家計管理は妻?夫?夫婦の家計はこうして改善

みなさんの家庭では、家計管理は夫婦のどちらがされていますか?一概にどちらが正解というわけではないでしょうが、一方だけが家計を握っていると思わぬ見落としが生じていることもあるかもしれません。保険ソクラテスでは、夫婦の家計管理について調べてみました。合わせて、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに取材し、夫婦の家計管理法についてお話をうかがいました。

※記事中の調査データは、クラウドソーシング「クラウドワークス」を利用し、全国の結婚されている男性50名・女性50名の合計100名に対して調査(2018/1/9~2018/1/12)したものです。

アドバイスをいただきました

CFP(R)・1級ファイナンシャルプランニング技能士

畠中雅子さん

プロフィール

大学時代にフリーライター活動を始め、マネーライターを経て、1992年にファイナンシャルプランナーに。新聞・雑誌・WEBなどに多数の連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などをおこなう。長女出産後に大学院に進学。修士課程では「生命保険会社の会計システム」、博士課程では「金融制度改革」の研究を行う。著書は、「貯金1000万円以下でも老後は暮らせる!」(すばる舎)、「結婚したら知っておきたいお金のこと」(海竜社)、「高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン」(近代セールス社)、「お金の不安がかるくなる30のヒント」(オレンジページ社・共著)など60冊を超える。新聞・雑誌など、メディアへの登場回数は7000回以上。

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「家計は妻が管理」がやや多数派。アプリ普及で「夫が管理」も増えつつある?

今回、保険ソクラテスでアンケートをとったところ、家計管理は妻がしているという世帯がおよそ6割でした。そのうち半数程度は、夫も家計の内容・状況を把握していますが、残りの半数は把握せずに妻に任せている、ということのようです。

そうなった理由は、妻/夫のほうが家計管理が得意だったから、という回答が多数派です。

また、この状態について、全体の6割程度の人は満足していると答えており、意外と家計管理を誰がするかについては不満という家庭は少ないように見えます。

しかし、家計について夫婦間で衝突があるという声も……。

夫婦間で起こる家計管理上のトラブルについての声(一部)

  • 家計にあまり口出しすると妻とケンカになってしまう。
  • 配偶者が家計簿をつけてもらっているはずですが、時間的に余裕があるはずですが、いっこうに見せてくれない。最近も、将来について話をしたが逆ギレされて家計簿の中を分析できない。
  • 家族の協力がなく、自分一人で節約を頑張っていることから思うように成果が出ない。
  • 夫は家計を考えずにお酒やお菓子を買ってくることを要求することから余裕がなくなってしまい、私の食費を削ってまで対処している状態。
  • 現実から目を背けて協力する姿勢がない旦那で 私が一人でがんばっているから。
  • 主人が全て家計の管理そしていて収入も自分より上なので、自分が欲しいものは私が口を挟んでも絶対に買うというスタンスなので無駄な出費がちっとも減らない。主人のまだ使えるお金があるという意識が間違っているのだと思う。
  • 旦那が家計を握っているということで食費や教育費等で相談がなかなかできない。夫婦間の亀裂がさらに進んで金銭感覚の違いがありすぎて離婚の危機になりかねないので基本家計を守るのは主婦が適している。

子の成長につれ、節約だけでは限界が。妻が働くことも視野に入れて

こうした夫婦の家計管理について、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、こう話します。

「以前は家計を妻が管理していることが多かったと思います。最近は、夫が管理しているケースがだいぶ増えてきた印象ですね。簡単に使える家計管理アプリなどが登場した影響もあるのかなと思います」

家計管理に使用しているツールについて、今回のアンケートでは、アプリや、エクセルなどの表計算ソフト、手書きの家計簿を使うという声もある一方で、男女ともに「何も使っていない」というのが最多でした。

「ツールはなんでもいいと思います。アプリやWebサービスなら、夫婦でIDを共有してふたりで管理をする、といったこともやりやすいとは思いますが、大切なのは、きちんと貯蓄できているかをつかむこと」と畠中さん。貯蓄が十分にできていれば、日々の家計にそこまで神経質になる必要はないとの考えです。

特に注意したいのが、子どものいる家庭。子どもが中学生以上になる頃から、家計管理の難しさが飛躍的に上がってくるといいます。

「家庭内にもうひとり消費者が増えるわけですから。そうなると、ただ節約しよう、というだけでは難しくなってきます。妻が専業主婦だったり、夫の扶養内でパート・アルバイトをしたりという家庭も多いと思いますが、これからは妻が正社員で働くことも検討されるといいと思いますよ」

従来、夫が配偶者控除を得るため、妻の収入を控除の範囲内に収まるよう抑えるケースがよく見られました。2018年からこの制度が変わり、今まで、妻の収入を年103万円までとしていたところ、より高い年150万円まで配偶者控除が受けられるようになりました。しかし、配偶者控除ばかりにこだわる必要はないと畠中さん。

「収入が2倍になっても、労働時間が2倍になるとは限りません。それなら、社会保険のある働き方をしたほうが、長い目で見るとメリットがあるのではないでしょうか。老後に、妻が自分自身の厚生年金を受給できるようになれば、結果的に老後の資金づくりをしたのと同じになります。お子さんの傍にいたほうがいいのでは?という人も多いのですが、子ども自身は意外とドライに割り切っているということもありますので、一度家族で話し合ってみる価値はあると思います」

夫婦でコミュニケーションをとりつつ、全体の収支に目を向けたい

いずれにせよ、夫婦の家計管理は夫婦間でコミュニケーションをとることが第一歩。しかし、話し合おうとしてもついついケンカになってしまうという声も多くありました。

「話し合うとズレが起きるという場合は、話し合いたいことがある人が相手に対してメモ書きを渡すというのはどうでしょうか。文章で読めば女性も感情的にならずに理解しやすいでしょう。あと、どちらかが一方を責めるのではなく、互いに自分の改善点を提案するのもいい方法です」

畠中さんは数多くの相談を受けてきて、女性は日々の細かいお金の動きに敏感で、節約などを気にしがち、男性はそういったことはあまり気にしないが住宅ローンや保険などの大きなお金の動きに目を向けがちな傾向があるといいます。

「私は、今すぐできることは後回しでいいと思うんです。すぐには解決できない、ローンや保険のような大きなところから考え始めるといいでしょう。まずは定期的に収支を確認するところからですね」と畠中さん。畠中さんが勧めるのは家計を全体の収支でとらえる「貯金簿」をつけるという方法。この方法についてはこちらの記事で詳しく紹介します。

まとめ

夫婦の家計管理は、妻/夫のどちらかが管理していることが多く、妻派がやや優勢。どちらが管理しているかによって傾向はあるものの、一概にどちらが正解というものはありません。子どもが大きくなると節約だけでは難しくなるので、細かい家計管理よりも全体の収支に注目し、ローンや保険といった大きなお金の動きから管理していくのがおすすめです。そのためには夫婦間でコミュニケーションを取ることが大切。ケンカになりがちな家庭は文章でやりとりしたり、互いに改善の姿勢を見せるなどして協力体制を作っていきましょう。

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