長期間療養が必要な代表的な病気・怪我

ここでは、「長期間働けなくなるほどの病気やケガ」はどんなものがあるのか、調べてみました。

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平均的な入院日数は「約30日」。精神疾患は年単位にも…

厚生労働省の統計「患者調査(2014)」では、「退院患者の平均在院日数」として、傷病分類別、つまり病気の種類ごとに平均的な入院日数は何日だったかを調べています。 この統計から、病気ごとの平均入院日数を、長い順に並べてみました。

傷病分類平均在院日数
統合失調症546.1
血管性及び詳細不明の認知症376.5
アルツハイマー病266.3
脳血管疾患89.5
高血圧性疾患60.5
結核58.7
骨折37.9
糖尿病35.5
筋骨格系及び結合組織の疾患31.1
高脂血症29.4
肝疾患25.8
症状、徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの23.7
腎尿路生殖器系の疾患23.6
皮膚及び皮下組織の疾患22.7
血液及び造血器の疾患 並びに免疫機構の障21.8
気管、気管支及び肺の悪性新生物20.9
心疾患(高血圧性のものを除く20.3
胃の悪性新生物19.3
肝及び肝内胆管の悪性新生物18.8
結腸及び直腸の悪性新生物18.0
ウイルス肝炎16.3
先天奇形、変形及び染色体異15.5
乳房の悪性新生物12.5
周産期に発生した病態10.9
喘息10.8
妊娠、分娩及び産じょく7.9
耳及び乳様突起の疾患7.8
眼及び付属器の疾患4.1
歯肉炎及び歯周疾患2.1
う蝕1.6

これはあくまでも平均値ですが、1ヵ月以上の入院になってしまう病気が10種類以上もあります。なかでも統合失調症やアルツハイマー病といった精神系の病気は、非常に長引いていて、年単位に及んでいるのがわかります。

ちなみに、すべての傷病を通しての平均入院日数はおよそ30日です。表を見てみればわかるとおり、トップ3の精神系疾患を除くと、残りの病気は一年を超えるほどの入院日数にはなっていません。

通院によって治療する場合~「がん」では5年間続く

がんの治療は、手術もありますが、抗がん剤や放射線によるものもメジャーで、これらの治療は定期的に継続することで行うため、通院治療が中心になります。

手術などでがんを取り除いた後も、再発を防ぐための抗がん剤治療が続くことも一般的で、この治療は5年間続けることが多いようです。がんについて「5年生存率」という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。

手術後、5年経って再発がなければ完治したとみなすのが、がん治療のひとつの目安であり、逆を言えば、その5年間は再発のリスクに備えて治療を続けなければいけないのです。

その他の病気について、通院日数に関しては明確な統計がありませんが、今まで入院して行っていた治療を、通院で行う傾向が増加しており、それで考えると、前掲の入院日数がそのまま通院日数になることも考えられます。

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