先日は記録的な大雪により、各地でさまざまな被害が報告されました。皆さんの地域は大丈夫だったでしょうか。幸い今週の大雪予報は避けられたようですが、引き続き注意はした方がいいと思います。
【参考】気象庁予報部週間発表
ところで、TwitterやFacebookで自宅や建物に被害が出たことを投稿している人を見て思ったのですが、その修繕費、火災保険で補償してもらえる可能性があるのをご存知でしょうか。「火災保険なのに雪災で保険金がおりるの?」と思うかもしれませんが、雪災は、風災、雹(ひょう)災とセットになっていて、支払い条件を満たせばきちんと補償してもらえます。
では、どんな雪災なら保険がおりるのでしょうか。雪災で起こりうる被害を想定してみます。
(1)積雪が落下した衝撃で建物が損壊した
(2)雪の重みで屋根が変形した、または崩壊した
(3)雪の重みで建物そのものが崩壊した
(4)雪解け被害で道路が水浸しになり自宅が損壊を受けた
(1)や(2)はよく耳にするケースですよね。先日の大雪被害でも嘆き(?)のツイートが散見されました。
【悲報】雪で家のガレージの屋根が崩壊し、車のフロントガラスに突き刺さる pic.twitter.com/lAXKEwti2N
— スワローあかぎ (@L_express_akagi) 2014, 2月 14
【悲報】家の車庫が雪の重みに耐え切れず崩壊 pic.twitter.com/QLQuvoXHxr
— ○Leaf○@RAD 横アリ8日 (@leaf_choco) 2014, 2月 14
雪は台風と違って静かに危険度が増していくため、「気付いたらエライことになってた・・・ (;´Д`)」みたいな人も少なくないようです。
火災保険で雪災がおりる条件
(1)(2)とも立派な雪害なので、支払対象になるのはほぼ間違いありません。損壊したのが自宅ではなく車庫だった場合、契約書に「車庫を含む」「付属物を含む」等の記載があるか確認したいところですが、損保会社が力を入れて販売している商品ならまあ大丈夫だと思います。
ただし、加入している火災保険が従来タイプの場合、損害額が20万円を超えないと保険がおりない可能性があります。
損害額が21万円なら21万円受け取れますが、19万円なら1円も出ないということです。雪災が頻繁に起こる地域だと保険金がいくらあっても足りないため、20万円で一旦の区切りを付けているようです(この支払い方を「フランチャイズ方式」と呼びます)。
(3)のように建物そのものが大損害を受けた場合、修繕費は20万円どころじゃ済まないでしょうから間違いなく受け取れるでしょう。逆に(2)のようなケースで車庫や堀の一部が壊れた場合だと微妙です。
もっとも、最近の火災保険は自己負担額の有無を選べたり、免責額を選択できる商品が増えてきていますから、自分の加入している保険がどんな内容になっているか確認してみる必要があります。
「たぶん出ないだろうな~」とか思っても一度保険会社に連絡してみるべきです。損保会社への請求漏れは生命保険以上に多そうですからね。
最後に(4)ですが、これは雪ではなく水による被害ですから『水災』の領域となり、標準で付帯されている雪災では補償されません。水災は洪水や高潮などが補償対象ですが、本題とは少し外れそうなので割愛します。とにかく、雪による被害とはみなされないということです。
ちなみに、車にも被害が及んだ!という場合、その補償は火災保険ではなく車両保険の領域なのでお間違えなく。地震保険も似たような仕組みですが、自然災害による車両の被害は自動車保険の特約で備えましょう。お金がなくて車を手放したもぶ太は大勝利です。
まとめ
以上をまとめると、
・従来型 → 損害額20万以上でしか補償されない
・新型 → 免責額の有無やその額をカスタマイズできる(被害額にかかわらず受け取れる契約も)
と、ざっくりですがこの2パターンがあると覚えておくといいと思います。新型を選んでどんな補償内容にするかは、住む地域によって大きく左右されるでしょう。
ただし前述のように、風災と雹災もセットで付いてくるので、雪災だけを意識して決めるのではなく自然災害全体のリスクも考慮して決めましょう。