにメリットを感じる
  • 解約時期は比較的柔軟に設定できる(そのまま死亡保障として持っておくことも有り)

というような人になります。

高い返戻率に目がいってしまう外貨建て保険ですが、あくまで目的としては、死亡保障のために入っているということを忘れないでください。

割安な保険料で死亡保障を得ることができ、おまけに、もしかしたら運用益を得られる可能性がある、くらいの気持ちで入ればメリットは大きいと思います。

なお、このページで算出した各社の返戻率は、あくまで指定した条件でのものです。返戻率は「加入年齢」や「払込期間」によって異なるので、加入を検討する際は、数社に絞って各保険会社から個別に見積もりをとるか、複数社の保険商品を扱っている保険ショップなどで設計書(見積書)を作り、比較することをおすすめします。

保険ショップでの相談を検討している人は、「保険ショップ選び」について当サイトの見解も読んでみてください。外貨建て保険は販売担当者の力量も欲しいので、選び方の注意点なども書いています。

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