肺気胸でも保険に入れるのか?

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肺気胸になったことのある人が一般の保険に入るには?

原因となる疾患があり、それに関連して発生している状態でないことが重要です。

肺気胸は、肺の一部に穴があいて空気が漏れて胸腔(きょうくう)にたまっている状態をいいます。そのたまった空気に押されて肺が小さくなってしまい、胸痛、呼吸困難、咳などの症状がでます。まれに症状がなく胸部レントゲン検査で発見されることがあります。

自然に起こる自然気胸は、10歳台後半~30歳代の、背が高く、やせて胸の薄い男性がなりやすい傾向があります。自然に開いた穴は、多くは自然に閉じますが、穴がふさがらずに、空気が漏れ続けるときには治療を行います。また、再発することが多くあります。

告知の際のチェックポイント

肺気胸の既往症のある人が、保険に加入する際に告知をする場合は以下を記入するとよいでしょう。

  1. 初診時の詳細
  2. 原因疾患の有無
  3. 再発の有無
  4. 治療内容、手術の有無

1.初診時の詳細

いつ、どのような症状が出て受診したのか、詳細の告知をしてください。自然気胸の場合は、突然の胸の痛み、呼吸困難などの症状があります。受診の結果、レントゲンなどで診断されます。自然気胸のほかに、事故等で気胸を起こすこともあります(外傷性気胸)。

2.原因疾患の有無

ぜんそく、肺気腫、肺がん、肺結核、肺化膿症などの胸部の疾患による穴が原因で、続発性気胸が起こることがあります。肺自身に疾患があり肺機能が低下しているため、軽度の気胸でも重症化する可能性があります。また、原因疾患に基づく審査となります。

3.再発の有無

自然気胸は、多くが再発をします。再発の回数、時期を告知してください。また、再発がない場合には、再発無しと告知してください。

4.治療内容、手術の有無

自然気胸は、安静で症状が良くなる場合もありますが、胸腔穿刺で胸腔内にある空気を脱気したり、胸腔ドレナージといって胸部にドレーンを挿入して空気を吸引したりする治療が行われます。改善しない場合には、外科的手術が行われることもあります。自然に治癒した場合に再発することが多いといわれるため、手術の有無の告知は重要です。手術がない場合には、手術なしと記載してください。

残念ながら一般の保険に加入できない場合

これまで述べたポイントを踏まえても加入できない場合、次の手段として、「引受基準緩和型」または「緩和型」と呼ばれる保険の審査を受けてみるのも一手です。持病や病歴のある人でも加入できるよう、審査基準をやさしくした保険のことで、保険料は少し割高になりますが、それでも入りたいという人は意外に多いことから、保険会社が力を入れつつある分野の一つです。

特徴的なのは、この手の保険の審査基準が保険会社によってまちまちな点。A社ではダメだったものがB社では通ったり、逆にB社ではNGな症状がA社では問題視されていなかったり、各社でスタンスが異なります。つまり、「保険に入っておきたい」という目的を叶えるなら、数撃ちゃ当たる作戦が功を奏する可能性が高くなるということです。

引受基準緩和型保険でも加入を断られた場合、最終手段として「無選択型」と呼ばれる告知なしの保険に頼るという手もありますが、当サイトではあまりお勧めしていません。「告知なし=誰でも加入できる」というだけあって、保障が限定的であったり、保険料がずば抜けて高かったりと、さほどメリットを見出だせないと考えているためです。

もちろん、保険は安心を買う商品でもありますから、真っ向から否定はしませんが、無選択型保険を選ぶ場合は、緩和型保険以上にその保障内容をきちんと理解したうえで加入するようにしましょう。

ところで:なぜ肺気胸だと保険の加入が難しくなるのか?

自然気胸も外傷性気胸も、「緊張性気胸」に移行する可能性があります。緊張性気胸は、場合によっては、生命の危険もあります。肺から漏れた空気が胸腔にたまり、肺や心臓を圧迫し、胸腔内圧が異常に上昇した結果、血圧低下、ショック状態に陥り、最悪は死に至ります。

軽い自然気胸を繰り返しているうちに、突然起きることもあるため、再発を繰り返しているが、治療を行っていない等、治療内容や経過によっては、保険加入が厳しくなる可能性があります。

(注)あくまで当サイトの考察であり、保険に加入できるかどうかの判断基準は保険会社により異なる点、ご留意ください。

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