当サイトでは、がんに罹患し、治療を終えた方500名にアンケートを行い、実際にかかった費用について聞いてみました。このページでは、そのうち、前立腺がんにかかった人に聞いた、治療費の実態をまとめています。調査の概要や、全体の結果についてはこちらのページをご確認ください。
前立腺がん治療にいくらかかった?
前立腺がんの治療費の実費結果は、やや極端なものとなりました。というのも、全体的には「20万円未満」が多い一方で、今回の区分けで最高ランクに位置づけている「300万円以上」が最も多く見られたからです。治療期間はいずれも1年未満のようですが、先進医療技術の「重粒子線治療」を受けており、その治療費は実費で約300万円しますので、納得の金額です。
がん(医療)保険の先進医療特約は、受療する確率が低すぎることから不要だと主張している声もありますが、こうした結果を見ると、やはり加入していた方が安心に思えます(※今回の調査では「民間保険の給付金は含めないもの」としているため、これらの方々が実際に300万円以上負担したかは定かではありません)。
また、手術用ロボット(ダヴィンチ)を用いる腹腔鏡下手術を行っているケースもいくつか見受けられました。日本では、2012年2月から、ダヴィンチによる前立腺全摘手術が保険適用になり、急速に普及しています。費用総額は約150万円ですが、保険適用になるため、3割負担で45万円。高額療養費も適用可です。
一般的に前立腺がんは、高齢の男性がかかりやすいがんです。ただし、「PSA検査」など検診の普及などで早期発見される若年層の患者も増えてきました。
前立腺がんの治療法は、転移がなければ手術や放射線治療、転移があればホルモン療法や抗がん剤治療が中心となりますが、患者側の年齢や体力、もともと患っている基礎疾患の有無によって、特別な治療を行わず、経過を見る待機療法が選択されるケースもあります。