新規で自動車保険に加入する際のタイミングや入り方はこちらの記事で解説していますが、今回は、既に加入している自動車保険の更新時期について解説します。
自動車保険は、満期日の約 90日前に契約している保険会社から「継続のご案内」というお知らせが送られてきます。自動車保険の場合、契約満了日(満期日)の 90日前から契約満了日までを更新時期と呼び、この更新時期に行うと手続きがスムーズに進みます。
更新時期は補償内容を見直すチャンス
一般的に「継続のご案内」には、現在契約中の補償内容をそのまま継続したプランと、保険会社がおすすめするプランなど、更新後の選択肢がいくつか提示されています。せっかくの機会ですので、補償内容を確認し、見直せる所は見直した方が良いでしょう。
見直しのポイントはいくつかありますが、ここでは(1)被保険者の年齢条件(2)車両保険(3)運転免許証の色について考えてみます。
(1)被保険者の年齢条件
被保険者の年齢条件特約とは、補償の対象となる運転者が 35歳以上など、一定の年齢以上に限定して補償が受けられるものです。被保険者がその年齢に達していれば保険料が割り引かれる仕組みです。
また、「子供が運転免許証を取得した」、逆に、「結婚を機に自動車を運転しなくなった」など、家族内の運転者に変化があった場合は、「運転者限定条件特約」の変更を検討しましょう。運転者限定条件特約とは、運転者を「本人」「本人と配偶者」「家族」など、補償が受けられる運転者の範囲を限定したもので、これも保険料の割引が受けられます。なお、年齢条件と運転者限定のそれぞれの特約は重複して付帯する事ができます。
(2)車両保険
車の価値の減少に応じて、いろいろな条件を変えてみましょう。「保険金額そのものを下げる」「補償範囲を変更する」「免責金額を上げる」などで、保険料を安くすることができます。また、たとえば型落ちにより車の盗難リスクが低くなったと判断した場合、盗難は補償対象外の「エコノミー限定」に変更するなども考えられます。
(3)運転免許証の色
運転免許証の更新でゴールド免許になった場合、ゴールド免許割引が適用される保険会社があります。ただし、既にゴールド免許割引が適用されていて、免許証の更新時にゴールド免許でなくなった場合は、この割引を外さなければなりません。
更新手続きに必要なものと割引制度など
保険会社から送られてくる「継続のご案内」には、更新に必要なものが記載されています。一般的には、
- 記名被保険者の運転免許証
- 対象となる自動車の車検証
- 印鑑(認印)
ぐらいでしょうか。
「リスク細分型」と呼ばれる自動車保険の場合、走行距離(メータ)の値が求められたり、 1年間の予想走行距離や商業利用の有無などが問われることもあります。
保険会社によっては、更新の早期手続きを行った特典としての早期割引や、インターネットで手続きを済ませた場合のインターネット割引などを設けています。
なお、無事故実績は自動的に引き継がれます。一般的に、保険期間中に 無事故であれば翌年1等級上がりますが、自動車事故等を起こし、保険を適用した場合は、3等級ダウンになります(保険適用によって異なります)。
任意保険の空白期間は作らないこと
保険の更新を忘れてしまい、補償の空白期間が生じると、大きな問題があります。
答えは簡単で、空白期間中に事故に遭えば自賠責保険の補償しかなく、大きな賠償責任が生じても保険でカバーすることができないからです。また、空白期間が 7日を超えると、無事故実績が引継がれなくなるというルールもあります( 6等級以下、つまり事故の実績がある場合は、その等級が引継がれます)。
忘れっぽい人には「自動更新」がおすすめ?
うっかり更新手続きを忘れた場合でも、一般的には満期日の翌日から7日以内に更新の手続きを行えば、それまでの等級は引き継がれ契約も無事に更新できます。しかし、満期を過ぎた日から、更新の手続きが終わる日までの間は、保険としての補償はありませんので、1日でも早く更新手続きをする必要があります。もちろん無保険期間に自動車に乗ることは危険ですのでオススメできません。
8日以上経過してしまうと、ほとんどのケースでは再加入という形になります。再加入=新規契約ですから、今まで積み上げてきた等級は引き継がれず、保険料もそれまでより高くなってしまいます。
これを防ぐ手段の一つに、更新を自動的に行ってくれる「自動継続」という特約があります。自動継続が付いていると、手続きを失念しても同じ補償内容で継続されるので安心というわけです(逆に保険会社にとっては他社への流出を防ぐ目的もあるでしょう)。
ただし、別の保険会社に乗り換えた場合、必ず以前の会社へ「更新しない」旨を連絡してください。でないと自動更新特約が発動され、少々面倒なことになります。インターネットで契約する保険会社など、自動更新特約がついていない商品もあります。また、契約更新時には特約がついていても、保険期間内に補償の変更などがあったために、特約が付加できなくなる場合などもあります。
いずれしろ、更新のタイミングでは、何度も電話をくれたり、訪問してくれるわけではありません。保険は自分のものですので、忘れないようにしっかり管理しましょう。
全体を通して
更新のし忘れにはくれぐれも注意するとして、更新時期は、補償を見直すチャンスでもあります。他社に乗り換えることも含め、どの補償内容、サービスが自分に合っているのかを考えてみましょう。