告知義務

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民間の保険は誰でも加入できるわけではありません。申込者の状態によっては加入を断ったり、保障範囲を限定したりするなど、一定の審査を設けています。この、申込者の状態を把握するために求めるのが「告知」であり、申込者はこれを正直に報告する義務を負います。これを告知義務と呼びます。

告知義務の内容は保険の種類により異なります。生命保険なら健康状態や過去の病歴、傷害保険なら職業や職務、自動車保険なら車の使用目的や事故歴などです。

【主な告知内容】

  • 共通
    年齢、性別、所在地、重複契約の有無
  • 生命保険健康状態、既往歴、受療(入院・通院・手術)歴、持病の有無など
  • 傷害保険職業、職務など
  • 自動車保険所有者情報、車の状態、使用目的、前契約の等級、事故歴の有無など
  • 火災保険所有者情報、建物の構造や状態など

保険は、加入者全員で保険料を出し合い、万一の際には相互に助け合う「相互扶助」に則って運用されているため、危険度の高い人ばかりが保険金を受け取ることのないよう、告知義務を設けて公平性を保っています。

告知内容に問題がなければ無事保険に入れるわけですが、加入後、告知した内容に変更が生じた場合、加入者はこれも保険会社に報告しなければなりません。これを「通知義務」といいます。「車の用途がレジャーから通勤に変わった」など、保険の種類によりさまざまな通知義務があります。

告知内容の基準が緩和または撤廃されるとき

告知の仕方は、保険会社が用意した告知書の提出のみでいい場合もあれば、健康診断結果の提出を求められる場合、医師の審査を必要とする場合など、保険会社によって異なります。一般的には、保険会社の規模や保険金額が高ければ告知義務が厳しくなる傾向があります。

ただし、医療保険のなかには、告知義務の基準が緩やかな商品ものや、告知する必要のない商品もあります。「引受基準緩和型保険」「無選択型保険」と呼ばれるものです。

引受基準緩和型保険は、3~6個程度の告知をするだけでOKというもので、通常の医療保険では契約できない持病や既往歴のある人でも加入できる可能性があります。

一方、無選択型保険は、「契約者を選択しない」という意味で、告知義務を一切負わない無条件で加入できる保険です。

両方とも、保険に入りたくても入れない人には嬉しい商品かもしれませんが、審査基準を緩めるぶん保険料が高くなったり、保障内容が限定されたりと、デメリットもある点に注意してください。

告知義務違反をしたら

保険会社が求める告知に対し、真実を隠したり、嘘偽りを報告して保険に加入したらどうなるのでしょうか?

この場合、事情を問わず告知義務違反とみなされ、保険会社は契約を一方的に解除・無効化することができます。当然、保険金や給付金を受け取れるはずはなく、それまで払い込んだ保険料も無駄になります。

「黙っていたらバレるはずながい」と思うかもしれませんが、保険金を請求するときの書類で発覚するケースがほとんどです。たとえば医療保険の場合、医師の診断書を添えて請求しなければならず、そこには告知しなかった既往症や受療歴などが記録されているわけですから、ここから足がつくことが多いです。

そこで発覚しなくても、保険会社が「怪しい」と感じたら、主治医に問い合わせるなど何からの調査が入ると考えてください。医療機関側が個人情報を勝手に公開することはありませんが、加入者に情報の開示を求めることはあり、これを無下に断るとますます怪しまれます。

ただし、単なる記憶違いや記入漏れなど、故意でないことが明確に証明できた場合は、契約を続行できるでしょう。このあたりの対応は各社により異なります。

2年間発覚しなかったら大丈夫?

告知義務に関する約款には、「告知義務違反による契約は解除できる」等と明文化してありますが、解除できない場合として「責任開始期日からその日を含めて2年をこえて有効に継続しているとき」等と記載してあることがあります。

要するに、告知義務違反が2年間バレなければ契約を続行できることになるわけですが、だからといって保険金の給付を正常に行うとはどこにも書いてありません。

そもそも故意の告知義務違反は重大な契約違反であり、詐欺罪が成立しかねない犯罪行為ですから「バレなかったらOK」という発想自体が非常に危険なものであることを理解してください。

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