当サイトでは、がんに罹患し、治療を終えた方500名にアンケートを行い、実際にかかった費用について聞いてみました。このページでは、そのうち、大腸がんにかかった人に聞いた、治療費の実態をまとめています。調査の概要や、全体の結果についてはこちらのページをご確認ください。
大腸がん治療にいくらかかった?
大腸がんの治療法は、軽度であれば内視鏡治療 → 経過観察で済みます。今回の調査でも、ステージIでの治療方法はほとんどが「内視鏡切除」でした。結果、治療費の実費は「20万円未満」が約7割。
ステージIIになると、ステージIでは3割弱だった手術(開腹・腹腔鏡下)の割合が増え、抗がん剤の併用も見られました。治療費は「20万円~50万円未満」が5割以上を締めるようになり、「250万円~300万円未満」かかったという回答も(開腹手術・治療期間5年以上)。
ステージIIIでは、それまで少数だった「50万円~100万円未満」が2割以上になり、「150万円~250万円未満」というケースが初登場します。手術の後、再発を防ぐために抗がん剤を使用するケースも増えてきます。
ステージIVは、ついに「50万円~100万円未満」が5割弱に。「300万円以上」という回答もありましたが、どれも治療方法についての詳細の記載がなかったため、不明です。
大腸がんは、2007年4月以降、ベバシズマブ(商品名アバスチン)を皮切りに、体内の特定の分子だけを攻撃する「分子標的薬」が相次いで保険承認され、切除できない再発・進行した大腸がんの治療法は選択肢が広がっています。
また、分子標的薬の登場にともなって個々のがん細胞の遺伝子に基づいた個別化医療も進み、薬剤の効果が期待できるかどうか調べる「KRAS(ケーラス)遺伝子検査」も2010年4月から保険適用されました(自己負担2,000円~6,000円程度)。
これによって、「この遺伝子変異をもつ人にはこの薬は効きやすい」といったように治療効果をある程度事前に予測できるようになり、より効果的な治療が行えるようになってきています。