払込猶予期間

保険に入ったら、当然ながら保険料を支払っていかなくてはなりません。一時払いという最初に全額を支払ってしまうパターンもありますが、ほとんどの場合は、月払い・半年払い・年払いといった、定期的なサイクルで支払う定期払いが一般的です。

そこでもし、料金を支払えなかったらどうなるでしょうか。

保険の保障は、保険料があってはじめて提供されるものですから、保険料が支払われなければ、保険契約は失効ということになります。

ですが、1日でも支払いが遅れればただちに失効する、というものでもありません。「払込猶予期間」に関する決まりがあります。詳しく見ていきましょう。

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払込猶予期間の数え方

払込み猶予期間とは、期日までに保険料を支払わなかった場合でも、その後の一定期間内に支払うことができれば、保険契約には一切影響がないとされる期間のことです。つまり、払込猶予期間内に支払えば期日までに支払ったのと同じことになるのです。

期日に間に合わなかった保険料の支払いを待ってもらえる期間」と理解すればいいでしょう。

保険料の支払い期限は、基本的に月の末日です。正確には契約応当日の属する月の末日ということになっています。

契約応当日とは、それぞれの月における、保険を契約した日と同じ日のことで、たとえば4月3日にある保険を契約したとすると、この保険が月払いの場合は、毎月3日が契約応当日になります。この保険が半年払なら、毎年2回、4月3日と10月3日が契約応当日です。年払なら毎年の4月3日ということになります。

そして保険料の支払いは、契約応当日の属する月の末日なのですから、この例でいえば、

  • 月払→毎月末日
  • 半年払→4月末日と10月末日
  • 年払→4月末日

ということになります。

そして払込猶予期間は次のとおりです。

払込方法払込猶予期間
月払翌月の1日~末日まで
半年払翌月の1日~翌々月の月単位の契約応当日まで(※)。または翌々月の末日まで。
年払半年払と同じ

※契約応当日がその月にない場合(たとえば応当日が「31日」で、31日がない月の場合)は、その月の末日ということになります。

図で見てみましょう。

払込猶予期間にも支払えなかった場合は?

払込猶予期間内にも、支払うことができなければ、残念ながら保険は失効ということになります。失効日以降に支払事由が発生しても保険金は受け取れません

一部の保険では、ただちに失効にはならず、自動振替貸付という扱いになることもあります。

自動振替貸付とは、保険会社がお金を立て替えておいてくれるという制度です。もともと、解約返戻金のあるタイプの保険は、解約返戻金の範囲で、保険会社からお金を借りることができる契約者貸付という制度がありました。自動振替貸付は強制的に契約者貸付が行われ、保険料の支払いにあてられるというしくみです。

貸付ですので、後々、返済しなければなりませんし、金利がありますので利子も返さなくてはなりません。金利はその契約の予定利率によって変わりますが、3~5%程度が多いようです。

貸付は解約返戻金額以上には受けられませんので、上限に達してしまうとそこでストップとなり、いよいよ失効ということになります。立て替えてもえらったぶんは返済しなくてはいけないので、失効(解約)時に受け取れるはずの解約返戻金から相殺され、契約返戻金は受け取れないことになります。

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