「子供が誕生したらすぐ加入」というイメージのある学資保険ですが、バタバタしている間にタイミングを逃してしまう場合もあるでしょう。特に二人目、三人目となると、子育てに忙殺されてうっかりすることもあるようです。
そうして気づいたら小学校高学年……10歳!? 学資保険は今からでも遅くないのでしょうか?
結論から言うと、加入できる商品は限られてくるし、大きく増えることは期待できないとなります。
まずは加入目的を明確にすること
そもそも、申し込み時点での子供の年齢に制限があり、 10歳では加入できない保険会社が多いです。たとえば日本生命の「ニッセイ学資保険」は 6歳まで、ソニー生命の「学資保険」では 7歳までなど、多くの保険会社が小学校入学時までとなっています。
ところが、子供が大きくなった家庭でも学資保険を検討するご家庭が少なくないのは、当サイトにお寄せいただく質問量からも感じています。
その理由は、「親にもしものことがあっても確実に教育資金を準備するため」でしょう。加入目的がそこにあるなら、意義のあることだと思います。
一方、「お金を増やしたいから」という目的なら、これから学資保険に加入できても厳しいと思ってください。
10歳で加入できても貯蓄性があるかどうかは別の話
子供の年齢が 10歳でも加入できる学資保険も、もちろんあります。ありますが、元本割れの覚悟が必要です。
たとえば、かんぽ生命「はじめのかんぽ」なら 12歳まで、三井住友海上あいおい生命「&LIFEこども保険」なら 11歳まで加入できますし、太陽生命「わくわくポッケ」では、プランによっては 12歳まで加入できます。
詳細は当サイトの個別レビューを参考にしていただきたいのですが、保障型と呼ばれる、医療保障がセットになった学資保険の場合、貯蓄性が乏しいことは頭に入れておいてください。
逆に、満期保険金や祝い金の受取合計額が払込保険料を上回る、いわゆる返戻率の高い商品もあります。 JA共済の「こども共済」のプランの一つ「学資応援隊」がそうです。契約者40歳、男性、22歳満期、保険料払込期間 18歳までで、保険料が年払であれば、返戻率は 101.8%になりました。契約者が50歳男性でも100.8%と、かろうじて100%越え。
他社が契約年齢で対象外だったり、元本割れするなか、返戻率100%越えは検討に値すると思います。
貯蓄が苦手な体質なら遅れての加入もアリ
学資保険には入りそびれたけど、教育費を別の手段で貯めているなら、今さら慌てて加入する必要はありません。
しかし、子供が大きくなった今、学資保険への加入を悩んでいる人は、家計管理が苦手で教育費の準備が追い付いていないことはないでしょうか? 仮にそうだとすると、強制的に貯蓄できる学資保険は効果的かもしれません。
ただし! 中途解約しては元も子もありませんから、保険料は無理のない金額で設定してください。
子供が10歳時点で学資保険に加入するメリットとデメリット
ある程度大きくなった子供のために学資保険に加入するにあたり、メリットとデメリットを整理します。
メリットはなんと言っても、親(契約者)にもしものことがあっても教育費が確実に確保できることですね。冒頭で述べたとおり、学資保険ならではの強みです。ほかには、保険料として強制的にお金を取り分けられることです。
デメリットは、中途解約では解約返戻金が払込保険料を下回ることが一つ。また、10歳時で選べる学資保険の数が少ないため、満期まで保険をかけても払込保険料より受取総額が少なくなる可能性が高いことです。
家計の見直しも考えよう
教育費は必要な時期がはっきり決まっているので、計画的に準備しやすいお金です。子供が 10歳の時点でまったく準備できていないとしたら、今から本気の準備が必要です。新規の保険加入より、まずは基本に立ち返り、家計の見直しから始める必要があります。
なんとか「収入を増や」し「支出を減らす」工夫をし、教育資金を貯めていけるように家計の体質改善することをおすすめします。