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ここでは、共済で教育資金を準備するJA共済と全労済の商品を様々な視点から比較・検討します。
生命保険会社の学資保険とほとんど変わらないJA共済か、キッズタイプの共済に満期金をプラスする全労済か、両共済の特徴を比べていきましょう。
JA共済と全労済は、どちらも共済ですが、生命保険会社の学資保険とほとんど同じJA共済「こども共済」と、オーソドックスな共済に満期金プラスする全労済「キッズ満期金プラン」で全くタイプが違うため、比較が難しいのですが、総受取金額と払込期間を揃えて比較してみました。
【比較条件】
契約者:男性30歳 / 子ども:0歳
JA共済 | 全労済 | |
---|---|---|
商品・プラン | こども共済「学資応援隊」 | キッズ満期金付プラン |
返戻率 | 104.7% | 99.4% |
総受取金額 | 300万円 | 300万円 |
払込期間/満期 | 18年間/22歳満期 | 18年間/18歳満期 |
受取方 | 18歳~22歳の一年毎60万円ずつ受取 | 18歳の契約満了時に300万円 |
JA共済の104.7%に対し、全労済は元本割れの99.4%でした。全労済は「キッズ満期金付きプラン」だけで計算すると返戻率は106.18%なのですが、キッズタイプの共済にプラスする形でないと加入できないので、医療保障のある共済掛け金(月額900円)を加えて計算したところ、元本割れとなってしまいました。
これより高い返戻率を望む場合、JA共済に12歳払込終了とするプランがあり、上記と同じ契約者30歳、子ども0歳、22歳満期の場合の返戻率は108.6%となります。これは生命保険会社の学資保険と比較しても、かなり高い返戻率と言えそうです。
JAは、大学入学から5年間受け取る「学資応援隊」と、幼・小・中・高入学時祝い金が付く「にじ」と「えがお」があります。「にじ」と「えがお」の違いは子どもに万一のことがあった場合の保障の厚さで、「にじ」は最大500万円、「えがお」は最大1700万円の共済金を受け取ることができます。
全労済は、入学時に一時金で受け取るタイプのみですが、満期時期に中・高・大入学の3タイプがあり、それらを組み合わせてプランを作ることができます。
受取プランでは、JAには2つのプラン、全労済は一時金のみなので、プランの豊富さではJAが有利となります。
JA | 全労済 | |
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受取方 | ・18歳~22歳の一年毎(学資応援隊) ・幼・小・中・高入学時に祝い金。 18歳~22歳の一年毎(にじ・えがお) |
・満期時に一時金 |
JAでは12年間の短期払いができます。一方、全労済には満期まで払い込むプランしかありません。短期払いではJAが有利となります。
全労済は、キッズタイプの共済にキッズ満期金プランを付けているので、入院日額5,000円、手術1回10万円、通院日額2,000円などの医療保障を備えています。
一方、JAはこども共済に医療保障はありません。医療保障を付けるのであれば、医療共済を検討することになりますが、子ども0歳、保障期間・払込期間80歳、入院日額5,000円(60日限度)、手術見舞金ありのプランで、月額男の子2,118円、女の子1,963円でした。
以上から、医療保障では全労済が有利と言えるでしょう。
一般に、学資保険には、もしも契約者(親)に万一のことがあったら、以後の保険料払込は免除となったうえで、満額の学資金を受け取ることができるという死亡保障の役割があるのですが、全労済のキッズ満期金付プランにはこの扱いがありません。契約者が亡くなっても満了時まで掛金を払い続けなければなりません。
学資保険によって、契約者(親・祖父母)が何歳までなら加入できるかはさまざまです。契約プランによって違いがある場合もありますが、45歳までとする学資保険もあります。その点、JAと全労済はどちらも最高75歳まで契約ができます。おじいちゃん・おばあちゃんが孫のために積み立てをしてやりたいと思う気持ちを応援する設定と言えるでしょう。
今回の比較では以下のような結果となりました。
教育資金の積立目的であれば、JAが有利という印象です。ただ、共済から選ぶのであれば、家族が既にどちらかの共済に加入しているかどうかでも、判断は違ってきます。どちらを選ぶかは、それぞれの家庭の事情や考え方によるということになりそうです。
主婦200人が実際に選んだ学資保険ランキングでもさまざまな声が出ていますので、興味のある方はぜひそちらもご覧ください。