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学資保険に入ろうにも、そもそもどれくらいのお金を準備すればいいのか、分からない人のほうが多いのではないでしょうか。教育費用とはいくらほどかかるものなのか? あからじめ把握しておく必要がありそうです。
とはいえ、教育費用は進路によっても大きく異なるもの。そこで当サイトでは、いくつか進路パターンを想定し、それぞれでかかる費用を調べてみることにしました。
文部科学省の統計『子どもの学習費調査』によると、幼稚園~高校までの費用は下表のようなものになりました。これは「学習費総額」と呼ばれる、入学金・授業料に加えて、制服・教科書の費用、給食費、遠足などの費用など、「学校に対して支払うお金」とをすべて勘案したものです。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
3年間の総額 | 68万2,117円 | 144万5,385円 |
1年あたりの平均 | 23万3,947円 | 48万2,392円 |
公立 | 私立 | |
---|---|---|
6年間の総額 | 193万4,173円 | 916万4,628円 |
1年あたりの平均 | 32万2,310円 | 152万8,237円 |
公立 | 私立 | |
---|---|---|
3年間の総額 | 143万3,090円 | 397万9,521円 |
1年あたりの平均 | 47万8,554円 | 132万6,933円 |
公立 | 私立 | |
---|---|---|
3年間の総額 | 135万1,336円 | 310万9,805円 |
1年あたりの平均 | 45万,862円 | 104万168円 |
高校までの費用は、進学先が公立校か私立校かで大きく異なり、2~4倍の差が出てきます。特に6年と長く通うことになる小学校において、両者の差は歴然です。
学習総額費の内訳として、「学校外活動費」も調査されています。学校に対して払うとは違い、学習塾・予備校、習い事にかかる費用を指す費目で、公立か私立に進むかによって異なる傾向があるようです。
公立 | 私立 | |
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幼稚園 | 9万2,983円 | 13万3,705円 |
小学校 | 21万7,826円 | 61万3,022円 |
中学校 | 30万1,184円 | 32万932円 |
高校 | 17万4,871円 | 28万5,067円 |
合計 | 78万6,864円 | 135万2,726円 |
幼稚園から高校までの間に、70万円~135万円程度、学校の学費とは別に教育費がかかります。特に私立小学校の学校外教育費は郡を抜いていますね。
進路の違いによる費用の差は、大学になるとさらに激しく開きます。 日本政策金融公庫の『教育費負担の実態調査』によれば、次のようになっていました(この統計は「国の教育ローン」を利用した人に調査を行ったものです)。
国公立大学 | 私立大学(文系) | 私立大学(理系) | |
---|---|---|---|
入学費用 | 80万1,000円 | 90万4,000円 | 85万5,000円 |
在学費用 | 459万2,000円 | 640万4,000円 | 741万2,000円 |
合計 | 539万3,000円 | 730万8,000円 | 826万7,000円 |
入学費用とは、受験料や受験のための交通費、そのほか入学金・寄付金など、入学時に大学に支払った総額で、入学しなかった大学への受験料・納付金も含みます。
在学費用は授業料のほか、実習費、通学費なども含めた在学中にかかる費用のすべてで、大学4年間を掲載しています。当然ながら国公立がもっとも安く、年間で114万8,000円、私立文系は160万1,000円、私立理系は185万3,000円でした。
大学生から一人暮らしすることになった場合、引っ越し代などの初期費用として平均37万4,000円かかります。仕送り額の年間平均は90万8,000円(月額7万5,000円)。以上から、自宅外通学費用は4年間で363万2,000円となります。
ここまで調べた費用を進路のパターン別に合計してみます(自宅外通学費は除きます)。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 合計 | |
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すべて公立 | 68万2,117円 | 193万4,173円 | 143万3,090円 | 135万1,336円 | 539万3,000円 | 1,079万3,761円 |
幼稚園だけ私立 | 144万5,385円 | 193万4,173円 | 143万3,090円 | 135万1,336円 | 539万3,000円 | 1,155万6,984円 |
高校だけ私立 | 68万2,117円 | 193万4,173円 | 143万3,090円 | 310万9,805円 | 539万3,000円 | 1,255万2,185円 |
高校から私立(文系) | 68万2,117円 | 193万4,173円 | 143万3,090円 | 310万9,805円 | 730万8,000円 | 1,446万7,185円 |
高校から私立(理系) | 68万2,117円 | 193万4,173円 | 143万3,090円 | 310万9,805円 | 826万7,000円 | 1,542万6,185円 |
すべて私立(文系) | 144万5,385円 | 916万4,628円 | 397万9,521円 | 310万9,805円 | 730万8,000円 | 2,500万7,339円 |
すべて私立(理系) | 144万5,385円 | 916万4,628円 | 397万9,521円 | 310万9,805円 | 826万7,000円 | 2,596万6,339円 |
すべて公立校に進んだ場合でも1,000万円超え! 子沢山な家庭は大変です……。だからこそ、学資保険や奨学金、その他、公の補助金など、ありとあらゆる制度・サービスを利用して、教育費用を準備しておく必要があるのです。
特に、進学・入学が重なるタイミングでは、その年の授業料に加えて入学金がかかります。いわゆる「初年度納入金」という形で、入学金がプラスされるぶん、特に高額のまとまったお金が必要になります。学資保険に、進学・入学の時期に合わせて祝金が出るプランが付いているのはこれが理由で、まとまったお金が必要な時期の手助けになるよう、あらかじめ設計してあるというわけです。