一般的な生命保険と同じく、収入保障保険も死亡保険の一種ですから、 遺族の生活を保障するためにある保険です。
特徴的なのは保険金の受取方で、定期保険や終身保険が一括であるのに対し、収入保障保険は、給料が入ってくるようなイメージで毎月支払われます。まさに「収入保障」ですね。
どちらが良いかは家庭によって違うでしょう。死亡退職金の額や、遺族年金の額、遺族の労働収入、預貯金、資産などによって変わってきます。
当サイトでは、収入保障保険の合理性についてかなりの好印象を持っているのですが、もちろん反対意見もあるでしょう。そこで、ここではあえて、収入保障保険が適さないケースを考えてみます。
独身で扶養家族がいない人
初めから当然のことを言うようですが、独身で扶養家族がいない人には必要ありません。自分が亡くなり、収入が無くなっても困る人がいないからです。せめてもの費用として、死亡整理金(身辺整理や葬儀費用)くらいを残しておけばいいでしょう。
そもそも、こうした人に必要なのは死亡保障ではなく、生きている間の万が一に備えることの方が大切です。就業不能保険や医療保険の検討、そして預貯金の確保が先決でしょう。
子どものいない共働きの夫婦
子どものいない共働きの家庭も同じ理屈で必要性は低いです。どちらかが亡くなっても、自分の生活は自分の収入で賄えるからです。言い方を変えれば、結婚前の生活に戻るだけです。
ただし、保険金はあるに越したことはありません。子どもがいなくてもマイホームを購入済みで、 一緒に返していた住宅ローンがある場合など、お金があれば救われるケースは想定できます。
そんなケースを考えても、収入保障保険よりは定期保険でまとまったお金を受け取る方が、資産運用にも回ししやすく、使い勝手がいい気がします。
子どもがいても必要性が薄れるのは?
夫婦と子どもの家庭で、主たる収入を得ている夫が亡くなった場合、遺族基礎年金が出ますし、会社員なら遺族厚生年金も出ます。
また、妻の労働収入で生活費を賄うことも不可能ではありません。子どもの教育費は大きな出費ですが、死亡退職金などを充てられることも多いです。母子家庭なら保育園の優先順位も高いですし、子どもを預けて働くことは可能です。母子家庭には自治体のいろいろな支援もありますので、大いに活用します。
ただし、亡くなった夫が自営業の場合はちょっと厳しいです。遺族厚生年金はなく、遺族基礎年金のみ生活費をカバーするのは難しいでしょう。もっとも、自営業を夫婦二人で経営していた場合は、妻が一人でも頑張れば減収にならないかもしれませんが……。
逆に、妻が亡くなった場合はどうでしょう。夫が一人で子育てしながら仕事をすることになり、今までのようには稼げなくなるかもしれません。その補填を収入保障保険で……という想定で収入保障保険の加入を勧められるケースはよく耳にします。
しかし、妻の遺族基礎年金も受け取れるようになったので、ここで補填すると考えることもできます。親族が助けてくれる場合、子供の面倒は祖父母などに任せて、夫は今まで通りバリバリ働く、というケースもなくはないです。収入は変わらず、遺族基礎年金は子どもの教育費に当てることができます。
まとめ
当サイトは収入保障保険をおすすめしていますが、このように、ある条件がそろえば必要性が低い家庭はあると言いたかったのです。
そもそも保険がいらない人というのも存在します。たとえば富裕層の家庭は、万が一の場合の備え(資産)があり、わざわざ保険料を支払ってリスクヘッジする必要性は低いでしょう。事業継承や相続対策のための終身保険など、別の目的で利用するなら話は別ですが、収入保障保険ではありません。
自分に収入保障保険が適しているのかどうか、判断がつかない場合は、信頼できる保険のプロに相談してみてください。専門家だけあってアドバイスが的確で、一人で考え込むより遥かに早く不安や悩みが解消するでしょう。