がん保険にはどれくらいの人が入っている?がん保険の男女別・世代別加入率

国立がん研究センターによれば、一生のうちにがんになる人は男性62%、女性46%ということです。しかも、がんは日本人の死亡原因として最も多い病気ですから、がんになった場合の経済的備えはしっかり検討しておきたいものです。

がんになった場合に備える主な方法としてがん保険がありますが、実際に加入している人の割合はどれくらいなのでしょうか。

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男女別・世代(年齢)別の加入率は?

下の表は、生命保険文化センターが調査したがん保険やがん特約の加入率を男女別・年代別にまとめたものです。20代でがん保険に入っている人は2割程度ですが、30代から50代では4割以上、特に40代男性では約半分ががん保険に入っていることがわかります。

世代/性別男性女性
全体38.737.1
20代19.623.9
30代44.843.8
40代48.041.6
50代41.943.0
60代以降36.831.3
生命保険文化センター「生活保障に関する調査」2016年を基に筆者作成

20代の加入率の低さはがんの罹患率の低さと相関があり、要はまだ必要性を感じていないのでしょう。もちろん、20代でも油断できないがんはあります。20代女性の加入率が男性より高いのは、乳がんが20代でもかかる恐れがあるという意識の表れだと推測します。

一方、60代以降の加入率が低いのは、貯蓄で対応できることや、この年齢からだと保険料が高額であるため加入しにくいことが関係しているのかもしれません。

がん保険加入率の推移は?

がん保険に加入する人が、増えているのか減っているか、推移も調べてみました。生命保険文化センターの調査は2004年から3年ごとに調査を行われているので、男女別の加入率推移を下のグラフにまとめました。

生命保険文化センター「生活保障に関する調査」2004年、2007年、2010年、2013年、2016年を基に筆者作成

男性の加入率には波がありますが、全体的には男女とも増加傾向が見られます。特に女性の加入率は順調に増加しており、2004年と比べると男女差が減少していることがわかります。

ちなみに、今でこそ多くの保険会社に多くのがん保険があり、どれに加入すれば良いのか迷ってしまうほどですが、日本のがん保険の歴史は意外に浅く、初めてがん保険が登場したのは1974年、外資系の保険会社が扱っていただけでした。国内大手保険会社や損保会社ががん保険の販売をできるようになったのは2001年からです。

その後各社が競ってより良いがん保険を開発し、販売してきたのですから、2004年以降の調査で、がん保険の加入率が上がってきているのは自然な流れと言えます。

医療保険と比べるとまだまだ低い

一方、医療保険の加入率はどれくらいかというと、同じ調査で男性69.5%、女性74.1%ということでした。がん保険に比べると2倍近い人が加入しているということになります。がんで入院・手術をしても医療保険の保障の対象となりますから、医療保険に入っておけば大丈夫と考える人も多いのかもしれません。

ただ、医療の進歩とともにがんの治療方法はどんどん変わっていて、最近では、入院日数が減り、通院で抗がん剤治療を行うこともあります。もし、通院で抗がん剤治療ということになれば、一般の医療保険だけでは給付金が出ないでしょう(がん特約を付ければ話は別です)。

入院や手術の費用は医療保険で保障を受けられる人も、がん診断時やがん特有の治療を行ったとき保障は、当然ながらがん保険の方が優れています。

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