教育資金、どうしてますか?先輩ママの「貯め方」と「家計の悩み」ぶっちゃけ座談会

「みんなどうやって教育資金を貯めてるの?」「とりあえず貯金してるけど、それだけで大丈夫?」など、教育資金の悩みは尽きません。特に、「ほかの家庭はどうしているの?」というのは気になるところでは? そこで、先輩ママのみなさんに集まっていただき、教育資金準備法や、子育て中の今、感じているお金のお悩みについて話しあう座談会を開催しました。座談会にはファイナンシャルプランナーの水野圭子さんにも同席いただき、ママたちの疑問に答えていただきました。
ゲストFP
水野圭子さん-
CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。株式会社K'sプランニング 代表取締役。
損害保険会社を経てファイナンシャル・プランナーとして独立。企業研修や女性向けのマネーセミナー講師、相談や執筆などで活動。主婦・一児の母・ビジネスウーマンとしての女性目線で、住宅ローンや資産運用、保険見直しなどの相談の他にも、お金を貯める仕組み作りなど、お客様自身が即実行できるアドバイスを行っている。
妊娠してすぐに学資保険に入りました
――今日は5歳以下のお子さんをお持ちのお母さんに集まっていただきました。これから教育資金が必要になってくると思いますが、みなさん、どうやって準備されていますか?
Aさん:妊娠してすぐに学資保険に入りました。私は自分の親から「私立はムリだよ」と言われたことがあって……それで専門学校に行ったのですが、就職で苦労しました。だから自分の子どもは大学に行かせてあげたいんです。幼稚園の費用などは定期預金で準備しました。あと、終身保険にも入っています。
Bさん:生まれて3ヵ月めくらいに、親に勧められて学資保険に入りました。親も学資保険に入っていてよかったから、って。それとは別に、定期預金を積み立てています。これは将来、子どもに渡そうかなと考えています。
Cさん:私は学資保険だけですね。
Dさん:うちも生まれてすぐに学資保険に。深い考えはなくて、とりあえず入っているっていう感じですね。つみたてNISAなんかも興味はあるんですけど……。
Cさん:私もつみたてNISAは興味あります。でも教育資金でやるのは怖いかな。あ、外貨預金ならやってたことあります。
Eさん:勧められて、学資保険に入りました。あとは、児童手当を貯金しています。
――全員が学資保険には入られているんですね! 教育資金の貯め方についてはどなたかに相談されましたか?
Dさん:ママ友とは相談しにくいですね。やっぱりお金の話はかなり親しい人じゃないと……。
Aさん:私は保険ショップに行きました。そこでいろいろ教えてもらって、なるほど!と思って少し保険やお金のことに興味が出てきて……。それで、そのあと、個人のFPさんにもお願いして相談しました。
Cさん:私もFPさんに相談しました。あとはネットで調べて、口コミを参考に選んだ感じですね。保険ショップは強引に勧誘されないかな?というのが心配で利用しませんでした。
Eさん:確かに保険ショップは入りづらいですね。なので、知人の保険会社の人にいろいろ聞きました。学資以外の保険も、その方の保険会社にお世話になっています。信頼できると思えた方ですし、なにかあったときすぐ連絡がとれるのが安心です。
Bさん:私も親が懇意にしていた保険会社の方に相談しました。
学資保険に入っていても、これで足りるのか不安です
――みなさん誰かには相談したということですね。ネットで調べたりするだけでは難しかったですか?
Aさん:商品が多すぎるし、最新情報がわからないので、ネットや雑誌で調べるのは難しいと感じました。
Cさん:私はネットも活用しました。比較サイトで、返戻率を比べたりして。
Bさん:私もネットで返戻率を比較しました。最初は返戻率の意味もよくわからなかったのですが、理解してからは気になりますから。
――なるほど。学資保険は何がメリットだと感じていますか?
Aさん:定期預金よりは増えるのと、親にもしものことがあっても払込免除があって学資金は確保できる点でしょうか。
Cさん:うちの学資保険は満期金が300万円くらいです。これだけだと足りないかな?とも思うのですが、これ以上になると保険料が払えなくて……。大丈夫でしょうか?
水野さん:いくら必要になるかは進路次第です。国立は安くて私立はお金がかかるというイメージがありますが、最近、国立と私立の差は少しずつ縮まってきています。私立文系で400~500万円準備できるといいですね。注意したいのは、大学1年生のときに必要なお金は、入学前に必要という点です。奨学金に頼ることができませんから、準備しておかないといけないですね。
Aさん:国立も私立並みのお金がいるかもと聞くと不安です。もし子どもが私立に行ったら、上の子だけで尽きてしまうかも……。貯金は毎月、どれくらいするべきですか?
水野さん:貯蓄の目安は手取りの1~2割でしょうか。学資保険の保険料も含めてですよ。ただ貯めた金額全てを教育費に使えるわけではないので、場合によっては奨学金を検討することになりますが……
Cさん:うちは夫が自分の奨学金をまだ返済中です。
水野さん:返済は長期に渡りますから、借りすぎるのはやはり問題。ただ親の老後資金も必要ですから、バランスが大事ですね。
Cさん:学資保険を、児童手当のお金で払っているのですが、別に家計から出すべきでしょうか?
水野さん:児童手当を全て貯めれば、学資保険としてでも約200万円位は準備できますね。プラスして家計から捻出できればベストですが、ムリなものは仕方がないですよね。よりふやすには家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
子どもが小さいうちは子ども優先で。まずは家計の見直しから
――家計改善はみなさん興味がおありだと思います。水野さんから、アドバイスをいただけますか?
水野さん:コツは固定費を減らすことですね。住宅ローンの借り換えや保険の見直しもそうですが、格安SIMにして通信費を下げたり、光熱費も、新電力に変えるなどです。月5,000円の削減でも年間では6万円になります。
Dさん:私は格安SIMにしました。新電力にも変えようか迷っています。
Eさん:うちはガスと電気をセットで契約していますね。セットだと割引になるので。
水野さん:新電力会社に変えても発電、送電は大手電力会社だけが行っているので、使用感に差はないですよ。電気料が毎月1万円以上使っている人は新電力に変えたほうが安くなる可能性が高いです。新電力は今、全国で500社くらいあるそうです。比較できるサイトがあるので、一度調べてみてはどうでしょうか。
Aさん:上の子が幼稚園です。習い事をやらせたいんですが、お金に余裕がなくて。なんとか家計改善したいんですが……。夫がiDeCoを会社員の上限(2万3,000円)まで掛けているのですが、掛けすぎでしょうか?
水野さん:小さいときの体験って大事ですから、お子さんが小さいうちは習い事優先してもいいかもしれませんね。iDeCoの掛け金は年に1回、変更ができます。他の部分でどうしても家計改善が難しそうであれば、掛金を下げることも検討してみましょう。
Cさん:夫は正社員ですが、最近、残業が禁止されて収入は減っています。子どもが幼稚園に入ったら私も働かなくてはと思っているのですが、フルタイムで働くのは難しいし、どうしようと思っています。
Eさん:2人目が生まれてから専業主婦です。ずっと主婦でいると、社会から取り残されたような気持になってしまうんですよね。
水野さん:社会は働き手を求めていますよ。フルタイムでなくても働きたいという気持ちがある、自分にはこんなことができる、ということを発信していけば、働き先とも繋がるかもしれませんね。ママ向けのお仕事マッチングサイトなどもぜひ活用を!
Aさん:うちは夫は会社員ですが、私がフリーランス。でも社会保険のことを考えると、私も正社員で働いたほうがいいのかもと思っています。
水野さん:個人事業主でも社会保険に自分で入ると選択肢もあると思います。お子さんが小さいなら、時間の融通が利くようフリーランスでいることのメリットも大きいです。会社員の社会保険は手厚いですが、そのためだけに正社員になるというのは疑問です。お金の面よりも、自分がどうしたいかが重要ではないでしょうか。
- 座談会を終えて
- 5歳以下のお子さんをお持ちのお母さんたちに集まっていただき、座談会を開催しました。教育資金の貯め方については全員の方が学資保険を利用されており、一部に学資保険を組み込むのはスタンダードになっているようです。一方、それで本当に足りるのか?ということや、日々の家計管理についてはお悩みを抱えている方が多いという印象でした。お金の話は友人などには相談しづらいという声もあり、やはり、保険相談サービスやFPなど専門家のアドバイスを取り入れていくのが有効ではないかと感じました。