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契約者貸付の仕組みと利用方法を知っておこう

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貯蓄性のある保険を契約している場合、支払った保険料はいずれ満期金などの形で受け取るわけですから、保険会社にお金を預けていると捉えることもできます。ほとんどの場合、預金のように自由にお金を引き出したりはできませんが、その代わり、保険会社からお金を借りることができます。それが契約者貸付という仕組みです。


契約者貸付を使えば低金利で保険会社からお金を借りられる

契約者貸付は、限度額(今までに支払った保険料総額のうちの一定の割合。7~9割程度が一般的)の範囲で、保険会社からお金の貸し付けを受けられる制度です。

保険会社にお金が積み立てられている必要があるので、学資保険の他、終身保険や養老保険など貯蓄性のある保険契約がある場合のみとなります。掛け捨ての医療保険などでは利用できません。契約のしおりなどに記載があると思いますので、確認してみましょう。

利用方法は、借りたい金額を申請すれば、指定の銀行口座などに振り込まれるという形になります。専用のカードがある保険会社だとATMで受け取れる場合もあります。細かな手続きの方法は保険会社によって異なりますので、Webサイトなどで確認しましょう。ネットから簡単に申請できる保険会社もあります。

貸付を受けたお金は借入金となりますので、当然、返済しなくてはならず、金利も発生します。金利は保険会社と契約時期によって異なります。契約時期によって異なるのは、時期によって保険会社の予定利率が違っているためです。金利(貸付利率)は保険会社のサイトで確認することができます。

近頃の各社の利率を調べてみました。2~3%程度が主流のようです。

保険会社 貸付利率(年利) 備考
フコク生命 2.00% 2013年4月2日以降の契約の場合
アフラック 2.75% 2001年4月2日以降の契約の場合
ソニー生命 2.50% 2013年4月2日以降の契約の場合
かんぽ生命 1.25% 2016年8月2日以降の契約の場合
日本生命 3.00% 2014年4月2日以降の契約の場合
太陽生命 3.00% 2001年4月2日以降の契約の場合
第一生命 3.00% 1999年4月2日以後の契約の場合
明治安田生命 2.15% 2013年4月2日以降の契約の場合
三井住友海上あいおい生命 1.20%~1.75% 2017年4月2日以降の契約の場合/商品によって異なる
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 3.25% 2014年11月1日以降の契約の場合
住友生命 1.55% 2017年4月2日以降の契約の場合

※最新の利率は保険会社のサイトなどで確認してください。契約内容によって異なる利率になることがあります。

契約者貸付は「使える制度」か?

消費者金融のキャッシングやカードローンの金利が15%~18%程度であることを考えると、契約者貸付はかなり有利な金利で借りることができます。限度額が保険料の累計支払額に左右されるため、そう高額な借入れはできないでしょうが、少額だけ、どうしても現金が必要となった場合は検討する価値はあるでしょう。

ただし保険料の支払いが止まるわけではないので注意してください。一時払などで払込が終わっている保険契約を持っている人は便利に利用できる制度だと思われます。

保険料そのものの支払いが困難になった場合にも、契約者貸付を利用してしのぐことができます。つまり、保険料を払わずに、契約者貸付を保険料に充当するという取り扱いです。むしろ、こちらのほうが本来の利用方法かもしれません。保険料の支払いが滞ったときには自動的にこの手続きが行われる契約もあるくらいです。

契約者貸付の金利は低いですが、もし、返済することができなかった場合、保険契約が失効することになります。特に督促などがないので逆に注意が必要です。督促されなくても、期間が経過すれば利息が追加されていきます。借入額+利息が、保険会社に預けていたお金の総額を上回ってしまった時点で失効となります。

契約者貸付の返済が終わっていない状態で満期を迎えたり、解約したりすると、満期金や解約返戻金から未返済の借入額+利息が差し引かれます。

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