個人賠償責任保険ってどんな保険?

個人賠償責任保険は、日常生活における偶然の事故により他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして賠償責任を負った場合、損害賠償金や弁護士費用などを負担した場合の損害を補償する保険です。同居の家族が一人でも加入していれば全員補償が受けられる点も魅力です。別居でも扶養しているお子様(未婚)も対象となるため、各自で加入する必要はありません。

目次

誰に対して補償をしてくれるの?

  • 契約者本人
  • 配偶者
  • 同居の親族
  • 生計を一にする別居の未婚の子(仕送りを受けている学生など)

しかも実はそれだけでなく、飼っているペットが他人にかみついて怪我をさせた場合にも補償されるということでかなり広範囲で補償される保険です。

この場合は飼い犬を対象としているというよりは、被保険者の持ち物としてというスタンスだとは思いますが、それでも意外な事故の補償までしてくれるのはありがたいですよね。

ちなみに一部の保険会社では個人賠償責任保険の被保険者の範囲について一部改定の動きがでています。

・認知症の家族(責任無能力者)が起こした事件の損害に対し、責任無能力者の監督義務者などを個人賠償責任保険の被保険者の範囲に。

具体的には、同居のみならず別居で認知症の親を介護する子なども対象。(三井住友海上)

・同性パートナーを個人賠償責任保険の範囲に。(東京海上日動)

どんなときにどんな補償をしてくれるの?

  • 買い物中に誤ってお店に陳列してある高価な商品を壊してしまった。
  • 子供が自転車で人をはねて、怪我を負わせたり死亡させたりしてしまった。
  • 子供が幼稚園でケンカをして相手の子どもにケガを負わせてしまった。
  • 自宅の窓から誤ってモノを落として、下を歩いていた人にケガを負わせてしまった。
  • デパートで子供と買い物中、子供が手に持っていた食べ物で商品の着物を汚してしまった。
  • 飼っている犬が散歩中に他人や他人の飼い犬等に噛み付いてケガをさせてしまった。
  • マンション居住中に洗濯機から水が溢れ、階下の住居を水浸しにしてしまった。
  • 自転車で転んだ際、駐車中の他人の自動車を傷つけてしまった。
  • 子供が誤って、他人の家の窓ガラスや中の家財を破損してしまった。
  • ゴルフのプレー中に打ったボールが他人にあたり、ケガをさせてしまった。

ちなみにケンカが原因の場合、子ども(被保険者)が無能力者であり、親権者(被保険者)が監督責任を負ったときのみ補償対象となります。子どもが大学生や高校生の場合など、被保険者に責任能力があるとみなされる場合のケンカは補償の対象になりませんのでご注意を。

その他にも個人賠償責任保険で保険金が支払われない場合があります。

  • 契約者、被保険者などの故意によって生じた賠償損害
  • 借りた物や預かった物に対して生じた賠償損害
  • 業務としてのビル塗装作業中に、通行人にペンキをかけてしまった場合などの損害賠償(業務遂行中は日常生活途中とはみなされない)
  • 被保険者の同居の親族に対する賠償損害
  • 航空機、船舶および車両(動力が人力であるものや、ゴルフ場内のゴルフカート、車椅子・歩行補助車で原動機を用いるものは除く。)の所有、使用または管理に起因する損害賠償など

また、補償される内容は被保険者(自分や家族)が被害者に支払う損害賠償金のみならず、被害者から訴えを起こされた場合にかかる訴訟費用や弁護士費用等も補償の対象となります。

保険会社や商品によっては、被害者との示談交渉サービスが付帯されている場合もありますのでご自身のご加入の保険をご確認下さい。

ちなみに保険料はどれくらい?

一般的に年額として 1,600円~ 7,000円で 1億円~無制限の補償がされます。

保険によっては年額 1万円を超えるものもありますが全体的に補償金額に比べて比較的安価な料金で加入出来ます。

加入方法は?

個人賠償責任保険は基本的には単独での加入が不可となっています。

自動車保険や自転車保険、傷害保険等の損害保険に対して特約として加入することになります。

カード会員や会員制ロードサービスの会員に対するサービスの一環として、団体保険扱いで加入できることもあります。この場合自動的に付帯している場合もあります。

また、最近では被害者側との示談交渉の代行サービスも補償されているものもありますので子自身の加入されている保険が対象になっているか確認した方が良いでしょう。

ただいくら安いとは言っても重複契約しても実際必要な分しか補償されないため、自分だけでなく同居のご家族の加入分も合わせても重複して加入している場合は、1つが無制限の補償だった場合は必要な補償を必要な部分だけしっかり確保したら、他は解約して家計の無駄を省きましょう。

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