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老後資金の積み立てに個人年金保険は向いている?

現在30代の男ですが、老後の貯蓄として個人年金保険を検討しています。
個人年金保険は老後の積み立て手段としておすすめでしょうか?

また、民間の個人年金保険以外で、老後の積み立て手段として適しているものがあれば教えてください。(35歳 男性)

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30~40代は今の生活を第一に!計画的に使える人は個人年金保険を検討しよう

AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士拝野洋子

30代40代は、その人のライフスタイルがはっきりしてくる時期です。特に子供がいれば学費ねん出、住宅購入などで予想より、お金を使う場面も多いでしょう。
通常は無事に60歳、65歳までは長生きするでしょうから、締まり屋さんでお金は計画的に使う方は、貯蓄の他に個人年金を始めてもいいでしょう。

ちなみに現在は、運用利率が低い時期ですので、払い込み期間が5年程度の短いものにして、金利の状況を見てください。 ただし、お金の計画を良く変更する方は、個人年金より預貯金の積み立てを増やしていく方が現実的だと思われます。

老後に備えて、考えることがたくさん

その前に……。老後の備えって何でしょう?お金のこと?貯金すればいい?保険で備える?それとも家族や人間関係?住むところはこのままでいい?仕事はしたい?などなど・・。考えることはたくさんありそうです。

これらの要因がいくつか重なり合って、老後の備えとなる必要資金が決まるのでしょう。
では、一般的には、老後のお金はどのくらい必要になるのでしょう?

平成25年生命保険文化センターの生活保障に関する意識調査では、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は平均月約22万円だそうです。

一方、人事院の試算だと2人世帯(高齢者と限らない)では月約17万円(平成25年)だそうです。
内訳は、食料費約3万円、住居関係費約5万3,000円、被服履物費約4,500円、 雑費約5万1,000円 その他雑費約3万1,000円。

一般的と言われる数字は、いくつかあります。
平成25年総務庁の家計調査では、無職で60歳世帯の消費支出は約月21万1,000円です。
その内訳(月額)は、食費約5万3,000円、住居費約1万6,500円、光熱・水道費約1万9,000円、家具・家事用品費約8,400円、被服費約6,500円、保健医療費約1万3,000円、交通費約2万2,000円、教養娯楽費約2万2,000円、その他支出約5万円。

高齢者になってからも、子供が成人しているとは限りません。その場合は、次の数字が参考になるでしょう。

平成25年総務庁家計調査では2人以上世帯(高齢者とは限らない)の消費平均が月約29万円……。内訳は食費約6万8,000円 住居関係費 約1万8,000円 水道光熱費 約2万3,000円 家事用品約1万円 被服費約1万2,000円 保健医療約1万3,000円 交通費約4万1,500円 通信費約1万2,000円 教育費約1万1,500円 教養娯楽費約2万9,000円 その他消費約6万3,000円……。

老後の収入ってどのくらい?

平成25年総務庁の家計調査では、無職で60歳世帯の実収入は月約18万1000円で公的給付が約87%を占めています。

また別の数字、平成22年国民生活基礎調査によれば、高齢者の年平均所得は約308万円(月約25万6000円)とあります。高齢者世帯の収入のうち、約70%が公的年金・恩給に頼り、企業年金、個人年金、その他の所得は5.7%に過ぎません。

保険会社など金融機関は、これらのデータを使い、高齢者になると収入より消費の方が多くなるから、その分貯金を取り崩さなければならない。公的年金は当てにならないし、個人年金や保険等で今から準備を……と言った流れを作ることが多いと感じます。

公的年金がこの先どうなるかわからない……という意見はありますが、急に年金制度がなくなることはまずないでしょう。やはり、今後も高齢者の収入のうち、公的年金は大きな比率を占めるものと思われます。
一度ご自分やご家族の公的年金のシミュレーションなどをしてみてください。

統計をとる機関によって老後の生活費の数字が若干違うのですから、個別の老後の生活費は家庭の事情によってもかなり異なると言えるでしょう。
高齢者になったからと言って、必ずしも全部の家庭が収入より消費が多くなるとは限らないのです。

老後の主たる収入である公的年金を補う意味で、30代40代のうちから個人年金を検討してみることは、有効な手段と言えるでしょう。

個人年金ってどんなもの?メリットは?

個人年金には、「確定年金」「終身年金」「保障期間付終身年金」「変額年金」「外貨建て年金」などさまざまな種類があります。「確定年金」や「保障期間付終身年金」は、原則、受取額が払い込んだ保険料を下回ることはありません。預貯金より強制力があるのもメリットです。

「確定年金」、「終身年金」、「保障期間付終身年金」は、保険料払い込み期間が10年以上など、必要な要件を満たせば、個人年金控除(4万円が上限)が受けられます。若いときに入るほど、保険料払い込み期間が長いので節税効果が見込まれるメリットがあります。

「変額年金」なら一般生命保険料控除(4万円が上限)が受けられます。「外貨建て年金」は、保険料が一時払いのものが多く、支払った年のみ一般生命保険料控除が受けられる
商品もあるようです。

控除(こうじょ)って何だろう?

所得税や住民税は、所得(収入から社会保険料その他を引いた額)に5%から40%を掛けて計算されます。個人年金控除や生命保険料控除……など「控除」とは、所得税や住民税がかからない額で収入から差し引く額です。「控除」が多いほど、原則、所得税や住民税が減ることになります。

某生保の個人年金(確定年金)保険料シミュレーションでは、受取年金額は年30万円(受取総額は300万円)月払いの保険料(60歳払い済み60歳から10年支払い)は35歳男性で月約9500円でした。この場合、個人年金保険料控除で年6800円ほど(所得税率10%の場合、所得税4000円及び住民税2800円)受けることができるでしょう。
保険料が同額でもその人の所得税の税率によって、違ってくるのが特徴です。

個人年金にデメリットはある?

個人年金保険の他の特徴は、「変額年金」や「外貨建て年金」は、運用がうまくいって高利回りになることもありますが、受取額が払い込んだ保険料を下回ることもあり得ます。「終身年金」(保障期間なし)も契約者の予定外の早逝で保険料を下回ることもあり得ます。

デメリットとしては預貯金と違い、個人年金保険は契約後一定年数未満で解約すると、元本割れします。万一、保険会社が破たんした際、年金給付金が削減されることもあります。

2つ目のデメリット、「確定年金」「終身年金」「保障期間付終身年金」だと運用利率が一定期間固定されます。市場の金利が上がってきても、途中解約は元本割れするので他の金融商品に変えづらいのです。ちなみに現在は、運用利率が低い時期ですので、払い込み期間が5年程度の短いものにして、金利の状況を見てください。

3つ目は、受け取る年金給付金は雑所得となり、所得税を支払わなくてはならないこともあります。

個人年金の場合、契約者が万一早く亡くなった場合は、ほぼ保険料相当の死亡給付金が支払われます。ただし、夫婦連生型の個人年金もあるので、その場合はどちらか生存しているときは受給開始年齢から年金給付金が支払われます。

生命保険文化センターの調べによると、個人年金の払い込み保険料の平均は、月額1万6000円(年額約19万円)です。個人年金は自分たちの保険料を積み立てて、後で受け取る仕組みです。現役世代が現在の引退世代に直接仕送りする世代間扶養の仕組みである公的年金とは異なります。

結論として、個人年金の保険料を預ける時期(現在は低金利)とご家庭での保険に対する考え方、公的年金に対する考え方、計画通りお金を使うタイプかどうか、貯蓄の額によっても、個人年金が必要かどうか違ってくるのでしょう。

AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士拝野洋子

大手地方銀行にて外国為替、内国為替に携わる。税理士事務所にて、社会保険、助成金申請代行、損保代理店業務、行政書士補助、記帳代行などの業務に携わる。400件以上の電話年金相談に対応。東京都中央区で算定相談員、川崎市で街頭相談員、社団法人の労働施策アドバイザーを経験。

平成25年4月より、オールアバウトガイド(出産育児費用・公的給付担当)平成26年1月リリース、Yahoo!みんなの政治「妊娠・出産 手続き&得するお金チェックリスト」にて監修を担当。

Facebook https://www.facebook.com/yoko.haino.1

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