無理やり比較!学資保険 VS 個人向け国債!教育費の準備に向いているのは…

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いくつかある教育資金の準備方法について、今回は、学資保険と個人向け国債を比べたいと思います。

学資保険は保険商品、個人向け国債は債券という金融商品であり、まったく別物で単純比較はできませんが、まずは「どんな人に向いているのか」について考えます。

その前に:そもそも金融商品に完璧なものはない

かつての教育資金準備の代表格・学資保険。利率がよかった時代は、「とりあえず学資保険」でもOKでした。しかし超低金利時代の現在では、さまざまな選択肢の中から、「少しでもお得なもの」をチョイスする方が増えているようです。

当サイトにも、「どれがオススメですか?」という質問を頂く機会が増えたのですが、残念ながら、「○○なら間違いない!」と胸を張ってオススメできる金融商品は存在しません。どれを選んでも、それぞれにメリット・デメリットがあるからです。

学資保険と個人向け国債、向いている家庭は…

たとえば、今のところは資金が少ないけれど、将来の目標に向かってコツコツ貯めたいというご家庭なら、学資保険のような保険商品を利用するのがいいでしょう。公共料金のように口座から強制的に引き落としになる仕組みは、貯蓄の王道でもあり有効な手段です。

個人向け国債も1万円から購入できますが、都度自分で買わなければならないので、長期間コツコツとなると、うまくいかない方もでてきます。

反対に、ある程度資金があり、これをもっと増やしたいというご家庭なら、個人向け国債の利用もいいでしょう。個人向け国債は「変動10年」の他、「固定5年」、「固定3年」がありますが、「変動10年」の利率は約0.09%ですから(2018年11月現在)、預貯金より期待できます。

「保険料払込免除特約」の学資保険 VS インフレ対応可で流動性も高い個人向け国債

学資保険が個人向け国債より勝っているところは、先ほど述べた「保険料の天引きによる強制的貯蓄効果」ですが、さらに秀でているのは「保険料払込免除」という仕組みでしょう。契約者(保護者)が死亡したり高度障害状態になった場合、保険料払込免除という保険特有の仕組みによって、以後の保険料の支払いがなくても予定通り満期保険金が給付されるのです。これは安心です。

不利になりかねないところは、契約当時の金利が固定されるため、インフレには対応できないこと。ほかに、払込期間前に解約すると元本割れすることでしょうか。

一方の個人向け国債ですが、良いところはやはり、預貯金に比べれば利率が高めだということ、最低保証利率があることでしょう。また、10年ものは変動金利型なので、金利が上昇したときも対応可能です。これは学資保険にはないメリットです。

もちろんデメリットもあります。半年ごとに利払いがある単利型商品(=はじめに預けた元本に対してのみ利息がつく)であり、都度税金も引かれます。「増やす」という観点から言えば効率が良いとは言えない金融商品です。また、購入後1年間は換金ができず、その後はいつでも換金できるものの、直前2回分の各利子相当額が差し引かれることになっています。学資保険のように、一度契約すると満期まで解約できない(お金が入ってこない)訳ではないので、流動性という意味では強みにはなるのですが。

どちらかを選ぶのにインフレを考慮すべきか?

日本は長い間、デフレの状態にありましたが、ここ最近は消費者物価指数が上がっています。総務省統計局のホームページによりますと、2015年を基準とした消費者物価指数は2017年から少しずつ上がっており、総合指数で8月が1.3%、9月が1.2%とでした。ただしこれはエネルギー価格の上昇が大きいためで、エネルギーと生鮮食品を除く指数は、執筆時現在0.4%にとどまっています。

しかし、エネルギー価格の上昇は今後あらゆるところに影響を及ぼし、電気・ガス料金はすでに値上げが始まっていますが、人手不足による人件費の高騰も影響が出てくるでしょう。2019年早々には、家庭用小麦粉やアイスクリームなどの食料品の値上げも予定されています。

10年、15年という時間を考えれば、インフレは考慮したほうが良いと思います。

結論:で、どちらがオススメ?

以上をふまえると、やはり勝敗は付けにくいと感じます。

目先のわずかな利益を考慮すると答えが変わりそうですが、先行き不透明な今の時代は、保険商品がいいのか、国債がいいのかといった二択ではなく、いくつかに分散して準備することが賢明ではないかと思います。

一般的に教育費は、15年くらいをかけて調達する「計画性が物を言う」資金です。時間を味方に付け、頭を柔らかくして、目標額をめざしましょう。

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