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シングルマザーに学資保険は必要? シングルファザーだからこそ加入すべき?ひとり親世帯が解決しておくべきこと

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子育て世帯にとって、教育費の準備は最重要課題の一つです。子供がどんな進路を望むかにもよりますが、共働き世帯でも決して楽ではない金額が必要になることは間違いなく、シングルマザーなどの「ひとり親」にとっては最大の不安と言っても過言ではないでしょう。

そんな世帯だからこそ、手堅く貯蓄でき、保護者の「万が一」にも備えられる学資保険が頼もしいと思う人は多いでしょうが、当サイトの見解は少しだけ違います。

優先順位は絶対!自分の保障>学資保険

学資保険は、他のページでも述べてきたとおり、教育費を貯めるという目的においてはなかなか優秀な手段だと思います。マイナス金利政策以降の低金利状態は残念ではあるものの、家計に余裕があれば、ひとり親世帯も積極的に活用していいでしょう。

しかし、学資保険の優先順位はそんなに高くありません。リスクの大きさに目を移すと、なによりも最優先すべきは親である自分の死亡保障です。一家の大黒柱は自分であり、代わってくれる人もいないため、万が一の保障額はしっかり検討し、準備しておく必要があります。

そして、次に検討したいのは、自分が病気や怪我をしたときの医療保障です。一般的な医療保障(入院給付金や手術給付金)だけでなく、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)などで一時金が出る保障や、働けなくなったときの所得補償など、さまざまなリスクについて考えてください。

医療費の負担だけなら、ひとり親家庭への自治体からの援助は手厚く、さほど問題にはならないかもしれません。神戸市の例では、ひとり親が外来で受診するとき、ひとつの医療機関での上限は1日あたり400円(3日目以降無料)、入院なら1ヶ月の負担限度額は1,600円(食事代や差額ベッド代などは自己負担)です。もちろん、住んでいる自治体によって違いがありますので、ご自分の地域がどんな助成をしてくれるのか、必ず確認しておいてください。

医療費の負担は少なく済んでも、療養中の生活費が稼げないと困ります。その間の収入減をカバーするのはもちろんのこと、場合によっては家事代行やベビーシッターの利用料なども備えが必要でしょう。

それらに対する備えが済んでいて、そのうえで余裕があれば学資保険を検討するというところでしょうか。

学資保険は、満期まで払い続けることができた場合だけ、貯蓄性が良いといえる商品です。自信を持って払い続けることができると確認したうえで加入を検討してください。

ひとり親が死亡したときのため「未成年後見人」を指定するべし

もう一点、気にしておいたほうがいいのが、保険金受取人の問題です。

ひとり親の場合、家計の中心者である自分に保険をかける(被保険者を自分にする)のですが、万一があったときに受取人(子供)が未成年だった場合、子供自身が自分だけで保険金を受け取ることはできないことをご存知でしょうか。この決まりは死亡保険でも、学資保険でも同じです。

学資保険でいえば、その商品の特性上、不幸にも保険事故が発生したとすると、受取人(子供)が成人していないケースが多いでしょう。そんな場合に備え、遺言書に「未成年後見人」、要は「子供に代わってお金を管理できる信頼できる人」が指定されていれば、それに従って支払われます。しかし指定がない場合は、家庭裁判所が未成年後見人を選びます。

シングルマザーの例で考えるとして、子供の父親(別れた夫)が健在なら、後見人に選ばれることも考えられます。別れたとはいえ、我が子のことを最優先に考えてくれる夫なら心配ありませんが、借金があったり、お金にルーズだったりする人の場合、学資保険の祝い金や満期金が別の目的に使われてしまうのでは?という不安があります。

子供の将来の教育費を安心して託せる身内がいれば、その人を未成年後見人に指定しておくほうが望ましいでしょう。死亡保険金というのは、受け取ってしまうと受取人自身の固有の財産になるので、遺された子供のためだけに使ってくれる、信頼できる未成年後見人を見つけることです。

 

家族であってもその関係はさまざまだと思いますので、その判断は慎重に行ってください。もし、そのあたりがクリアにならないなら、無理をして学資保険に加入する必要は少ないように思います。

全体を通して

教育費の前に親自身の保障を充実させる、というのは当然の考えだと思います。そのうえで教育費の準備をどうするか?というテーマでしたが、述べたとおり、ひとり親の場合は受取人問題をクリアにしていかないと、精神衛生上よくありません。

ナンセンスとも言える不安を抱えながら保険料を払い続けるなら、いっそ学資保険ではなく、貯蓄や投資など別の方法で備えるほうが安心なこともあるでしょう。

保険ソクラテスとしては、学資保険は検討したほうが良い保険だという一方で、「子供の教育費=学資保険」という安直な公式には、「ケース・バイ・ケースである」という意見です。

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