当サイトでは、がんに罹患し、治療を終えた方500名にアンケートを行い、実際にかかった費用について聞いてみました。このページでは、そのうち、胃がんにかかった人に聞いた、治療費の実態をまとめています。調査の概要や、全体の結果についてはこちらのページをご確認ください。
胃がん治療にいくらかかった?
胃がんの治療費用は、全体を通して「20万円~50万円未満」が多いようです。とくに、ステージⅣはもっとも顕著で、8割以上が「50万円未満」と回答しています。
ただ、ステージⅣ以外では、「100万円以上」かかったと回答している人が一定数おり、それぞれ、どのような治療法を選択するのかによって、費用が大きく異なってくることが分かります。
ステージIIIで見られた「250万円~300万円未満」では、開腹手術による切除の後、抗がん剤治療、漢方薬治療を受け、がんと診断されてから治療を終えるまで5年間以上かかったと記載されていました。
胃がんは、手術での切除が最も治療効果が高いとされており、ほとんどのケースで手術を選択することになります。しかし早期がんの場合、胃カメラによる内視鏡的粘膜切除で済むこともあります。入院期間についても、開腹手術の場合、2週間程度かかりますが、内視鏡手術の場合、数日程度で済むので、費用も抑えられます。さらに、早く職場に復帰できることで、収入への影響も少ないと言います。
また近年は、内視鏡手術の適応のないがんでも、比較的早期であれば胃やリンパ節をできるだけ残す縮小手術が増えているようです。胃の機能が残るため、術後のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)維持にも効果的だと言われています。
2011年3月以降、乳がんで使用されている分子標的薬のトラスツズマブ(商品名ハーセプチン)が、一部の胃がんについても保険適用されるようになりました。「HER2(ハーツー)検査」の結果、HER2陽性の場合は、分子標的薬と抗がん剤の併用が標準治療となっています。分子標的薬は抗がん剤に比べて高額で、これが医療費負担にも表れてくると思われます。
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