保険料の払込は終身払と有期払、どっちが得?

保険に加入するとき、“いつまで”というのがあります。この“いつまで”には、保険期間と保険料払込期間の2種類があります。ちなみに保険期間とは、保険契約の有効期間、つまりいつまで保険が適用されるかという期間で、保障期間ともいいます。

ここでは保障期間が終身のがん保険を想定し、保険料を払い続ける期間である、払込期間について考えてみます。

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一生涯払込をする終身払と、一定期間まで払込をする有期払

がん保険の払込期間には、一生涯払込をする終身払と、一定期間まで払込をする有期払とがあります(この他に初回に全額の払込をする一時払があります)。有期払は、60歳などの年齢で区切る場合と、10年などの期間で区切る場合があります。なお、終身払を全期払、有期払を短期払と表現することもあります。

終身払は、1回当たりの保険料が有期払より安いというメリットがありますが、一生涯保険料を支払うため、払込総額が分からないというデメリットがあります。また平均寿命まで生きたと想定して、保険料の払込総額を考えた場合、有期払より終身払の方が割高になるのが一般的です。

一方、有期払は、払込総額やいつまで支払うかが把握できることと、払込満了後も保障が継続されるメリットがありますが、1回当たりの保険料が終身払より高くなります。

同じ保障内容で単純に比較検討した場合、有期払の方が、終身払より有利だといえそうです。

保険料をあと何年支払うか、年齢で考える

少し条件を加えてみましょう。アフラックの「新 生きるためのがん保険Days」を公式サイトの保険料試算を使って30歳男性の保険料を試算してみました。条件は入院給付金日額1万円、診断給付一時金100万円とします。また平均寿命を80歳と想定した場合と60歳まで支払った場合の払込総額も計算してみました。

終身払と有期払の比較

終身払有期払(60歳払)
月払保険料2,870円月払保険料4,360円
60歳までの払込総額(払込期間30年)103万3,200円払込総額156万9,600円
80歳までの払込総額(払込期間50年)172万2,000円

払込総額で考えた場合、平均寿命まで生きるとしたら有期払の方が有利といえます。しかし、1回当たりの保険料の差額に注目すると、有期払のほうが1,490円高く、この差が負担になると考えた場合、終身払の選択もありでしょう。また終身払の払込が60歳払済の総額を超えるのは、75歳のときなので、あまり嬉しくない話ですが、それより早く死亡した場合は、終身払が有利だったといえます。

乗り換えの可能性や、払込免除特約も考えてみる

保険を乗り換える可能性について考えてみましょう。公的な医療保障制度や、医療技術の進化を考えた場合、がん保険もそれに合わせてリニューアルされることもあります。以前のがん保険では、入院給付金が主流でしたが、医療技術の進化によって入院を伴わない治療方法も増加してきた結果、現在では診断給付金が主流になっています。そのように、将来、今よりも利便性の高いがん保険が誕生した場合、保険を乗り換えることも考えられるでしょう。その場合、現在の契約を解約するのが一般的です(現在の契約に新サービスを追加できるタイプもあります)が解約を想定した場合、1回辺りの保険料が安い終身払の方が、解約までの保険料払込総額が少なくて有利といえます。ただし、注意しなければならないのは、健康状態によっては乗り換えができないことも考えられます。

払込免除特約は、がんになった場合に以後の保険料の払込が免除されます。こちらも終身払の方が有利だといえます。ただし、保険料の払込免除対象となる条件が保険会社によって異なるので注意が必要です(たとえば、上皮内がんは払込免除の対象外などといった場合があります)。

まとめると、払込総額を安くしたい場合は有期払を、総額では割高になっても月々の負担を抑えたい場合、将来の乗り換えの可能性が高いと考える場合は終身払を選ぶのがおすすめとなります。

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