主な海外留学先別の費用相場まとめ(国別)

掲載: 

主な海外留学先別の費用相場

留学にはどの程度費用がかかるのでしょうか。大学生が海外の提携校で学ぶ交換留学なら、いくらか自己負担額を抑えられますが、私費でいく語学留学となると話が変わってきます。留学先(国)、滞在期間、受講プログラムなどでさらに金額が変動するため、親としてはそのあたりも理解したうえで子どもを送り出したいものです。

一般的に、留学にかかるお金は以下のものがあります。

  • 入学金
  • 授業料
  • 教材費
  • 滞在費
  • 食費
  • 航空券
  • 海外生活での保険料
  • お小遣い
  • その他雑費

これらのなかで最も気にするべきは授業料滞在費です。授業料は留学先やプログラム、場合によっては季節により異なり、滞在費は留学先のほか、ホームステイ、学校の寮、シェアハウスのどれを選ぶかで大きく差が出ます。なかなか平均相場を出すのが難しい留学ですが、どの程度必要になるのか、ざっくりとでもいいので事前に把握しておきましょう。


メジャーな留学先10カ国の年間費用

語学学校を中心に、人気の高い留学先の年間相場をまとめてみました。特にメジャーな留学先については、大学や専門学校についても紹介します。

アメリカ

約180~300万円

学費

語学学校は週1万5,000円程度から。高いところだと4万円弱かかりますが、格安校だと年間70万円をきります(週/20h)。大学は、州立か私立、都市部か地方かにより費用に差が出るほか、入学難易度によっても上下する傾向があり、トップレベルなら州立でも300万円程度かかることがあります。専門学校は、分野によっては大学より高くなり、年間100万~300万円弱と幅が広いです。

滞在費

ホームステイの相場は週80~250ドルです。もちろんシェアハウスの方が安いですが、都市部の中心だとそれなりに高く、平均450~1,500ドルと開きがあります。少し離れたところから通うか、留学先の選択自体を地方にすれば費用を抑えられるでしょう。

生活費、他

食費や光熱費などの生活費全般は月500ドルを目安に。雑費に余裕を持たせたければ、自炊を勧めるなどして節約する努力を求めましょう。

カナダ

約170万円~260万円

学費

語学学校の授業料は月9万強~12万円強、教材費他で数百ドルが相場。専門学校だと若干高くなります。大学ではさらにアップするうえ、外国人はカナダ人よりも高めに設定されていることが多く、親泣かせです。

滞在費

ホームステイは月6万5,000~7万5,000円、紹介料でプラス約2万円は見ておきましょう。シェアハウスの家賃相場は月3万5,000円くらいから。

生活費、他

食費は自炊しての節約生活で2万5,000円程度に収めたいところ。お小遣いは3万円ほどあれば普通に過ごせますが、頑張って2万円程度に抑えてくれると嬉しいですね。さまざまな雑費を切り詰めることで200万円を切ることも可能です。

イギリス

約180万円~270万円

学費

語学学校は私立が圧倒的に多く、ロンドンなど有名どころ以外にもたくさんあります。年間授業料は120万円程度を目安にしましょう。ホームステイ先とパックで申し込める学校も多数あります。大学は年間100万~150万円が相場。日本と違ってほとんどが公立であること、修学期間が3年間などの特徴があります。また「ファウンデーションコース」と呼ばれる大学入学のための準備コースは、年間60万円ほどかかると思ってください。

滞在費

ホームステイは年間60万~90万円です。安く抑えるならフラット(アパート)でのシェア生活をオススメ。家具や調理道具付きが一般的で、パートナーがいれば月3万円強で済みます。寮は食事付きで4万~6万円程度。

生活費、他

生活費は月4~5万円を考えておけばOK。都市部か地方かでかなり差が出ます。特にロンドンで地下鉄通学をすると、居住地によっては月5万円ほどかかり、電車賃がバカになりません。

オーストラリア

約170万円~280万円

学費

語学学校は週平均250~370ドル。年間での割引を考慮して110万~160万円だと見ておきましょう。TAFE(公立の職業専門校)はコースにより学費の差が激しく、35万~100万円ほど開くことがあります。大学はイギリスと同じく3年間の就学で、年間費用は90万~150万円が平均

滞在費

ホームステイは週あたり1万8,000~2万4,000円が相場です。1年間この額だと厳しいため、2ヵ月目以降はシェアハウスへ移動するのが一般的。費用は郊外で週9,000円強、都会では1万5,000円程度です。学生寮は週1万6000円程度と、意外に安くありません。

生活費、他

以前は物価安でしたが、最近は随分高くなってしまったため、外食ばかりしていると出費がキツいでしょう。スーパーなどで食材を買い、自炊して月1万5,000円程度に収めてほしいですね。食費は使っても2万円以下に抑えたいところ。

他に、オーストラリアでは滞在が短期・長期にかかわらず、海外留学生健康保険(OSHC)への加入が義務付けされており、1年間で約3万~4万円が必要になります。

ニュージーランド

約170万円~260万円

学費

ニュージーランドは他の国と比較すると安めです。大学やポリテニック(高等教育専門機関)で80万~120万円、理系だとこれに30万~40万プラスした額が平均です。私立の語学学校は数が多く、留学生が集まる大都市に集中しています。週あたりの相場は2万円強~3万円弱。長期申し込みだと割引キャンペーンが適用される場合も多いので、上手に選択するとさらに安く入学できます。

滞在費

人気なのはホームステイかフラットシェアです。ホームステイの相場は激安のところで週1万2,000円程度ですが、良い環境を求めると2万円弱必要になります。また、農場で暮らすファームステイという手もあります。(ただし労働とセットで辛いかもしれないので短期間向け)

生活費、他

食料品や交通費、電話料金等、生活に必ずかかる費用は日本に比べると安く、節約するなら生活費です。家賃とは別に月3万円ほどあれば安心でしょう。

アイルランド

約150万円~260万円

学費

アジア諸国からの留学生は割高に設定されている学校が多いアイルランド。さらに物価が上昇していて、あまりお得感を感じないものの、日本人比率が少なく国際色豊かな環境で学べる利点があります。
語学学校は1ヵ月で10万円強と見ておけばいいでしょう。大学付属の語学コースはこれよりもやや高め。大学は年間100万~130万円ほどです。ダブリンなど都市部に比べれば地方の方が割安ですが、あまり変わらないことも多く、一概には言えません。専門学校は平均100万円かかります。

滞在費

宿泊はホームステイが主流です。ほとんどが個室でフラットよりも安いうえ、安全でオススメです。月7万円が相場。もちろん、フラットをシェアできるならそれもいいいです。光熱費がやや高めなので、日の短い冬場は暖房代に注意したいです。

生活費、他

先ほど触れたように、物価は上昇傾向にあり、日本とあまり変わらないと考えた方が良いでしょう。子どもに節約するよう努力して欲しいですね。

フィリピン

約100万円~120万円

学費、滞在費

フィリピンは欧米諸国よりも半分以下の費用で留学できます。語学学校の質も一定上あり、学費の割にカリキュラムも豊富なことから、コストパフォーマンスのいい留学先として人気が上昇しています。
留学生の場合、フィリピンの授業料は寮費とセットになっていることが多く、食費を合わせて月10~14万円が一般的。複数人の協同部屋が基本で、1人部屋を希望するとプラス1~2万円高くなる傾向があります。生活に慣れてくれば一人暮らしを初めてもいいですが、治安の悪い場所もあるので注意してください。

生活費、他

お小遣いや雑費などで月2~3万円あると良いでしょう。

南アフリカ

約130万円~200万円

学費、滞在費

語学学校が集中しているケープタウンが人気です。欧米諸国と比べると費用が安く、世界中から集う留学生と少人数で学べるのが人気の秘密。
語学学校のほとんどは私立で、授業料はスタンダードなコース(週20レッスン)で1ヵ月9万円ほど。週のレッスン数を増やすともう数万円ほど上がり、ホームステイとセットなら15~20万円になるでしょう。 滞在をシェアハウスにするなら月3万円程度を目安に。

生活費、他

物価が安く、生活費は日本の半分程度で済みますが、物によっては日本とそう変わらないものもあるので財布の紐を緩めすぎないよう注意したいです。なんといっても、数多くのサファリパークや国立記念公園、世界遺産がある国ですから、レジャー費がかさまないように。

フィジー

約100万円~120万円

学費、滞在費

フィジーも欧米諸国よりリーズナブルに学べる人気の留学先です。格安学校が多く、短期で留学する人が多いです。フレンドリーな国民性で知られ、現地人の友達ができやすいと言われています。シャイな日本人には持ってこいの環境かも。
語学学校の授業料は、学費と滞在を合わせて月10万~15万円。ホームステイ(食事付き)が最も高くつきますが、それでも欧米諸国の半額程度なので、費用に余裕があれば贅沢させてあげていいかもしれません。

生活費、他

遊ぶ場所が多いとはいえないので、そのぶん学習に集中でき、レジャー費を抑えられるでしょう。物価は日本の1/3程度。しかしすべてが安い訳ではないので、スーパーを活用するなどして節約を心がけてもらいたいです。

マルタ

約140万円~260万円

学費、滞在費

授業料と滞在費を合わせて1ヵ月15~25万円が目安。“語学留学の穴場”とも言われていますが、年間計算すると学費だけでも結構いきます。滞在費はアパートをシェアすると3万円程度で済むでしょう。
なお、語学学校を選ぶ際、質の確保をしたければ、「FELTOM」というマルタ教育省に認定された学校を選ぶようにしましょう。

生活費、他

物価は日本と同程度で、生活費は月4~5万円あれば生活できます。もちろん自炊ありきの計算です。外食やレジャー費がかさむと、結果的にアメリカやイギリスと同額になってしまいます。

全体を通して

どの国にも言えることは、学費が安く質が良い学校は少数派だということです。

予算ありきで留学先を選ぶのもいいですが、そればかりに目を取られ、子どもを環境の整っていない学校に行かせるよりは、しっかり貯蓄して少し余裕のある海外生活を送らせてあげたいものです。

※データは筆者独自の調査から算出した目安であり、日本円は為替レート次第で変わります。詳細は必ずご自身でご確認ください。

2020年主婦200人が選んだ学資保険は?

子持ち主婦200人が実際に選んだ学資保険人気ランキング2020
半年以内に学資保険に加入した主婦の方200人にアンケートを実施し、今最も人気の学資保険はどの商品なのか調べてみました。保険選びの決め手になった理由も添えてご紹介しますので、一つの目安として参考にしていただければ幸いです。[...]

関連記事

  • 教育費用みんなはどれくらい貯金してる?教育費用みんなはどれくらい貯金してる? 子育て世帯にとって隣の家の台所事情は気になるもの。特に、ファミリーになりたての20代・30代は、他の家庭を参考に目標設定を見直したい世帯も多いのではないでしょうか。 […]
  • 学資保険の返戻率比較表(完全版)学資保険の返戻率比較表(完全版) 保険会社13社の学資保険返戻率を「満期金の受け取り年齢」「保険料払い込み年齢」などの様々な条件別に絞り込んで比較することが可能です。 絞り込み検索 満期金受け取り年齢 指定なし15歳17歳18歳20歳21歳22歳 保険料払い込み年齢 指定なし10歳 […]
  • プロFP10人に「学資保険の賢い選び方」について聞きましたプロFP10人に「学資保険の賢い選び方」について聞きました 学資保険に加入する際は「満期の時期」「保険料の払い込み年齢」「月々の積立金額」など決めなければいけない項目が複数あります。どういう風に決めればいいのか、人によってアドバイスが異なるので、混乱する方も多いかと思います。 […]
  • 子どもの教育費用はいくらかかる?子どもの教育費用はいくらかかる? 学資保険に入ろうにも、まず、そもそも将来にどれくらいのお金を準備すればいいのかがわからないと検討しにくいですね。そのためには、教育費用はいくらくらいなのか、あらかじめ知っておく必要があります。 とはいえ、教育費用は進路によっても大きく異なってきます。いくつかのパタ […]
  • 月額平均はいくら? 学資保険にかける保険料の相場月額平均はいくら? 学資保険にかける保険料の相場 教育費を学資保険で補う場合、月々いくらぐらいの保険料が妥当なのでしょうか。 […]
コンテンツ一覧
必要性・貯蓄性を考える
保障機能を考える
学資保険は必要?選び方
税金を考える
いまどきの教育費用の実態
保険会社別商品レビュー
保険パンフレットの読み方ガイド
「マンガでわかる 9割の人が気がつかない保険のヒミツ」
総合トップに戻る
  • 保険ソクラテス
スポンサーリンク